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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
新年の開幕はラッパの一吹きから(ヒストリック)
さあ2021年デイリー・デッキの更新を始めよう。今年もデッキをビシビシバンバン取り上げていくのでヨロシクゥ!
年末年始のお休みは皆ゆっくり過ごしたかな? あの時期特有の、夜の時間ってのが個人的には好きだ。シンと静かで、冷えた空気もピンと張ったような真っ暗な外を尻目に、快適な自室でみかんを食べたり、温かい飲み物でほっこりするひと時がなんとも味わい深いね。昔住んでいたところは近所にお寺があったので除夜の鐘なんかも聞こえてきて、夜の空気をゴォォォンという厳かな音が揺らしていくのもまた居心地が良かった。
そうそう、ラーメンの移動販売が通ったりもしてね。チャルメラの音が心に響くんだわ~……。思わず寒さを忘れて家から飛び出したくなる、素晴らしい音色である。
マジックの多元宇宙の住人たちも、同じような気持ちになるのだろうか。少なくともラッパの音には心が動くようである。
5 《森》 3 《平地》 4 《寺院の庭》 4 《陽花弁の木立ち》 4 《枝重なる小道》 -土地(20)- 4 《ラノワールのエルフ》 2 《金のガチョウ》 4 《魅力的な王子》 4 《エルフの幻想家》 2 《漁る軟泥》 4 《民兵のラッパ手》 4 《スカイクレイブの亡霊》 2 《ラノワールの幻想家》 1 《博覧会場の警備員》 2 《鎮まらぬ大地、ヤシャーン》 2 《空を放浪するもの、ヨーリオン》 -クリーチャー(31)- |
4 《集合した中隊》 2 《イクサランの束縛》 2 《変わり樹の共生》 1 《エメリアの呼び声》 -呪文(9)- |
3 《封じ込める僧侶》 2 《秋の騎士》 2 《領事の権限》 3 《敬虔な命令》 3 《安らかなる眠り》 2 《不可解な終焉》 -サイドボード(15)- |
今日は12月にMTGアリーナのヒストリック・マッチランク戦において活躍したデッキを2つ紹介だ。これらには共通点があり、いずれも《民兵のラッパ手》を4枚採用したクリーチャーが主役のデッキだ。
ラッパ手はその名の通りラッパを片手にした兵士で、町中でこれをパプーッと一吹きしているシーンがイラストにも描かれている。明らかに轟音とまではいかなくともかなりの音量だったようで、驚いたのかあるいは何かしらの警報の確認か、窓を開けて様子を確認する人たちの姿も見える。
その招集の音色を表現したのだろう、その能力は戦場に出たときにライブラリーの上から4枚見てパワー2以下のクリーチャー・カードを手札に加えるというもの。本人も2/3警戒と十分戦力になり、人間というタイプの強さも相まって、モダンなどの環境でさまざまなクリーチャー主体デッキで用いられている。手札が減らず、また状況にマッチするクリーチャーを手に入れやすいとあって見た目以上に強力なカードだ。
これを使ったデッキの一例としていいサンプルが上記のリスト。白緑の2色でパワー2以下のさまざまな能力持ちを採用。それらを3マナ以下に統一することで《集合した中隊》による一気の展開も狙えるのが緑らしく、またヒストリックらしい。
クリーチャーのチョイスは……墓地掃除の定番中の定番《漁る軟泥》。パーマネント除去にも長けており《自然の怒りのタイタン、ウーロ》などにも効果を発揮する《スカイクレイブの亡霊》。
各種マナクリーチャーと、ドローも付いている《ラノワールの幻想家》。亡霊だけじゃ足りない時に《博覧会場の警備員》。
そしてラッパ手をはじめ、戦場に出た際の能力をおかわりするための《魅力的な王子》。
