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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
赤単フェニックス(ヒストリック)
時は来た! 役者は揃った!
何をはしゃいでいるのかと思われるかもしれないが、事実そうなのだから仕方がない。ヒストリック環境の話だ。MTGアリーナのオリジナルのフォーマットであり、アリーナ特有の再録セットが扱えるのもあって、この環境はモダンやパイオニアでも見られないようなカードたちが一堂に集結している。
この春、それをさらに推し進めたのが『ストリクスヘイヴン:魔法学院』の「ミスティカルアーカイブ」だ。ここにはレガシー級のカードも多数収録されており、ヒストリックでしか組めないパワフルなデッキを堪能してしまえるのだ。ミスティカルアーカイブの参入によりそのポテンシャルを真に発揮できると喜び勇んでいるカードが冒頭のような台詞を叫んでいるとかいないとか。
中でも《弧光のフェニックス》は柏手を打って大喜び。
そんなフェニックスが主役の「イゼット・フェニックス」はすでに当コラムでも取り上げたが、このカードを活かす構築はこの青赤だけではない。
そしてフェニックスと同じく「時は来た!」と確信したカードがもう1つ。今回はフェニックスとそのカード、ダブル主役のデッキを取り上げよう。「赤単フェニックス」だ。
18 《冠雪の山》 2 《不詳の安息地》 -土地(20)- 4 《損魂魔道士》 3 《遁走する蒸気族》 4 《弧光のフェニックス》 4 《虚ろな者》 2 《アゴナスの雄牛》 -クリーチャー(17)- |
4 《突破》 4 《信仰無き物あさり》 4 《霜噛み》 1 《稲妻の斧》 1 《ショック》 1 《棘平原の危険》 4 《安堵の再会》 4 《約束の終焉》 -呪文(23)- |
2 《熱烈の神ハゾレト》 1 《砕骨の巨人》 2 《魂標ランタン》 1 《稲妻の斧》 3 《削剥》 2 《乱動する渦》 2 《ティボルトの計略》 1 《崇高な工匠、サヒーリ》 1 《反逆の先導者、チャンドラ》 -サイドボード(15)- |
その名の通り赤単色で《弧光のフェニックス》を使うデッキだが、まずはなぜフェニックスがミスティカルアーカイブの参入で自らの時代が到来したと息巻いているかをおさらいしよう。
フェニックスは4マナ3/2飛行&速攻、これだけだとまあ標準的なスペックであるが、この不死鳥は墓地から戦場に戻る能力を備えている。自身の同一ターン内にインスタントまたはソーサリーを計3つ唱えていたなら、戦闘の開始時に墓地から戦場に出てくるのである。
手札を捨てたり、切削したりといった手段を用いてこのフェニックスを墓地に落としながら、軽量のインスタントやソーサリーを連打。早いターンにフェニックスを複数体並べてガンガンライフを攻めて、除去されてしまってもまた呪文の連打から再展開。爆発力と復帰力の高さを売りにしたフェニックス・デッキは、このカード登場以来人気のアーキタイプだ。
で、ミスティカルアーカイブには「フェニックスを墓地に置く手段であり、かつドローもできてコストも1マナのソーサリー」という、組み合わせて使えと言わんばかりの、あらゆる条件で相性抜群な《信仰無き物あさり》が収録されていたというわけだ。
フェニックスをガンガン捨てて2枚引いてデッキを回転させる、燃費の良いガソリンを手に入れたので、フェニックスはヒストリックで過去一番気合いが入っている。
そしてもうひとつ、この《信仰無き物あさり》と相性抜群のカードが《虚ろな者》だ。
手札から捨てたりサイクリングしたカードの枚数分、コストが軽減されるという能力を持っている。5マナ4/4とそのままではコモンのような性能だが、手札をガンガン捨てればマナなしで唱えるなんてこともできてしまう。そう、《虚ろな者》は物あさり後に{1}で唱えられる。つまり2ターン目には出てくるってわけだ。
フェニックスを埋めながら4/4でプレッシャーをかけ、続くターンで1マナ呪文の連打からフェニックス復活で総攻撃……まるで、在りし日のモダンのデッキのような動きだ。
物あさりと同じく手札を捨てる《安堵の再会》も採用し、フェニックスや《アゴナスの雄牛》といった面々を捨てながら軽くなった《虚ろな者》を展開し、最序盤から分厚い戦線を構築していこう。
《損魂魔道士》《遁走する蒸気族》といった面々も、カードを捨てて引いてとやっていると勝手にデカくなるので素晴らしい。
このデッキの良いところはフェニックスと《虚ろな者》、ダブル主役が似ているようで違うベクトルなカードという点だ。フェニックス・デッキは特にメインは縦横無尽に動き回れるのだが、サイド後は墓地対策に悩まされることになる。しかし《虚ろな者》という墓地に無関係な攻撃要員のおかげで、《虚空の力線》1枚で完全沈黙するということはないのである。これは前述の他のクリーチャーらも同じくだ。
そして、その象徴とも言えるのが《熱烈の神ハゾレト》!
相手の墓地対策を完全にスルーしながら、この赤単の象徴的な神で殴り勝つのはたまらなく気持ちがいい。手札が1枚以下にならなければ戦闘できないというデメリットは、これだけ手札を捨てるのが得意なデッキにとって印刷されていないも同然の一文だ。
青赤で軽量ドローの連打を楽しんでも良いし、赤単の墓地と手札捨ての二段構えを味わっても良し。ね、時が来たって感じでしょう。今こそ《弧光のフェニックス》を羽ばたかせる時だ。力強く!
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