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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
真夜中を生き延びる・ゾンビ編(新スタンダード&ヒストリック)
いよいよ『イニストラード:真夜中の狩り』がやってくる……今週末はMTGアリーナにかかりっきりの予定の方もたくさんいらっしゃることだろうね。
毎年恒例のローテーションを迎えるスタンダードに対して、「スタンダード2022」でタップリ予習しといたぞというそこのあなた。エライっ! 僕は最近はヒストリックにどっぷりだったので、この回を書きながらチェックしていこうかなというところだ。
今回の次元はイニストラード、ゴシックホラーの世界。狼男・吸血鬼・スピリットにデビルと人々を狩るもの、あるいは生きるためにそれらを狩る人々。恐怖と狂気が支配する次元の住人で、僕が最もそそられるのは……ゾンビだ。
イニストラードでは他の次元同様、黒特有の死者を蘇らせる魔術に寄って墓から這い出して来るゾンビと、この次元ならではの科学的に作られたゾンビとが混在している。それら人の手で作られたゾンビはさまざまな生き物の屍を縫い合わせたもので、スカーブと呼ばれ恐れられている。やっぱりゾンビ好きとしては、イニストラードのゾンビ軍団を従えたい。今日は新スタンダードのゾンビデッキについて考えてみよう!
まずは既存のゾンビの振り返り。既に構築シーンで活躍しており、「スタンダード2022」でも存在感を示したのは《よろめく怪異》。
1マナ1/1、死亡すると対戦相手のクリーチャーにマイナス修整か、あるいは宝物を生成するか選べる。前者の能力を持ったゾンビは昔からいるが、修整をかけて倒せるクリーチャーがいない時には無駄な能力なってしまうのがもったいなかった。
そこを宝物という選択肢を用意することで、どんな状況下でも最低限カード1枚分のお得感を味あわせてくれるようになった。こりゃあ見た目以上の強力カードで、特に生け贄を要求する類のデッキで輝くのだが、もちろんゾンビというタイプに注目してもこの上なく使いやすい1マナ域になってくれることだろう。
では続いて2マナのゾンビ、これにはシンプル過ぎる名前が魅力的な《ワイト》が一番の候補になる。
2マナでパワー3と攻撃的なスペック、ブロックされて相討ちになってもそのクリーチャーを追放しながらゾンビ・トークンを残す周到さは、アグレッシブなデッキにおいて評価に値するはずだ。
他にもゾンビはいくつかあるが、パワー5の飛行としぶとさがセールスポイントの《ドラコリッチ、エボンデス》、同じくひたすらに戦場に戻ってきてゾンビを強化する《背信の王、ナーフィ》などはこれまでスタンダードの表舞台での活躍がなかった分、次期環境ではそのポテンシャルを最大限に発揮してくれることを願うばかりだ。
では、真夜中の狩りからやってくる新ゾンビを見てみよう。何といっても《滅びし者の勇者》!
かつて人間デッキのキーカードとなった《教区の勇者》は死後、ゾンビを率いる凶悪な1マナ域に! いや~これは粋な演出であり、かつ強いカードが出たもんだ。ほぼゾンビのみで構成されたデッキで用いれば、異常なまでのサイズに触れ上がることだろう。
《ネファリアのグール呼び、ジャダー》は自身はゾンビではないが、腐乱能力を持つゾンビを毎ターンのように生成してくれる。
使い捨てとは言えゾンビが湧き続けるのは脅威で、もちろん《滅びし者の勇者》との組み合わせは確実に滅びをもたらすことになるだろう。
同じく腐乱ゾンビを展開する《穢れた敵対者》は、追加コストを支払わずとも2マナ2/3接死とスペック自体が優秀な方なので、最序盤から終盤まで役に立つ柔軟な1枚としてデッキを引き締めてくれるに違いない。
あとは《縫込み刃のスカーブ》など軽くて攻めるのに適したゾンビをまとめれば……デッキになるんじゃないのか?
10 《冠雪の沼》 3 《冠雪の島》 2 《氷のトンネル》 4 《清水の小道》 4 《不詳の安息地》 -土地(23)- 4 《よろめく怪異》 4 《ワイト》 2 《ドラコリッチ、エボンデス》 2 《背信の王、ナーフィ》 4 《滅びし者の勇者》 4 《穢れた敵対者》 4 《縫込み刃のスカーブ》 2 《ネファリアのグール呼び、ジャダー》 -クリーチャー(26)- |
2 《血の長の渇き》 1 《ヴォーパル・ソード》 1 《蜘蛛の女王、ロルス》 4 《冥府の掌握》 3 《八方塞がり》 -呪文(11)- |
極力シンプルに、ゾンビを出して殴るだけのデッキを想定して。やっぱりこういうアグロデッキは強力な1マナ域がいることでパリッと引き締まって見えるね。
《背信の王、ナーフィ》の戦場に戻る能力を起動するために土地は氷雪をメインに採用し、その副産物として《不詳の安息地》という隠れたゾンビを運用できる。これは黒単で組む場合にも忘れずに採用しておこう。
全体的にカード1枚でクリーチャー2体分以上の仕事ができるカードが多めになっており、さすがゾンビというところ。そのしぶとさで、除去されてもされても何度でも蘇り、最後には対戦相手を圧倒してしまう。そんな軍団をイメージしながらゾンビデッキを組むと良い結果に繋がりそうだ。
アグロデッキだからと言ってクリーチャーばかりではなく、除去などの攻撃を通すためのカードも必須になってくる。そしてここにきて《冥府の掌握》という無茶苦茶強い2マナの除去が登場したのは追い風だ。
なにせ、2マナのシングルシンボルと扱いやすいコストでありながら対象を選ばない。問答無用で破壊するその頼もしさには2点のライフなどタダも同然。そもそもこちらがガンガン攻撃するデッキなので、ライフを失うことなど恐れることではないのだ。
もちろん、これをコントロールなど自分より遅いデッキも用いてくる可能性はあるが、それらでは2点の損失が痛く、アグロほどには上手く扱えるわけではないので安心してほしい。これと《血の長の渇き》でもあれば除去枠は十分だろう。
19 《冠雪の沼》 4 《不詳の安息地》 -土地(23)- 4 《墓所破り》 4 《よろめく怪異》 4 《アンデッドの占い師》 4 《死の男爵》 4 《戦墓の巨人》 2 《残忍な騎士》 4 《滅びし者の勇者》 4 《穢れた敵対者》 -クリーチャー(30)- |
3 《致命的な一押し》 2 《リリアナの支配》 2 《闇の救済》 -呪文(7)- |
おまけでヒストリックの「黒単ゾンビ」のサンプルも。ヒストリックともなれば相当な数のゾンビカードが存在しているので、どれを採用するかで目移りしてしまう。
各自お気に入りのゾンビを採用したデッキを組めばそれで幸せになれるはずだが、《滅びし者の勇者》というゾンビ界待望の1マナエース候補と、マナがあふれている状況で輝く2マナゾンビという稀有なカードである《穢れた敵対者》は優先して採用しても良いんじゃないかな。
ゾンビという個性的な種族は昔からファンが多い。そのためファンの期待に応えてくれるようなカードが比較的多く作られており、『イニストラード:真夜中の狩り』のカードもその例に漏れないものとなるだろう。黒の正統派ゾンビも面白いが、青には《戯れ児の縫い師》《戯れ児工場》のようなテクニカルで独自のゾンビカードがある。
さまざまなニーズに応えるゾンビを始め、闇夜に生きる怪物たちでデッキを作るか、あるいはそれらを討伐する人間を結集させるか。どのように夜を生き延びるかはあなた次第。
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