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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
謹賀新年! 今年は丑年(特別企画)
新年、あけましておめでとうございます。2020年はお世話になりました、今年もどうぞよろしくお願いいたします。
今年の当コラムの目標は「希望がある内容にする」、これを意識してやっていこうかと。昨年は絶望的なことがいくつもあり……だからこそ、希望を失ってはいけないということを学べたね。マジックのカードやデッキには希望が感じられる、そういうことを伝えて少しでも日々を過ごす希望を大きくしていこう。
まあ要約すると楽しくやろうぜってことで、例年通りっちゃ例年通りで……僕自身、楽しみながらやらせてもらいますわ! Cool Deckは自分でもキャッキャしながらやれているので、それに続く新しい企画も模索していけたら良いかな。皆が楽しく面白く強いデッキを生み出してくれることを期待しております!
さて、昨年に引き続き、ありがたいことにおめでたい元日にコラム更新をさせていただくことに。昨年は干支であるネズミをフィーチャーし、《骨齧り》デッキを考察してみた。だったら今年も干支でしょう。
今年は丑年、牛だ。ちなみに僕は丑年の生まれ、年男ってやつだ。さらにどうでも良いことだが牡牛座でもあるので、その血には猛牛のDNAが流れていると言ってもいいだろう(?)。
マジックで牛といえばまず思いつくのは雄牛かな。《アゴナスの雄牛》が各種フォーマットで活躍しているのが印象強い。ただこのタイプを参照し強化するカードというのは実は《鳥獣保護区》しか存在しない。さすがに雄牛デッキ、組めねぇな……
家畜牛の先祖である「オーロクス」もクリーチャー・タイプとして存在し、これらは群れることで強くなる能力持ちである。『カルドハイム』では多相が復活し、かつ寒い地方なのでオーロクスの復活もあったりするのか? そんな期待を込めてデッキを組んでも良いが……ここはもっと、おあつらえ向きな牛さんがいるじゃない。
マジック最初に印刷された牛カードと言えば《ハールーン・ミノタウルス》。
そう、本来の牛よりも先に牛人・ミノタウルスの方がカード化されているのだ。ファンタジーならではの存在である、牛の頭を持った人型種族である。マジックの多元宇宙では上半身は人類と同様であるが、脚は牛と同様の構造になっているものが多い。
歴史の長い種族ということもあって、伝説のミノタウルスは現在9体とそこそこの数が存在する。その中でも別格なのはやはり「ターンガース」である。最初の伝説のミノタウルスであり、マジックの背景世界においても初期の人気シリーズであるウェザーライト・サーガの登場人物だ。
ウェザーライト号の乗組員であり、得意とするのは戦闘。次元ドミナリア、ラース、メルカディアを冒険しその度に激闘を重ねた。ファイレクシアのドミナリア侵攻を迎え撃ち、その武勇でファイレクシア人を斬り倒しまくった。その姿は《タールルームの勇士ターンガース》としてカード化されている。
警戒を持ち、攻撃しながらタップ能力を起動できるデザインだ。その能力は(厳密に言えば異なるが)ざっくり他のクリーチャーとの格闘で、これで相手のブロッカーを打ち倒しながら攻撃を通していくというわけである。
当時、このカードはあまり強いものではなかった(同セット収録の《火炎舌のカヴー》に処理されるため)。しかしながらあのターンガースのカード化ということで、僕らは目を輝かせながらそのカードをデッキに入れたものである。
そしてこのターンガースには秘密があった。『プレーンシフト』では3種類のカードのみ、プレミアム・カードのイラストがKev Walkerが描いたものに差し替えられているのである。《タールルームの勇士ターンガース》もその1枚で、正面を向き剣をこちらに向けて構えた、力強いイラストがむちゃくちゃカッコイイのである。僕もこのカードを持っており、長らく大事にしている1枚となっている。
今日はこのかっこいいターンガースに出番をあげる、そういう企画にしちゃっても良いんじゃないのか。それが年男の使命ってやつではないか。よし、ターンガースデッキを組んでみよう!
