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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

今週のCool Deck:真夜中を生き延びる・緑単編(新スタンダード)

岩SHOW

 設定自体がクールなセットは自ずとクールなカードが集まる、というわけでまいど~デイリー・デッキの岩SHOWでおま。

 平日週5で更新されている当コラム、金曜日は僕が見かけたデッキリストの中で勝敗やランクなどに関係なく「これはクールだなぁ」と思ったものを紹介したり、新セットリリース前にはクールな可能性を感じたカードでクールなデッキを目指して構築を考える、そんなクールの探究を行っていくコーナー「今週のCool Deck」をやらせていただいている。

 初見の方は「クールってなんだよ」と思うかもしれない、しかしもし少しでもクールというものが伝われば……それこそが我が喜び。マジックという世界で最もクールなゲームの魅力を余すことなく伝えていく。そんな使命感で毎週やっていくので、改めてよろしくゥ!

 さて、新セット『イニストラード:真夜中の狩り』は、予定通りであれば早くも本日9月17日、MTGアリーナとMagic Onlineで先行リリースされているはずだ。

 冒頭で触れた通り、イニストラードはクールな次元を舞台にしたセットである。雰囲気がクールなセットにはクールなカードが集まる。初代『イニストラード』では《秘密を掘り下げる者》が登場、このカードはリリースから10年に渡ってこのカードはあらゆるフォーマットでデッキを成立させてひとつの長い時代を築いた。

回転

 この通称「デルバー」が今回再録で帰ってくるというのも、今回のセットに期待してしまう要因になっているだろう。

カードをクリックで別の面を表示
 

 この新セットのカードを使ってデッキを考えてみたい!のだが……当コラム執筆時点ではまだすべてのカードが公開されておらず、肝心なものが抜け落ちている可能性もある。その辺はご容赦いただければ幸いだ。

 では早速……プレビューで皆のハートに響いたカード、人それぞれ何かしらあったことだろう。僕は……新能力などは使ってみないとイメージできない、しかもローテーションでスタンダードのカード評価が一新されるというのもあってどれが強いか・クールなのかどうかは割とカオスな状態だなと。

 そんな中でもわかりやすいカード、直感的なカードはあるもので。特に《不自然な成長》は抜群のシンプルさがグッとくる。

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 全員サイズが倍。1/1が2/2になるだけだと何も感じないかもしれないが、2/2が4/4に、3/3が6/6に……デンジャラス。アートでも家ぐらいのサイズの狼男がのし歩いており、映画なんかで見てみたいクールなワンシーン。この次元の異変には月が関わっているというのもほのめかしており、世界観も伝わってくる。

 5マナで緑マナシンボルが4つと、そこまでやるなら5つでも良いのにと思わせる非常に珍しいマナ・コストもマジックの歴史に爪痕を残すクールさだ。

 今日はこのパワー&クールなエンチャントを最終兵器としたデッキを考えてみるぞ。

 強烈な色マナ拘束を持つ《不自然な成長》、使うのであれば緑単色が無難だ。そんなわけでとりあえずは既存のカードの強いものをチェックしておきたい。幸い、MTGアリーナで開催されていた特殊フォーマット「スタンダード2022」では「緑単アグロ」が強いデッキの1つとなっていたので、そのリストを見ることが一番の近道となるだろうな。

Joel Enrique Arauz - 「緑単アグロ」
TGS Open 8/22 3位 / スタンダード2022 (2021年8月22日)[MO] [ARENA]
16 《冠雪の森
4 《ハイドラの巣
2 《不詳の安息地
-土地(22)-

4 《ヤスペラの歩哨
4 《群れのシャンブラー
4 《群れ率いの人狼
4 《カザンドゥのマンモス
4 《老樹林のトロール
3 《フロギーモス
-クリーチャー(23)-
4 《吹雪の乱闘
4 《レンジャー・クラス
3 《豊穣の碑文
4 《エシカの戦車
-呪文(15)-
3 《仮面の蛮人
4 《秘密を知るもの、トスキ
4 《蛇皮のヴェール
4 《貪る触手
-サイドボード(15)-
MTG Arena Zone より引用)

 

