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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
クレンコ親分、出番ですぜ(統率者戦)
オンラインでマジックを遊ぶ。それ自体にはかなり歴史がある。
Magic Onlineの稼働開始はなんと2002年6月、あと1年で20周年なのだ。はじめてこれに触れて、世界中のプレイヤーと対戦できたときの感動は今でも思い出せる。Magic Onlineは簡素な作りで、紙のマジックを競技志向で遊んでいるプレイヤーにとって、真剣勝負をする場・デッキのテストをする場という面で見れば十分に足りるものである。しかし、ライトなユーザーには参入しづらく、昨今の派手なグラフィックを活かしたゲームに慣れたプレイヤーにも物足りなさは感じるものではあった。
そこでMTGアリーナが誕生。その爆発的なヒットは皆さんもご存じの通り。しっかりマジックが遊べて、クリーチャーのグラフィックが出たりプレインズウォーカーが喋ったりと演出面でも楽しめる。よりディープな世界に行きたくなったプレイヤーはMagic Onlineにも手を出すと、好循環が生まれたようだ。
そして2020年。世界中でStay Homeが推奨される中、これらのオンラインで遊べるデジタルなマジックとともに伸びてきたのがアナログ。すなわち実物のカードを用いたオンライン対戦だ。ウェブカメラと各種ツールを用いれば、問題なく行えるのである。真剣勝負をするのであれば、お互い顔を合わせているわけでもなく環境も異なるというのは少々問題があるかもしれないが、カジュアルプレイであれば問題はない。
ということでこのアナログ方式でのオンライン対戦に最も噛み合っているフォーマットが……そう、統率者戦だ。そもそも4人でのプレイが推奨される統率者戦、対戦相手と集まることも難しかったりするので、家から参加できるという方式はこの時代でなくても統率者戦プレイヤーのニーズを満たしてくれるものだ。
4人でワイワイ、音声チャットを通じて行うのもまた一興。何より、ここしばらくやってなかった紙のカードをシャッフルし、手札を眺め、盤面に出したカードがプレイマットと当たった時のパチッという音を響かせる……あの感覚がたまらないよ。
そんなプレイヤーたちのために先日開催されたのが「コマンドフェスト・オンライン・ジャパン」! オンラインで統率者戦プレイヤーが集う場所を提供するイベントだ。本来はマジックフェスト内の1イベントとして行われていたが、マジックフェストが開催できない今、オンラインに場を移したという形だ。
僕もゲストとして参加させていただいたが……楽しかった! いや~、統率者戦はやっぱり良いもんだね。というわけで当日、僕が使用したデッキの1つを紹介しよう!
1 《群衆の親分、クレンコ》 -統率者(1)- 29 《山》 1 《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》 1 《背骨岩の小山》 1 《忘れられた洞窟》 1 《ドワーフ都市の廃墟》 1 《ゴブリンの穴ぐら》 1 《幽霊街》 1 《不毛の大地》 -土地(36)- 1 《ゴブリンの奇襲隊》 1 《ゴブリンの従僕》 1 《ゴブリンのそり乗り》 1 《ゴブリンの占い屋》 1 《ゴブリンの溶接工》 1 《衝動的なこそ泥》 1 《モグの狂信者》 1 《スカークの探鉱者》 1 《人目を引く詮索者》 1 《ゴブリンの群衆追い》 1 《嘲る扇動者》 1 《モグの偏執狂》 1 《モグの戦争司令官》 1 《金切り声のモグ》 1 《火花鍛冶》 1 《棘鞭使い》 1 《ずる賢いゴブリン》 1 《宝石の手の焼却者》 1 《ゴブリンの鎖回し》 1 《ゴブリンの酋長》 1 《ゴブリンの王》 1 《ゴブリンの女看守》 1 《ゴブリンの廃墟飛ばし》 1 《ゴブリンの名手》 1 《ゴブリンの戦長》 1 《雄牛のやっかいもの》 1 《罰する者、ゾーズー》 1 《ゴブリンのうすのろ》 1 《ゴブリンの紅蓮術士》 1 《ゴブリンの首謀者》 1 《ゴブリンの損壊名手》 1 《ゴブリンの戦術家、半心臓のイッブ》 1 《モグ捕り人》 1 《タクタクの潰し屋》 1 《無作法な挑発者》 1 《包囲攻撃の司令官》 -クリーチャー(36)- |
1 《太陽の指輪》 1 《緋色のダイアモンド》 1 《レイモスの心臓》 1 《ゴブリンの手投げ弾》 1 《ゴブリンの集中攻撃》 1 《カルドーサの再誕》 1 《タール火》 1 《削剥》 1 《ドラゴンの餌》 1 《ゴブリンの砲撃》 1 《血染めの月》 1 《偏向はたき》 1 《軍族童の突発》 1 《略奪の爆撃》 1 《分かち合う憎しみ》 1 《ウルザの保育器》 1 《精神異常》 1 《カイレン式交渉》 1 《魔力のとげ》 1 《破滅》 1 《粉砕の嵐》 1 《旗印》 1 《勝者の戦旗》 1 《怒りの反射》 1 《大群の怒り》 1 《暴動》 1 《頭蓋骨絞め》 -呪文(27)- |