4 《山》 2 《森》 4 《踏み鳴らされる地》 4 《カープルーザンの森》 4 《聖なる鋳造所》 4 《戦場の鍛冶場》 1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 1 《ヴォルラスの要塞》 -土地(24)- 4 《モグの徴集兵部隊》 4 《モグの歩哨》 1 《ハールーンのシャーマン》 4 《航海士、ターンガース》 4 《タールルームの勇士ターンガース》 1 《突進するサイ》 1 《流動石のワイヴァーン》 1 《暗影のカヴー》 1 《堅牢な防衛隊》 -クリーチャー(21)- |
4 《ターンガースの激怒》 2 《煮えたぎる怒り》 1 《猛攻撃》 1 《ターンガースのにらみ》 1 《狂った怒り》 1 《白兵戦》 1 《スマッシュ》 1 《拷問室》 1 《パワーストーンの地雷原》 1 《殴り合い》 1 《踏み荒らし》 -呪文(15)- |
このデッキが何かって?――「ターンガース単」だよ!
ターンガースに関するカードは何もタールルームの勇士だけではない。《航海士、ターンガース》も彼をカード化したもので、こちらはラースで皮膚を焼かれる拷問を受け、変貌してしまう前の若かりし姿をカード化したものだ。
ただターンガース2種8枚だけではデッキを組めない。そこでカード名やアート、フレイバー・テキストにターンガースが登場するカードもかき集めることで60枚のデッキをなかば無理矢理組んでみた。
『ウェザーライト』から『アポカリプス』までの活躍期間にて彼が登場するカードを改めて見てみると、かなりの数がある。それゆえにターンガースは我々の世代の心に強く印象を残しているのだろう。
ターンガースはラース次元での冒険中、グレヴェン・イル=ヴェクに敗れカーンともどもヴォルラスの要塞に連れ去られ、上述の皮膚を焼かれる責め苦を受けた。その一部を描いたのが《拷問室》。
『ストロングホールド』以降はその拷問が完了したため皆がよく知る姿となっている。
《煮えたぎる怒り》はまさにヴォルラスやグレヴェンらに向けたものだろう。
グレヴェンとの戦いを描いた《白兵戦》を出してしまうと《タールルームの勇士ターンガース》で攻撃しながら能力を起動することができなくなってしまうのがご愛嬌だが、雰囲気重視で取り入れてみた。
《パワーストーンの地雷原》もわざわざ殴るデッキが置くようなものでもないが、ターンガースがファイレクシア人を打ち倒すシーンがかっこいいので入れている。戦場をターンガースの姿で埋め尽くしてやってほしいね。
フレイバー・テキストにおいてもターンガースの存在感は強く発揮されている。《堅牢な防衛隊》ではウェザーライトの副長として他の船員を鼓舞し、勝利を信じて戦う姿が記されている。また《突進するサイ》や《踏み荒らし》からは一直線・好戦的な彼の性格が読み取れる。
そんな彼も『プレーンシフト』以降のセットではなぜか敬語のフレイバー・テキストが目立つ。ドミナリア連合軍において目上の人物とともに戦い、会話しているという設定なのだろうか。独特の言い回しが面白いので各フレイバーを読み比べるのも面白い。
ターンガースはその対ファイレクシア戦においてアーボーグに出現したラースの要塞に突入し、そこで待ち受けるグレヴェンとのリベンジマッチに。これには脳天から真っ二つという派手な形で勝利。ドミナリア連合も見事戦争に勝利し、ファイレクシアは滅んだ。
彼はその後、ともに戦った船員たちと勝利という名の船に乗り込み、新たな冒険へと旅立ち背景世界から退場してゆく。
宿命の戦いのロケーションとして《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》《ヴォルラスの要塞》を用意しておいた。アーボーグの能力で要塞を起動できるようになるのでギリギリ運用できる……かな。
ターンガースデッキを組んだら、次は他のウェザーライト・サーガの登場人物のデッキも組みたくなる。《プレデターの艦長、グレヴェン》と熱い戦いを繰り広げたり、《殴り合い》をしたりもするけれども、互いの実力を信頼し合う《ウェザーライトの英雄、ジェラード》とチームを組んで戦っても良い。《ゴブリンの太守スクイー》との凸凹コンビも良いなぁ。
こんな感じで、マジックの登場人物をプッシュしたデッキを組むと、統率者戦とはまた違ったなりきり遊び要素を楽しめそうだ。《銀のゴーレム、カーン》単も組んでみたいなぁ~、いつか機会があればやってみよう。
では、今年もマジックを楽しみながらやっていきましょう。2021年もデイリー・デッキをよろしく!
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