『ニューカペナの街角』の新カード《トラブルメーカー、ジャクシス》。

　カード名がこの人のデンジャラスさを象徴していて、カードを見ただけでどんなキャラクターなのかよくわかるね。マジックでは非常に珍しいサスペンダーというファッションスタイルもまた目立つ。ボクサーのような構えからの鋭い眼光、引き連れたデビルの群れ……このようなお客様が来店されたらそっと退店を促したいが、それによって暴れられたらむしろ詰みか……なんて考えてしまう。

　クリーチャーとしては４マナ２/３、本人自身のスペックは規模のかわいいトラブルで収まりそうなものだが……奇襲能力によりターン終了時に生け贄にはなるが低コストで速攻持ちとして戦場に送り出せる。

　そしてジャクシスの本領はその起動型能力にて発揮される。「{R}, {T}, カード１枚を捨てる」をコストにして、クリーチャー１体のコピーであるトークンを生成。これはターン終了時に生け贄となるという《キキジキの鏡像》で作るものと同じ期限付き。ただ死亡した際にはカードが１枚引けるので、コストで捨てたカードを新しいものと入れ替えられるという寸法だな。

　ソーサリーのタイミングでしか起動できないので、相手のターンにブロック役を出したり除去に対応して……という動きは不可能だ。とはいえ、《キキジキの鏡像》よりも早いターンからコピーを作っていけるのがジャクシスの長所。この魅力的なクリーチャーを用いたデッキを使いたい！ 《鏡割りの寓話》と組み合わせて、コピーしまくるデッキを堪能したい！ これは自然な感情だろう。

　ではキキジキとジャクシスで何をコピーするか？ その答えは同じくニューカペナにあるぞ！ 《作業場の戦長》だ。

　５マナ５/３トランプル、戦場に出たら３点回復、死亡時に４/４のサイ・戦士を遺す……こいつはすげぇハイスペックなクリーチャーだ。まさにキキジキとジャクシスでコピーして、回復しつつデカいので殴って最後は４/４受け取ってくれとフルコースを満喫してくれと言わんばかりの１枚だ。

　決まったな。グルール(赤緑)のクリーチャーデッキにこの必殺エンジンを仕込むことにしよう。というわけでデッキ構築開始。

• 4 《トラブルメーカー、ジャクシス》
• 4 《作業場の戦長》
• 4 《鏡割りの寓話》

　まずはこれらキーパーツは４枚積みで。ここにパーツを肉付けしていくわけだが……キキジキとジャクシスの能力の即時起動や、《作業場の戦長》にすぐさま殴らせるために、このデッキにおいて速攻という能力は持つ意味が非常に大きい。なので、これを与えるカードは必須パーツと言っても過言ではない。

　《無謀な嵐探し》《結ばれた者、ハラナとアレイナ》は決まりだね。

　特にハラナとアレイナはこれが戦場に居続けたらそれだけでゲームが終わってしまう、除去必至の１枚。つまりはある種の弾除けというか的というか、キキジキ＆ジャクシスが生き延びて仕事を果たす確率を押し上げる役目も兼ねているってことだ。

　他には……単騎でもパンチ力のある戦闘要員も採用していこう。外せないのはやっぱり《エシカの戦車》。

　これ１枚で強い戦場を作り出せるし、トークンをコピーして増やすという能力は、赤のコピー組とも噛み合っている。キキジキらのトークンはターン終了時に生け贄となってしまう定めではあるが、それをさらにコピーしたトークンにはその生け贄は適用されずに戦場に残るのである。というわけで上記のカードをデッキに放り込んでみよう。

• 4 《無謀な嵐探し》
• 4 《トラブルメーカー、ジャクシス》
• 3 《結ばれた者、ハラナとアレイナ》
• 4 《作業場の戦長》
• 4 《鏡割りの寓話》
• 3 《エシカの戦車》

　《燃え立つ空、軋賜》のような死亡時に誘発する能力を持ったクリーチャー、《削剥》などの除去も添えて、60枚のデッキにまとめるとしよう。

　除去を使いまわす手段として《血に飢えた敵対者》も搭載しておくとただ攻めるだけではない柔軟なデッキに……とか考えてると60枚に収まり切らないことに気付くのは構築あるあるだな本当に。欲張りすぎずに最低限、デッキとして機能する形になんとか60枚キッチリに……。

　夢のカード《産業のタイタン》をコピーしてのドリームコンボを味わいたい気持ちもあるのだが……リアルに機能するデッキを組むとしたらこんな形から始めるのが良いだろうか。

　なんだかんだマナを食うデッキになるので《ヤスペラの歩哨》《厚顔の無法者、マグダ》による宝物エンジンは必須になってくるんじゃないかな。

　この宝物に絡めて《ロウクスの保安員》とか、そっち方面のシナジーも考え出すとキリが無くなってくる。

　皆はどんなリストを思いついたかな？ その辺もシーズンが始まったらまた教えてほしいね。とりあえず……今週末が楽しみだってことだよ！