単色の統率者で対戦しよう!という企画のために作成した《群衆の親分、クレンコ》デッキだ。
黒赤緑のどれかをやりたいなと考えていたところ、赤が空いていたのでありがたくやらせていただいた。
赤は混沌を司る色であり、すべてのプレイヤーに影響を及ぼすものが多数ある、統率者戦にはうってつけの色だ。自分自身もそれらのカードによって被害を被るので、暴れ回ってもそこまで目の敵にならないというのも楽しいところ(周囲を乗せる話術は必須だが)。
損な赤単をやることになって、押し入れからストレージを引っ張り出して考えた。やるならドラゴンかゴブリンの2択だなと。で、押し入れの手前側にあったストレージの中にはゴブリン関係のカードが比較的多かった。なのでゴブリン!クレンコ! 押し入れを下手に解放するとあとが地獄やからね……というあるある。本当はより派手な《上流階級のゴブリン、マクサス》を使いたかったんだが、当日までに入手できなかったのでやむなし。こっちのデッキもそのうち組みたいね。
クレンコはタップすることで自身のゴブリンの数だけゴブリンが得られるという、倍々ゲームの申し子だ。この能力を活かすにはとにかくゴブリンを並べることが最優先事項。なのでクリーチャーカードを全力投入はもちろんのこと、トークンを生成する呪文も放り込んで、ゴブリンが切れないように構築してみた。
今回「コマンドフェスト・オンライン」の特別放送では、マジック歴の短いプレイヤー・統率者戦未体験のプレイヤーに親しみを持ってもらうことが狙いなので、再録禁止カードは用いないというルールで構築を行っている。なので統率者戦をやり込んでいるプレイヤーからするとまだまだデッキを強くできるように見えるかもしれないが、ご了承いただきたい。より強くする方法は最後にでも。
クレンコの能力で出てくるのは能力を持たないゴブリン・トークン。ただの1/1であるため、相当の数が出ない限りはそれほど脅威にはならない。まずこれらに速攻を与えて、対戦相手3人のターンを待たずに攻撃させることが大事だ。
《ゴブリンの戦長》《ゴブリンの酋長》はトークンだけでなくクレンコ自身の能力起動も早めてくれるので、デッキにとっては重要な存在である。
酋長は同時にサイズアップも狙える。2/2以上となれば無視もできない、《ゴブリンの王》《ゴブリンの損壊名手》たちでガッシリ強化だ。
単にデカくするのであれば、ゴブリン以外のカードを用いた方が効率も良い。というわけでそのようなアーティファクトを投入。
《旗印》はこの手のデッキのお約束、
クレンコ1回起動でゴブリンたちがわけのわからないサイズへと膨れあがる。《精神異常》などで即ゲーム終了へともつれこませたい。《分かち合う憎しみ》や《怒りの反射》も強烈だ。
これらほど派手ではないが、ドローもついてきて実直な強さを誇るのが《勝者の戦旗》。《頭蓋骨絞め》と並んで、ゴブリン・デッキのエンジン的存在だ。
ゴブリン・トークンは何も攻撃するだけがすべてじゃない。戦場に出たら《鍛冶の神、パーフォロス》でダメージを発生させ、《カイレン式交渉》でタップしてダメージ、さらに《ゴブリンの砲撃》で生け贄に捧げてダメージ! さあ君も、クレンコではちゃめちゃに暴れたくなってきたんじゃないか?
では、予告していたデッキ強化について。
まず《山》をアーティファクトと入れ替える。《宝石の睡蓮》《魔力の墓所》でクランコ降臨を大幅スピードアップだ。
破壊されたりしたこれを墓地から再利用するために《大焼炉》《ダークスティールの城塞》も投入し、《ゴブリンの溶接工》で入れ替えてやろう。
あとは、より確実な勝ち筋として必殺のコンボも備えよう。それには《ゴブリン徴募兵》が外せない。
これが戦場に出たら、ライブラリーの一番上に《人目を引く詮索者》、《スカークの探鉱者》、《ゴブリンの酋長》など速攻を与えるゴブリン、徴募兵とともに追加する《鏡割りのキキジキ》、最後に《モグの狂信者》の順で並べる。
ライブラリーの一番上の詮索者を引いたらこれを戦場に出し、ライブラリーの上から探鉱者と速攻付与ゴブリンを続けて唱える。
一番上がキキジキになったので、その起動型能力を得た詮索者で自身を対象にしてコピー・トークンを生成。このコピーでも同じ挙動を行い、延々と気が済むまで詮索者のコピーを作る。
そして、詮索者・トークンを5体ほど生け贄に捧げてマナを得てキキジキを唱えると、今度はライブラリーの一番上が《モグの狂信者》。全トークンを対戦相手に投げつけてゲームエンド! 3人いようが何人いようが構わんと、まとめて薙ぎ払うコンボを搭載しておくのは統率者戦デッキの嗜みだ。
いや~何度も言うようだが、やはり手札を実際に手に持って遊ぶマジックは良い。それをStay Homeしながら可能で、多人数でできるんだから統率者戦プレイヤーって幸せもんだよなぁ。これからも遊んでいこうと思うので、どこかで同卓することがあったらよろしく!
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