- HOME
- >
- READING
- >
- 岩SHOWの「デイリー・デッキ」
- >
- パワー1レッド(スタンダード)
READING
岩SHOWの「デイリー・デッキ」
パワー1レッド(スタンダード)
どこかでカウント違いをしていないのであれば、今回は当コラムの1101回目。別に何か綺麗な数字というわけでもないが、1が3つ並ぶとマジックプレイヤーとしては「なんだか軽量クリーチャーっぽい」と思ったりなんかするのではないかな。
1/1/1と表記したりする、クリーチャーの基本にして最小限のサイズ、1マナ1/1。そりゃあ1/2/1や1/2/2の方が優秀なのだが、世の中そんなに甘くない。《ジャッカルの仔》のようにデメリットを持っているのが相場だ(最近はそうでもないが)。
1/1/1は1ターン目に1体、2ターン目に2体と波状攻撃を仕掛けるのは得意。しかしながら相手に1/2以上が出てきただけで攻撃が止まってしまうという賞味期限の短さがこの手の連中の弱点だ。
そうなると1/1/1の価値とはどこにあるのかということになるが、賞味期限が短い代わりに何かしらの能力を与えられているところに注目したい。中でも赤のそれはかなり強い連中が揃っている。
かつては《怒り狂うゴブリン》がこのコストの代表的なクリーチャーとして基本セットにもたびたび再録されていたものだが、クリーチャーが強くなった現在ではそれにさらにメリットとなる能力がいくつか与えられていたりする。
今日はそうした1101回目にふさわしく、1/1/1を始めとして、1/1を大量に扱うデッキを紹介しよう!
18 《山》 4 《エンバレス城》 -土地(22)- 4 《熱烈な勇者》 4 《不気味な修練者》 4 《焦がし吐き》 4 《ブリキ通りの身かわし》 4 《朱地洞の族長、トーブラン》 -クリーチャー(20)- |
4 《災厄の行進》 4 《禁じられた友情》 4 《心火》 4 《炎の侍祭、チャンドラ》 2 《無頼な扇動者、ティボルト》 -呪文(18)- |
4 《エンバレスの盾割り》 4 《猛火の斉射》 2 《レッドキャップの乱闘》 4 《焦熱の竜火》 1 《無頼な扇動者、ティボルト》 -サイドボード(15)- |
パワー1で赤いデッキと言えば、《災厄の行進》を使ったアグロがちょくちょくその姿を見せるものだ。
特に環境初期、どのプレイヤーもどのカードを使おうか迷いがある中でどうしても自分がやりたいことを優先し、大振り気味のデッキを選択するタイミングでは、その無慈悲なまでの速度で瞬殺することができるため、好んで使われることが多い。
6月初頭、スタンダードにも禁止やルールの変更を受けて大きな変化が訪れ、新しい環境が始まったと言えるタイミング。そのタイミングで頭角を現したもののひとつが上記のリストだ。
デッキの方向性は至ってシンプル。1/1/1など、パワー1のクリーチャーを展開して《災厄の行進》を置いて、思い切りぶん殴る。それで1ターンでも早く相手のライフを0にしようという、超前のめりなアグロの中のアグロと呼べるデッキだ。
その性質上、長期戦は苦手。宵越しの手札は持たないとばかりの姿勢が、4ターン目には20点のライフを削り切る爆発力を生み出す。最速パターンの1つで言えば、
- 1ターン目:1マナの速攻持ちで1点
- 2ターン目:《災厄の行進》を置いて行進の1点と戦闘ダメージで1点
- 3ターン目:《炎の侍祭、チャンドラ》を出して[0]能力起動、計3体のパワー1で殴って行進3点と戦闘ダメージで3点
- 4ターン目:《朱地洞の族長、トーブラン》を出してチャンドラ起動から攻撃、行進で9点と戦闘ダメージで9点
4ターン目の伸びっぷりがわけのわからないことになっているが、要するに1/1を多数展開して、行進とトーブランのコンボで相手のライフが多少回復してようがブロッカーがいようが、そんなものを帳消しにする圧倒的なダメージを直接本体に叩き込むのである。
ブン回ったら勝つ、そうでなければ負けてもしょうがない。この開き直りがアグロデッキにとっては大事なもので、中途半端なことをしていないからこそ勝てるデッキになっているのである。
だからプレイする時もその心構えが必要になる。回れば勝ち、そうでなければ相手の勝ち。自分との戦いを制することができるか否か、そう考えれて気楽に回すにはもってこいなデッキだ。
このデッキは1/1を並べて行進かトーブランで大ダメージを叩き出すものであるが、もう1つ赤ならではなお飛び道具を備えている。《心火》だ。
2マナで4点ダメージ、かなり軽くて大きなダメージが与えられる代わりに、クリーチャーかプレインズウォーカーの生け贄を要求してくる。このデッキであればもちろん、往々にして1/1を生け贄に捧げることになるのだが、それって……なんというか心が痛まない。1マナのやつなら出してすぐに生け贄に捧げて3マナと手札2枚で4点として使っても良いし、《炎の侍祭、チャンドラ》の出すエレメンタルはどうせターン終了時に死ぬので、それを投げつければ無駄がない。
同じく3マナでトークンを生成するプレインズウォーカーである《無頼な扇動者、ティボルト》が呼び出すデビルも生け贄に捧げることでダメージを飛ばせる。
トーブランがいる状況だとデビルが死んで3点、《心火》で6点と初期ライフのおよそ半分を削り取ってしまうダメージ効率の良さだ。ティボルトやチャンドラなどプレインズウォーカーを投げるという選択肢があることも忘れずに、そのターンのうちに勝つのであれば何も気にするな!