相手を選びすぎるカードは採用せず、どんな相手にも一定の効果を発揮する安定感のあるスタッフを揃えてある。
これらパワー2かつ3マナ以下の面々に加えて、白と緑を使うデッキの特権とも言える《鎮まらぬ大地、ヤシャーン》が。
さらに王子の大型版である《空を放浪するもの、ヨーリオン》と、クリーチャー陣は眺めているだけで安心できる素晴らしいラインナップだ。
非クリーチャー呪文は中隊以外ほぼ採用せず、ラッパ手と中隊によるライブラリーのめくりで「最悪の結果」というやつにならないように配慮した作りになっている。もうちょっと非クリーチャー呪文を入れても大丈夫だろうが、万が一ってこともあるからね。
1 《平地》 1 《島》 1 《沼》 4 《神聖なる泉》 3 《氷河の城砦》 4 《神無き祭殿》 1 《孤立した礼拝堂》 1 《湿った墓》 2 《ロークスワイン城》 2 《愚蒙の記念像》 -土地(20)- 4 《魅力的な王子》 3 《帆凧の掠め盗り》 1 《翻弄する魔道士》 4 《拘留代理人》 4 《玻璃池のミミック》 4 《民兵のラッパ手》 3 《スカイクレイブの亡霊》 1 《魅了された者、アリリオス》 1 《正気泥棒》 2 《人質取り》 1 《半真実の神託者、アトリス》 1 《深海住まいのタッサ》 -クリーチャー(29)- |
1 《マラキールの再誕》 2 《一瞬の瞬き》 1 《運命のちらつき》 1 《遥かなる旅路》 1 《否認》 2 《忍耐の偶像》 2 《パンハモニコン》 1 《エルズペス、死に打ち勝つ》 -呪文(11)- |
1 《帆凧の掠め盗り》 2 《翻弄する魔道士》 1 《墓掘りの檻》 2 《霊気の疾風》 2 《害悪な掌握》 1 《否認》 2 《神秘の論争》 1 《残骸の漂着》 1 《エルズペス、死に打ち勝つ》 1 《不滅の太陽》 -サイドボード(14)- |
こちらは白に青と黒も絡めた通称エスパーカラー。白なのでラッパ手と相性の良い王子や亡霊は先のデッキと同じくたっぷり備えているが、3色になったことでよりできることが増えた。
トークンも追放でき対象のコストも問わない《拘留代理人》、追放したクリーチャーを唱えて自分の手駒にできる《人質取り》。
手札を攻める《帆凧の掠め盗り》、特定のキーカードに頼るデッキを封じる《翻弄する魔道士》(『ヒストリック・アンソロジー2』に収録)。そしてそれらすべてのコピーになることができる《玻璃池のミミック》と堂々の布陣だ。
これらのクリーチャーとラッパ手に共通するのは、戦場に出し直すことで能力を再度使い回せるという点。このリストでは《一瞬の瞬き》(『ヒストリック・アンソロジー3』に収録)などの一度追放を行ってから戦場に戻す、通称ブリンク系の呪文を用いてこれを狙う。《深海住まいのタッサ》が機能し出せばやりたい放題だ。
ここにさらに絡んでくるのがこのデッキの主役とも言える《パンハモニコン》!
戦場に出た際の能力が2倍と、こんなの楽しいに決まっている。《魅了された者、アリリオス》1枚から計3体のクリーチャーが戦場に立ちはだかるのだ。想像するだけでワクワクしてくる。ラッパは二度吹かれ、クリーチャーは2体やってくる。アドバンテージというもので戦わせれば、他の中速デッキを圧倒してしまえるだろう。
《民兵のラッパ手》は単純に強いだけでなく、パワー2以下で固めて構築することに価値を付加するという点が素晴らしい。デッキの作りがいがあるカードだ。マジックのパワー2以下のクリーチャー・カードって、そりゃあもうおびただしい数が存在するぞ。
各フォーマットにおけるその範囲内のクリーチャーを眺めながら、ラッパで手に入れて嬉しいものリストをまとめながらデッキを作ってみよう。2021年はアドバンテージ元年だ!
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