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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ティムール、ケルーガ、そして履修(スタンダード)

岩SHOW

 《厳しい試験官》《抜き打ち試験》《落第》……ウーム、耳ガ痛イナ……

 『ストリクスヘイヴン:魔法学院』には、学生時代の苦い思い出を想起させるようなカード名が見受けられる。大学が舞台のセットだけあるなぁ。

 そのこだわりはカード名のみならず能力やタイプにも見られる。「履修」と「講義」だ。講義は呪文の持つ新しいタイプで、「履修を行う」とはゲーム外、競技だとサイドボードから、講義・カードを手札に加えることを意味する(講義がなくても機能はする)。

 講義・カードはメインデッキに入れて使うと、マナ総量の観点で同程度の呪文に少々見劣りする性能ではある。ただ、メインデッキに採用していないカードを使えるという点で、アドバンテージを得られている。例え効果は薄くても、1枚のカードが呪文2枚分として働くのであればそれだけでお得だ。

 また、効果は抑え目といえども《マスコット展示会》なんかは構築でもなかなか強そうで、ぜひともデッキを組んでみたくなる。

 どんな構成が良いのか、少々考えるのは難しいが……ある履修カードに注目したデッキが、個性際立つ面白いものだった。これがスタンダードの履修&講義デッキの一例だ!

茶釜かおる - 「ティムール・ケルーガ」
スタンダード (『エルドレインの王権』~『ストリクスヘイヴン:魔法学院』)[MO] [ARENA]
6 《
2 《
2 《
4 《樹皮路の小道
4 《岩山被りの小道
2 《ケトリアのトライオーム
4 《ノットヴォルドの眠り塚
4 《廃墟の地
4 《寓話の小道
4 《進化する未開地

-土地(36)-

4 《砕骨の巨人
4 《迷える探求者、梓
4 《イリーシア木立のドライアド
4 《硬鎧の大群

-クリーチャー(16)-
4 《現地調査
4 《アールンドの天啓

-呪文(8)-
1 《巨智、ケルーガ

-相棒(1)-

4 《アゴナスの雄牛
2 《長老ガーガロス
3 《神秘の論争
1 《環境科学
1 《使役学基礎
1 《封印突破法
1 《アルカイックの教え
1 《マスコット展示会

-サイドボード(14)-
茶釜かおる氏のTwitter より引用)

 

 サイドボードに講義5枚というのも目立つが、それ以上に土地36枚という構成も目を引く。しかもよく見れば、さらに《巨智、ケルーガ》の姿も。

 相棒もサイドから手札に加わるカードで、講義と相棒でサイドから確実にカードを得る、そのためのマナ基盤を確実にそろえるために土地を多めに採用しているってことだな。

 《マスコット展示会》は7マナと重めだが、実用的なトークンを3体生成と効果は大きい。展示会を含む講義を持ってくるための履修カードは《現地調査》。

 これは基本森・カードをライブラリーから探して戦場に出す、マナ加速の一種だ。3マナで手札が増えつつマナが伸びるカードが手に入ったことで、2マナ以下のマナ加速に頼らずともデッキが成立するようになったため、《巨智、ケルーガ》を相棒にすることが可能になったわけだ。

 ケルーガもカードを引く能力を持っているので、マナ基盤さえ揃っていればそこから唱えるためのカードは手に入れやすいという寸法だ。

 《現地調査》とともにマナを伸ばすためのカードは《迷える探求者、梓》《イリーシア木立のドライアド》。

 手札から戦場に出せる土地の枚数を増やすクリーチャーで、そのため大量の土地を搭載している。3ターン目にこれらのクリーチャーから全力で土地を出して、4ターン目以降に履修した講義を唱えるか、ケルーガで手札を補充するか、あるいは《アールンドの天啓》で追加ターンか。いずれかの動きでゲームをこちらの有利な展開に持っていきたい。

 土地を一気に戦場に出すことで手札がモリモリ減ってしまうが、そんな時には《アルカイックの教え》が機能してくれるはずだ。

 理想は大量の土地を並べて、トークンなどのクリーチャーを展開したうえで天啓で無傷のまま攻撃できるターンを迎えるというビッグアクション! 夢を備えているデッキってのは良いねぇ。

 このデッキの隠れたキーカードは《硬鎧の大群》。

 土地を戦場に出せばトークンを生成する。序盤は1/1の昆虫、土地が6つ以上あるなら自身のコピーを生成だ。《寓話の小道》や梓などで、コピーのコピーのそのまたコピー……ジャキジャキと大群を文字通り大群へと仕立てていこう。その上で、やっぱり《アールンドの天啓》。結局のところ、マナを注いで行うアクションにおいてベストは「追加ターンを得る」なのはどんな環境でも不変。やることがほとんどない2ターン目に予顕しておくべし!

 新しいカード、新しい戦術、新しいデッキ。新セットは新しいものをもたらす……と、当たり前のことだがそういうのが改めて嬉しい。何でも新しいものは素晴らしい。君も思いついたアイディアをデッキとして体現するのを躊躇わずに! ほら、学校の先生がそう教えてくれただろう?

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