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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

今週のCool Deck:ボーラスの意外なお友達(ヒストリック)

岩SHOW

 今週もやってまいりましたよ、クールなデッキのお時間が。

 いやぁ~出ましたね。クールな情報が。『ストリクスヘイヴン:魔法学院』に関して、世界観といくつかのカードが一足お先に公開となったのですよ。5つの大学、どれもクールな感じがビシビシ伝わってくるねぇ。

 2色がテーマなのであれば、この春はクールな2色デッキが多数見られるようになるのか、それとも2つ以上の大学のカードが共演するマンモス校デッキが現れるのか? クールJAPANな日本画ミスティカルアーカイブにも期待大!

 そして春の製品の情報が出てくると、もうあれから2年が経とうとしているのかと驚かされる。『灯争大戦』のリリースと、そこで判明した……ニコル・ボーラスの敗北だ。ボーラスはかれこれ『アラーラ』ブロックから長きに渡って背景世界のラスボス的存在として君臨し続けた。ボーラスの野望を防ぐためにプレインズウォーカーが集結し、時にその強大すぎる力を前に敗北しながらも成長し、最後はボーラスを打ち倒したのだった。

 初出は『レジェンド』で、それから考えると本当に長い期間、悪しきプレインズウォーカーの頂点に君臨し続けていた。彼がラスボスだったからこそ、ストーリーは盛り上がったのは疑いようもない。素晴らしき悪役こそクールと認識すべき存在なのである!

 そんなボーラスが表舞台を去ってからもうすぐ2年。個人的な予測にはなるが、もしあるとすれば……復活はもう少し先になるだろう。せっかく時間をかけて倒したのにもう蘇っちゃもったいないというか、もっと溜めてからの大復活劇を見てみたいというのが希望だ。ウギンの領域に封じられたボーラスは、いつか必ずやその力を取り戻し、多元宇宙に壮大な復讐をすると信じている。

 まあ、本人は《牢獄領域》に閉じ込められてはいるが、カードは自由に使うことができる。ヒストリックではボーラスのオリジンをカード化した《破滅の龍、ニコル・ボーラス》、アモンケット次元での姿《王神、ニコル・ボーラス》、そしてその最終決戦時の姿《龍神、ニコル・ボーラス》が使用可能だ。

 アイコンもボーラスに、スリーブもボーラスに統一してこれらのカードを用いる青黒赤・グリクシスカラーのデッキを使用するプレイヤーの姿を時折見かける。この愛されっぷりからも、彼がいかにクールなキャラクターだったかがよくわかる。まさしくクールの権化!

 ……と言いたいのだが。なんだかボーラスには意外にかわいい一面もあるようだ。かつてコミック内にて自分の小さな分身を作って伝令にしていたこともあるボーラス。今はなんだか「もふもふ」が好みのようである。

 どういうことなのか、実際にデッキを見ていこう。

Platinum-Mythic Rank Player - 「ボーラス・コントロール」
ヒストリック (2021年2月21日)[MO] [ARENA]
4 《湿った墓
1 《異臭の池
1 《水没した地下墓地
3 《清水の小道
4 《蒸気孔
1 《硫黄の滝
2 《天啓の神殿
4 《血の墓所
1 《竜髑髏の山頂
1 《悪意の神殿
2 《荒廃踏みの小道
1 《ヴァントレス城

-土地(25)-

3 《破滅の龍、ニコル・ボーラス
1 《スカラベの神

-クリーチャー(4)-
4 《致命的な一押し
4 《思考囲い
3 《ジュワー島の撹乱
1 《削剥
1 《湖での水難
1 《思考消去
2 《神々の憤怒
1 《中和
1 《焼けつく双陽
1 《ヴァラクートの覚醒
1 《ハグラの噛み殺し
2 《サメ台風
1 《暗記+記憶
1 《エレボスの介入
1 《髑髏砕きの一撃
3 《覆いを割く者、ナーセット
3 《龍神、ニコル・ボーラス

-呪文(31)-
1 ???
-相棒(1)-

2 《霊気の疾風
2 《否認
1 《削剥
1 《害悪な掌握
1 《思考消去
2 《神秘の論争
1 《肉儀場の叫び
3 《虚空の力線
1 《煤の儀式

-サイドボード(14)-

 

このクールなデッキは?

 ヒストリックの「グリクシス・コントロール」、否、「ボーラス・コントロール」と呼ぼうか。

 ボーラスは3色のカードだけあって、どれも絶大なるカードパワーを誇る。戦場に定着すればゲームを支配する力があり、これを用いて盤面を意のままに操るのがデッキの狙いだ。

 クリーチャーの枚数は少なく、クリーチャーやプレインズウォーカーの破壊を担う除去・いかなる呪文も解決前になかったことにしてしまう打ち消し・同じく唱える前に捨てさせる手札破壊と、各色の得意とするコントロール手段を総動員し、対戦相手に自由な攻めや展開を許さず、こちらはボーラスで支配するという、クールなまでにわがままなデッキである。

 カラーリングも採用されているカードも、どれもがビジュアル的にもカッコイイのがまた良いんだよな、ボーラスコンは。

どこがどうクールなのか?

