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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
青白石鍛冶:カルドラここに完成す(モダン)
合体とか変形するロボットのおもちゃにドはまりしたものである。カチャカチャやってこれが腕になって脚になって……なんだったら今でも与えられれば遊べるほどだ。あれは少年心をガッチリと掴むね~。
マジックにおいても、ロボというわけではないが合体するカードがあることをご存じだろうか。《折れた刃、ギセラ》と《消えゆく光、ブルーナ》が《悪夢の声、ブリセラ》になるような文字通り合体させるという処理を行う合体カードもあるが、それよりも古い時代にはもっと「合体ロボ」感のあるサイクルが存在した。《カルドラの剣》《カルドラの盾》そして《カルドラの兜》だ。
これら3つを揃えた上で兜の能力を起動すると、この装備品の持ち主であるカルドラがトークンとして登場する。これはカルドラ一式をすべて装備し、結果9/9の超巨大ボディに先制攻撃・速攻・トランプル・破壊不能と4つのキーワード能力に加え、ダメージを与えたクリーチャーを追放するという能力まで持つことになる。
最強戦闘マシーンの降臨に胸が震えることになるが、コストが決して軽くない装備品を3種類揃えるというのは簡単なことではなく、ファンデッキとして組んではみたがなかなかカルドラの姿を拝むことは容易ではなかった。
ちなみに当時はトークンカードは存在しなかったのだが。Magic Onlineで確認できたカルドラの姿がコチラ↓
兜がデカすぎてバランスの悪い体型をしているのだが、それもまたなんだかクセになる愛嬌だったなぁ(笑)。このカルドラ一式からのカルドラ降臨というアクションはマジックの中でも達成しにくいが一度は実戦の場で炸裂させてみたいもののひとつだ。
そんな夢を、ちょっと別の形で叶えようという1枚が、『モダンホライゾン2』で登場した《カルドラの完成体》だ。
ミラディンが新ファイレクシアによって完全に侵蝕されたのを示すように、かつてのミラディンの守護者の武器はファイレクシアの生体武器へと変貌……ヤツらの言葉を借りるなら「完成」させられてしまったというわけだ。かつてのカルドラのような茶目っ気あふれる見た目と異なり、歪な形状のファイレクシアンに装備された姿はこれはこれでカッコイイ。
カードとしては、1枚にカルドラ一式すべての能力をまとめてある。その分唱えるコストも装備コストも{7}と非常に重たくはなっているが、生体武器なのでこれ自身をクリーチャーとして用いられる点は非常に優れている。皮肉なことだが、カルドラは本当に完成してしまったのかもしれない。
今日はこの悪の手に堕ちた合体ロボを使ったデッキを紹介しよう。
3 《島》 2 《平地》 2 《神聖なる泉》 1 《湿った墓》 1 《ケトリアのトライオーム》 1 《ラウグリンのトライオーム》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《汚染された三角州》 3 《氷河の城砦》 1 《天界の列柱》 2 《廃墟の地》 -土地(24)- 4 《石鍛冶の神秘家》 2 《緻密》 4 《孤独》 -クリーチャー(10)- |
4 《選択》 4 《対抗呪文》 4 《虹色の終焉》 3 《否定の力》 1 《饗宴と飢餓の剣》 2 《謎めいた命令》 2 《至高の評決》 1 《殴打頭蓋》 1 《カルドラの完成体》 2 《時を解す者、テフェリー》 1 《精神を刻む者、ジェイス》 1 《ドミナリアの英雄、テフェリー》 -呪文(26)- |
3 《ヴェクの聖別者》 3 《霊気の疾風》 2 《石のような静寂》 1 《天界の粛清》 1 《安らかなる眠り》 2 《機を見た援軍》 1 《神秘の論争》 1 《火と氷の剣》 1 《時を解す者、テフェリー》 -サイドボード(15)- |
モダンの「青白石鍛冶」だ。装備品と言えば《石鍛冶の神秘家》。
どんな装備品でもライブラリーから手札に加え、また2マナで手札から出せてしまう優れたクリーチャーだ。
これと長きに渡ってセットで用いられたのが《殴打頭蓋》。
こちらも生体武器で、4/4警戒・絆魂という優れたスペックで攻守両面で活躍する。たった2マナでこれを戦場に出せるのはそりゃあ強いよなと。
だったら、もっとサイズが大きくて速攻も持ってる《カルドラの完成体》も強いのは当然だよな?という考えで組まれたであろうリストだ。うん、最速3ターン目に5/5+能力てんこ盛りが殴ってきたらそれはもう暴力以外のなにものでもないね。
石鍛冶+生体武器を用いたデッキは2つのパターンに分けられる。クリーチャーたっぷりで、その中の1つの選択肢として石鍛冶を用いる形。もう1つはクリーチャーは石鍛冶パッケージで十分とし、残りのカードは青の打ち消しなど石鍛冶で殴り切るのをサポートするためのコントロールチックなものだ。
このリストはもちろん後者で、完成体とともにモダンに現れた《対抗呪文》をはじめとした打ち消しで対戦相手のプランを崩しつつ、石鍛冶からの生体武器でプレッシャーをかけていく。
打ち消し漏らしたパーマネントにはこれまた新カード《虹色の終焉》で追放する。この収斂呪文のために青と白以外の色マナも得られる土地構成になっているのだ。
石鍛冶だけが勝ち手段では引けなかったりこれを封じられる可能性があるため、他にも用意しておくのがこの手のデッキの基本だ。《精神を刻む者、ジェイス》と《ドミナリアの英雄、テフェリー》はそれを十分に果たすものであるが、このリストではそれに加えて《孤独》と《緻密》も採用しているのが特徴的だ。
どちらも自身と同じ色のカードを手札から追放するという、マナを必要としない想起能力を持っている。カード1枚に対してカード2枚を消費する(想起コストの1枚+クリーチャーとして残れない1枚)ので、あまり積極的にこの形では唱えたくはない……が、勝負を決定づける場面では背に腹は代えられない。
《否定の力》と同じく、いざという時にマナがなくても唱えられることで、敗北を遠ざけて勝利を近づけてくれるのであれば御の字だ。余裕がある時にはマナを支払ってクリーチャーとしても使って、緊急時には想起と瞬速を活かしてインスタントのように用いる。失ったアドバンテージは石鍛冶が穴埋めしてくれるのでご安心を。
しかしあのカルドラがこういう形で帰ってくるとは、つくづくマジックの先は読めないね。今後もこのような特殊セットが出る場合は、今度はどんな過去のカードをリメイクしてくるのか、興味は尽きない。
《カルドラの完成体》を《石鍛冶の神秘家》で簡単運用するのはモダンで今後よく見られる光景となることだろう。いきなり飛び出るダーク合体ロボには要注意!
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