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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

城塞発掘(ヒストリック)

岩SHOW

 土地を置く。クリーチャーを唱えて出す。そのクリーチャーで戦闘を行う。クリーチャーを強化したり、あるいはそれらから身を護るためにエンチャントやアーティファクトを唱えて出す。プレインズウォーカーもそうだ。

 これらはどこで行われるか? そう、戦場。マジックは、言うなれば戦場を巡るゲームである。

 強力なパーマネントを多数展開したり、マナ総量が大きな呪文を唱えるために土地を並べたり。理想の戦場を作り上げられるのか、そうはさせないのか。そういう攻防を我々はカードを通じて行っている。

 でも、戦場だけで戦っているうちはまだまだマジックの神髄には触れられていないとも言える。戦場の対極は? そう、墓地。戦場からパーマネントが落ちて眠る先である。この墓地に落ちたカードをそれで終わり・オシマイ・お役御免!とせずに、むしろ墓地に落ちてからこそ有効活用しようという戦術もある。そしてその戦術をさせまいとする戦術も。つまりは墓地を巡る攻防だ。戦場だけでなく墓地でも戦う、これぞマジック。

 まるで手札や戦場のように自在に墓地を使いこなすデッキは、プレイしているとなんだか社会のルールを逸脱しているようでいろいろな欲求が満たされる…なんてことも。

 今日はヒストリックの墓地利用デッキを紹介しよう。このフォーマットには墓地を使うデッキがいくらでも存在する、大墓地戦争が常に進行中だ。そんなヒストリックにおける、新参カードを用いたリストがこれだ。

Mystmin - 「城塞発掘」
ヒストリック (2021年5月27日)[MO] [ARENA]
1 《
1 《
1 《平地
3 《蒸気孔
4 《尖塔断の運河
2 《河川滑りの小道
3 《神聖なる泉
3 《感動的な眺望所

-土地(18)-

3 《奔流の機械巨人

-クリーチャー(3)-
4 《渦まく知識
2 《呪文貫き
4 《信仰無き物あさり
4 《改革派の地図
4 《稲妻のらせん
2 《航路の作成
2 《冷鉄の心臓
4 《財宝発掘
3 《プリズマリの命令
2 《ミジックスの熟達
3 《ボーラスの城塞
1 《崇高な天啓
4 《マグマ・オパス

-呪文(39)-
2 《霊気の疾風
2 《引き裂き
1 《危険な航海
4 《神秘の論争
3 《神々の憤怒
2 《覆いを割く者、ナーセット
1 《反逆の先導者、チャンドラ

-サイドボード(15)-
Mystmin氏のTwitter より引用)

 

 5月末に投下された起爆剤『ヒストリック・アンソロジー5』。この定期的に追加されるカード群こそヒストリックの真骨頂、醍醐味だ。

 環境を変化させたり、新しく楽しいデッキを生み出すかもしれないスパイス候補のカードたち。その第5弾からこのデッキに採用されたのは……《財宝発掘》!

 初出は『ミラディン』、18年前か~当時はまだ高校生だったなぁと気が遠くなりそうなのは置いといて、これは墓地からアーティファクトを戦場に戻すという強力なソーサリーである。

 コストはたった3マナと軽いが、追加コストとしてアーティファクトの生け贄を要求してくる。財宝を掘り起こすために、粗末なガラクタを犠牲にしようってことだな。コストが{0}や{1}のちっぽけなアーティファクトを出しておきながら、墓地にはもっともっと重厚長大なアーティファクトを用意しておき、それを発掘する。アーティファクト版のリアニメイトデッキを作ろうというコンセプトが分かりやすい、コンボ用の1枚だ。

 この《財宝発掘》。どうせなら強いアーティファクトを埋めて掘り出したいのは当然の欲求で、ヒストリックというフォーマットでこれに応え得るものというと……このリストが出した答えは2つ。まず1つは《ボーラスの城塞》!

 {3}{B}{B}{B}とヘビーなコストであるが、ライブラリーからマナの代わりにライフを支払って呪文を唱えられるというとんでもない能力を有している。こいつを早いターンに掘り起こして、圧倒的な手数で押し切る。これがまずこのデッキが目指しているコンボその1。

 白青赤とまったく城塞と関係ない色のデッキでありながら、《財宝発掘》を用いることで黒が誇る最強アーティファクトを用いようというのだからオソロシイ。

 もう1つの発掘対象が《奔流の機械巨人》。

 6マナ5/6瞬速、そして戦場に出た際に墓地からインスタントをコストを支払わずに唱えられる。普通に扱っても強いこの機械巨人を、《財宝発掘》で早いターンに呼び出したり、あるいは一度破壊されたものをおかわりしちゃおうという狙いだ。

 機械巨人を使うからには墓地から唱えて得する呪文を用意しておきたい。そのカードは……《財宝発掘》をどう運用するのかという答えでもある。

 《財宝発掘》は先述の通りアーティファクトの生け贄を要求する。このリストにもそれに充てるための細々とした置物が用意されているが、それらよりも気軽に扱えるアーティファクトが存在する。宝物だ。

jp_3LrkPItrRF.png

 このトークンは使い捨てのマナ加速で、近年の多くのセットでこれを生成するカードを目にすることができる。このデッキではその最新モデルである《プリズマリの命令》、そして《マグマ・オパス》を用いている。

 命令は宝物を生成すると同時に、さまざまなことが行える。中でもコンボを後押しするのが「2枚引いて2枚捨てる」というモード。これで城塞や機械巨人を墓地に落とす。1枚でコンボの下準備が完結する凄いヤツ。宝物を失ってでも財宝を手に入れるという光景もまた味わい深い。

 そして《マグマ・オパス》。これは手札から捨てることで宝物を生成する。これを機械巨人で唱えるデッキは以前にも紹介したね。そう、オパスは宝物を提供して機械巨人を釣るための餌になりつつ、巨人から唱えて美味しいゴールでもあるのだ。噛み合ってるなぁ。

 さらにはこのリストは《ミジックスの熟達》も搭載。

 2ターン目オパスを捨てて宝物、3ターン目宝物を使ってミジックスを唱えて墓地からオパスというスピーディーなコンボも狙えるのだ。決まっただけで勝てるというものではないが、クリーチャーを除去しつつカード2枚引いて4/4を出すという動きは、相手からすればたまったものではない。

 《財宝発掘》で墓地の巨大アーティファクトを戦場へ。そして《奔流の機械巨人》《ミジックスの熟達》で《マグマ・オパス》と唱えると、このデッキでは墓地を大いに活用してくる。こういうデッキを見ると、サイドボードに墓地対策が必要なのは一発でわかってもらえるよね。あるいはメインデッキにもそういうことができるカードを準備しておいても良いレベルだ。

 財宝が掘り起こされたりマグマが湧きだしたりしてこないように、《虚空の力線》などのご準備を!

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