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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

『カラデシュリマスター』降臨! ティムール・マーベル再び(ヒストリック)

岩SHOW

 『カラデシュリマスター』のリリースがもう目の前だ。

 このMTGアリーナ専用セットには『カラデシュ』および『霊気紛争』のカードから厳選されたものが含まれている。アリーナがまだクローズド状態でテスターのみがプレイできたころなどはこれらのセットのカードも使えたと思うと、時間が経ったんだなぁと実感してしまうね。

 随分久しぶりにこれらのセットに含まれたカードに触れることになるので、既知のカードといえどワクワクしてくる。主席デザイナーであるマーク・ローズウォーター/Mark Rosewater氏も『カラデシュ』発表時には「すごい! 本当にすごいんだ!」とハイテンションで紹介していたのが懐かしい。このセットを知らない人はこれからそのすごさを味わえるわけで、それはそれで羨ましいな。

 このリマスターセットはヒストリックで使用可能だ。一気にカードプールが拡がることで、このフォーマットの様相も大きく変化しそうである。

 個人的に最も気になっているのは《霊気池の驚異》。

 当時のプロツアーなどのイベントで猛威を振るったものだ。『カラデシュ』ブロック特有のメカニズムである「エネルギー」、これを用いるカードの親玉的存在で、プレイヤーが得ることのできるエネルギーというものを6つ消費して、ライブラリーの上6枚の中から好きなカードをマナを支払わずに唱えてOKという大盤振る舞いな能力を持っている。当時ここから叩きつけて最も破壊力があったのが《絶え間ない飢餓、ウラモグ》。10/10破壊不能がドスンと降ってきて、かつパーマネントを2つ追放していく。はっきり言って、鬼! 驚異ウラモグコンボで一気に盤面を有利なものにし、相手の反撃の芽を摘んで勝つ恐ろしいデッキだった。

 このコンボ……ウラモグがヒストリックにいるので、この2020年に再現可能だ。これはやるっきゃないだろう、今こそマーベル(驚異)デッキの復活だッッ!

Martin Müller - 「ティムール・マーベル」
プロツアー『アモンケット』 4位 / スタンダード (2017年5月12~14日)[MO] [ARENA]
6 《
1 《
2 《
2 《獲物道
1 《隠れた茂み
2 《伐採地の滝
1 《植物の聖域
4 《尖塔断の運河
4 《霊気拠点
-土地(23)-

4 《導路の召使い
4 《ならず者の精製屋
4 《つむじ風の巨匠
3 《絶え間ない飢餓、ウラモグ
-クリーチャー(15)-
4 《霊気との調和
4 《蓄霊稲妻
4 《織木師の組細工
2 《霊気溶融
4 《霊気池の驚異
4 《炎呼び、チャンドラ
-呪文(22)-
2 《刻み角
4 《不屈の追跡者
2 《終止符のスフィンクス
3 《否認
2 《焼けつく双陽
2 《慮外な押収
-サイドボード(15)-

 

 こちらはプロツアー『アモンケット』のトップ8に入賞した「ティムール・マーベル」のリストだ。

 ティムール(青赤緑)カラーは『カラデシュ』ブロックにおいてエネルギーをうまく得られ、また消費することのできる色であったため《霊気池の驚異》を用いるデッキの大多数はこのカラーで組まれていた。

 3色デッキのマナ基板は《霊気との調和》《霊気拠点》《導路の召使い》でバッチリ。

 相手の攻めは《蓄霊稲妻》で潰し、各種パーマネントを展開しつつそれらからエネルギーを得て《霊気池の驚異》へと繋げる。

 当時のティムール・カラーの象徴とも言えるエネルギーと手札を与える《ならず者の精製屋》と、霊気池がない時のエネルギー供給先になり飛行機械を作りまくってゲームに勝てる《つむじ風の巨匠》、この2枚がとにかく強かった。

 これらを相手するだけでも骨が折れるのに、その上からウラモグが降ってくるのだからたまったものではない。

 このリストは当時のスタンダードにおける強力プレインズウォーカーであった《炎呼び、チャンドラ》など、現ヒストリックには存在しないカードも採用されている。これらを何か他のカードと置き換えれば「ティムール・マーベル」の復活と相成るわけだ。

 《炎呼び、チャンドラ》は対戦相手の戦場に並んだクリーチャーを一掃し、トークンを走らせることでライフも詰めていける全体除去兼フィニッシャーとして採用されている。ヒストリック環境でこれに代わるカードというと……《精霊龍、ウギン》は文句なしの1枚だね。

 クリーチャーどころかその他の有色パーマネントも追放しつつ、こちらの要である霊気池は色を持たないので見逃す噛み合いっぷりだ。

 そしてもう1つ、ウギンばかりを増量するよりはコストが1マナ軽く、めくれた時の恩恵が大きいものも採用して楽しみたい。《発生の根本原理》は色も合うし、唱えられれば爆発的な盤面形成を行える、うってつけの1枚だろう。

 霊気池で6枚見て、根本原理で5枚見て、ウギンやエネルギーを出すパーマネントを複数並べるなんてもう最高だ。霊気池の2枚目とエネルギーが6になるような他のカードとの組み合わせが見えて、もう1回やってみよう!なんて展開もたまらない……

 そんなわけで、さっそくカードを入れ替えてみた。

岩SHOW - 「ティムール・マーベル」
ヒストリック(BO1) (~『カラデシュリマスター』)[MO] [ARENA]
3 《
2 《
2 《
2 《繁殖池
1 《内陸の湾港
3 《植物の聖域
2 《踏み鳴らされる地
2 《蒸気孔
1 《硫黄の滝
3 《尖塔断の運河
4 《霊気拠点
-土地(25)-

4 《導路の召使い
4 《ならず者の精製屋
4 《つむじ風の巨匠
3 《絶え間ない飢餓、ウラモグ
-クリーチャー(15)-
4 《霊気との調和
4 《蓄霊稲妻
4 《織木師の組細工
4 《霊気池の驚異
2 《発生の根本原理
2 《精霊龍、ウギン
-呪文(20)-

 土地もヒストリックのもともと強力な面々に『カラデシュリマスター』の2色土地が加わってさらに強固な構成に。こりゃあリリースが楽しみになってきたなぁ……

 その名の通り驚異的な存在である《霊気池の驚異》。ガッシャンとタップしてすごいことを起こしてやってほしいね!

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