クールポイントその1:ボーラスという1枚で勝てるカード

 各種ニコル・ボーラスの何が良いかって、それ1枚でゲームに勝てるカードになっていることだ。

 このデッキが採用しているのは《破滅の龍、ニコル・ボーラス》と《龍神、ニコル・ボーラス》の2種類。4マナと5マナ、龍神の方はマナ拘束こそ厳しいが、どちらも現実的なコストで採用してもデッキが大きく歪まない点が良い。

 ゲーム中盤から仕事をしだすこれらのボーラスの共通点は多い(まあ同一人物だしね)。まず対戦相手のカードを奪う点。破滅の龍は戦場に出た際に手札を捨てさせ、龍神は[+1]で手札かパーマネントを追放させる。

 破滅の龍はそのままクリーチャーとして戦闘を行うだけでも、相手に対してカード1枚分得するが、《覚醒の龍、ニコル・ボーラス》へと変身することでアドバンテージをさらに生み出す。

 第2の共通点がどちらもカードが引けるということ。覚醒の龍は2枚、龍神は1枚、能力起動でドロー可能だ。前述のカードを失わせる能力を経てのドローになるので、相手が1つ失ってこちらが1つ得て、となりアドバンテージ差は2。この時点でボーラスを処理されてしまってもまだこちらが得している状態で、そうならずに生き延びたのであればそれはもう絶望的な手札差をつけられてしまうことになる。

 第3がクリーチャーなどを除去して自衛が可能という点で、これはクリーチャーに弱いというプレインズウォーカーの弱点をカバーする、強いプレインズウォーカーの条件とも言える。

 そして最後に、勝利を決定づける能力を持つ。いくらカードを引こうが相手にカードを失わせようが、対戦相手にトドメを刺さない限りは相手は生き続けチャンスを得る可能性がある。そうならないように、どちらも大マイナス能力は対戦相手を敗北させるためのものとなっている。慈悲はない、ラスボスとしてのクールさを完璧に持っている。実際にこれらの能力を起動して勝つことは少なく、それを止められそうにないと判断した対戦相手が投了する形で決着となる。手を下すまでもない絶対的な強者っぷりもまたクールだ。

クールポイントその2:で、キュートなもふもふは?

 さて、ボーラスがクールなデッキなのはわかったが、かわいい一面とはどういうことか。その答えは上記リストで伏せている1枚にある! そのカードとは……《黎明起こし、ザーダ》!

 これを相棒にしているのである。ザーダはエレメンタル、そして狐! 狐っていえばええ、そりゃああんた……あんなもふもふしてかわいい生き物なんてそうそうおらんよぉ。寒い地方にはキツネ牧場とかあるというね、行きたいなぁ。そんなキュートな狐ちゃんを、ボーラスは相棒にしているというのだ。かわいすぎるだろあんた……。

 しかしこれはなかなか目から鱗なチョイスだ。デッキにはボーラスなどプレインズウォーカーに変身する起動型能力を持った破滅の龍、そしてその配下《スカラベの神》も起動型能力持ち。あとのパーマネントはサイクリング持ちの《サメ台風》に残りは全部土地とくりゃあ、ザーダの相棒条件は満たしている。

 そしてザーダの能力は、それらの起動型能力のコストを{2}軽減するというもの。この能力、サイクリングと組み合わせたり《玄武岩のモノリス》とコンボしたりというイメージが強く、何か特化したデッキじゃないと活きてこないようにう見えがちだが、決してそういうわけでもない。

 起動型能力のコスト軽減によりその分他のことができるようになって得をするデッキで、かつ相棒をサイドボードから手札に加える{3}を支払う余裕があるデッキであればその恩恵を受けることができるのだ。

 もとからマナが不要なプレインズウォーカーは置いておいて、他のパーマネントとは相性が良い。特に破滅の龍が覚醒の龍に変身するためのコストを軽減できるというのは大きい。これを狙うときは7マナ必要で、なかなか隙が大きい。

 ここに前もってザーダをポンと出しておくことで、隙は軽減され浮いたマナの分《湖での水難》などを構えて変身解決前に撃ち込んできた除去を打ち消してやることもできるという寸法だ。まあ狙ってやるというわけではなく、流れでこうなったら嬉しいよねというシナジーだな。

 適当に中盤にブロックするなどして死亡したザーダを《スカラベの神》でゾンビとして蘇らせると、それ以後の能力がたったの2マナで起動できるようになり、制圧力が鬼になるというのも決まれば実にクールだ。《ヴァントレス城》の占術も{U}{U}だけで出来るのは地味ながら超エラい!!

 そんなわけでボーラスコンのマスターピース的ポジションに、このかわいい狐が収まったのである。

クールテクニック!

 この手の時間のかかるデッキ、すなわち土地を並べるデッキで《覆いを割く者、ナーセット》を使うのであれば《暗記+記憶》はぜひとも忍ばせておきたい。

 《暗記》単体でも時間稼ぎに使えるが、墓地に落ちたなら《記憶》として再び唱えられる。6マナで手札と墓地をリセットして7枚ドロー。数字だけ見れば破格だが、これをお互いやるので相手に手札を与えてしまうことになる。

 ただ、ナーセットがいれば話は別。対戦相手は各ターンに1枚しかカードを引けなくなるので、その手札は強制的に1枚に! こちらはそれに対して7枚、圧倒的すぎて笑ってしまいそうになる。

 墓地がライブラリーに戻るので《死の飢えのタイタン、クロクサ》など墓地を利用するデッキ相手にも積極的に決めたいキラーでクールなコンボだ。

クールなまとめ

 ゲーム開始時に判明する相棒。ここで《黎明起こし、ザーダ》を見せられて「グリクシス・コントロールかな?」と想定してマリガン判断するプレイヤーはまずいないだろう。ゲーム開始前から騙しのテクニックは始まっているのだ。騙しと言えば《嘘の神、ヴァルキー》なんかも採用しても良いかもね。

 というわけで今週はここまで。Stay cool like Nicol Bolas!!!

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