 現行スタンダードの緑単における強いクリーチャーといえば……《漁る軟泥》《恋煩いの野獣》《水晶壊し》《探索する獣》といったメンツ。どれもこれもクールだが、いずれもスタンダードから去ってしまう。

 ただ、それでもなおこのリストに見るような、たくましい緑のクリーチャーは残り続けるので、悲観的になることはなさそうだ。

 野獣が抜けても3マナ域には《老樹林のトロール》《カザンドゥのマンモス》と攻撃するのに適した人材は豊富。

 獣よりマナ域は上になるが、《フロギーモス》は速攻持ちで最後の一撃を叩き込む役目を継承。

 そして2マナには『イニストラード:真夜中の狩り』で強化を見込める狼男である《群れ率いの人狼》。

 まだまだクールなクリーチャーが揃っているので安心してアグロデッキが組めるね。

 最強アドバンテージ源であった《グレートヘンジ》は失われるが、《レンジャー・クラス》がその穴を埋めてくれるはず。

 このカードのレベル3は状況によっては《グレートヘンジ》を越えた超展開をもたらしてくれるからね。《エシカの戦車》《不詳の安息地》《ハイドラの巣》も加われば、ちょっとやそっとのことで緑単の攻め手を根絶することは難しいのは想像がつく。

 では新カードから緑単に入りそうなものをピックアップしてみよう。まず《バイパーの牙、サリス》。

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 呪禁を与えて除去耐性を高められるのはもちろんのこと、緑単であれば接死を持たせる能力の破壊力がマシマシになる。トランプルと接死の組み合わせで、ブロック・クリーチャーには1点だけ割り振って後は本体に叩き込むという強引な攻めが可能になるからね。《フロギーモス》でたっぷり貫通させて墓地を食べまくりたいところだ。

 《レンジャー・クラス》との相性が抜群なのは《秋の占い師》。

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 レベル3の時にライブラリーの一番上に土地が来たら邪魔なのだが、それをこの占い師の能力でどけられるのでスムーズな展開が期待できる。

 そして《茨橋の追跡者》、この3マナ域の新エース候補は4/3警戒というクールなスペックに手掛かりのドロー付き。

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 トークンであれば種類は問わないので、手掛かりを使ってしまっても《レンジャー・クラス》《エシカの戦車》《群れのシャンブラー》《老樹林のトロール》とあればサイズを維持し続けられる。

 《エシカの戦車》で手掛かり・トークンを増やしてドローの貯金を作るというクールなプレイングも一度は決めてみたいもの。

 ではこれらの新クリーチャーと《不自然な成長》をまとめて、クールなデッキに仕上げてみようぜ。

岩SHOW - 「緑単アグロ」
スタンダード (『ゼンディカーの夜明け』~『イニストラード:真夜中の狩り』)[MO] [ARENA]
16 《冠雪の森
4 《ハイドラの巣
2 《不詳の安息地
-土地(22)-

4 《ヤスペラの歩哨
2 《群れのシャンブラー
4 《群れ率いの人狼
4 《老樹林のトロール
2 《カザンドゥのマンモス
3 《フロギーモス
2 《茨橋の追跡者
2 《バイパーの牙、サリス
-クリーチャー(23)-
3 《吹雪の乱闘
4 《レンジャー・クラス
3 《豊穣の碑文
3 《エシカの戦車
2 《不自然な成長
-呪文(15)-

 上記リストの一部のカードを入れ替えただけなので、まだまだクールなデッキとは言えないかもしれない。ただ《不自然な成長》はあらゆるものを無視して踏み潰す、圧倒的なパワーを感じられる1枚だと信じている。

 戦闘の開始時に誘発するので、これの能力を解決してから《豊穣の碑文》で格闘することによって素のサイズで負けている相手を潰してブロックすらさせずに本体にダメージを通すという、パワフルでクールなプレイングも可能になる。

 新シーズン開幕から完璧なデッキを組む必要はない、まずは手に入った新カードを1~2枚ずつでもいいからデッキに入れて使ってみて、それから増量するか否かを考えれば良い。クールの道は地道な努力と、ちょっとしたひらめきから。クールな新スタンダードのデッキが組めたら、こっそり教えてほしいね。

 それじゃあ、新セットで遊びまくる週末が皆さんにとってクールであらんことを。今週はここまで。Stay cool! Survive the midnight!!

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