《炎の侍祭、チャンドラ》の[-2]から《心火》を2連発することもこのデッキの勝ち方の1つであり、大変に気持ちが良く健康的なので各自体験されたし。
ティボルトは「対戦相手はライフを得られない」能力を持っているのも重要。上述のようなブン回りであれば多少の回復は無視できるが、現実はそう毎回綺麗に行進トーブランが決まるわけでもない。そんな時に《自然の怒りのタイタン、ウーロ》や《吸収》などの回復を無視できるティボルトの存在は大変にありがたく、これが勝負を決めてしまうことも少なくない。
パワー1がちょろちょろと並び出したら、ちょっと警戒した方が身のためだ。1/1を2体生成する《禁じられた友情》などは普通の赤単に入っていることは少ないので、《災厄の行進》デッキであるサインと考えるべきだろう。1/1が何体出てこようが、殴り合いで負けることはないっしょ、なんて気軽に戦っていると、思わぬ爆発力でボコられることも。
相対した際には相手が長期戦を苦手としていることを思い出しながら、慎重に動いてライフを護るのが吉だろうね。
RANKING ランキング
-
広報室
年末年始もマジックづくし!「お年玉キャンペーン」&「プレマ&スリーブゲット!年末/年始スタンダード」開催決定|こちらマジック広報室!!
-
コラム
スクウェア・エニックスで「マジック体験会」を開催!?『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』に向けたインタビューも|企画記事
-
戦略記事
ラクドス・サクリファイス:クリーチャーともう一つの生け贄要員(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
戦略記事
ジャンド独創力:プランは複数、独創力のみにあらず(パイオニア)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
戦略記事
とことん!スタンダー道!まさかまさかの複製術、コピーされ続ける先駆者(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
NEWEST 最新の読み物
-
2024.12.20戦略記事
今週のCool Deck:ロータス・コンボ、遂にアリーナにて始動!(パイオニア)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2024.12.20読み物
第51回:0から始める統率者戦|クロタカの統率者図書館
-
2024.12.19戦略記事
とことん!スタンダー道!まさかまさかの複製術、コピーされ続ける先駆者(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2024.12.19コラム
スクウェア・エニックスで「マジック体験会」を開催!?『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』に向けたインタビューも|企画記事
-
2024.12.18戦略記事
ラクドス・サクリファイス:クリーチャーともう一つの生け贄要員(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2024.12.18広報室
2024年12月18日号|週刊マジックニュース
CATEGORY 読み物カテゴリー
戦略記事
コラム
読み物
BACK NUMBER 連載終了
- Beyond the Basics -上級者への道-
- Latest Developments -デベロップ最先端-
- ReConstructed -デッキ再構築-
- Daily Deck -今日のデッキ-
- Savor the Flavor
- 射場本正巳の「ブロールのススメ」
- 津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ
- 浅原晃の「プレミアイベント三大チェックポイント!」
- ガフ提督の「ためになる」今日の1枚
- 射場本正巳の「統率者(2017年版)のススメ」
- かねこの!プロツアー食べ歩き!
- ロン・フォスターの統率者日記
- 射場本正巳の「統率者(2016年版)のススメ」
- マアヤのマジックほのぼの日記
- 金子と塚本の「勝てる!マジック」
- 射場本正巳の「統率者(2015年版)のススメ」
- 週刊連載インタビュー「あなたにとってマジックとは?」
- なかしゅー世界一周
- 中村修平の「デイリー・デッキ」
- 射場本正巳の「統率者(2014年版)のススメ」
- 中村修平の「ドラフトの定石!」
- 浅原晃の「プロツアー観戦ガイド」
- 鍛冶友浩の「プロツアー観戦ガイド」
- ウィザーズプレイネットワーク通信
- Formal Magic Quiz
- 週刊デッキ構築劇場
- 木曜マジック・バラエティ
- 鍛冶友浩の「デジタル・マジック通信」
- 鍛冶友浩の「今週のリプレイ!」
- 渡辺雄也の「リミテッドのススメ」
- 「明日から使える!」渡辺リミテッド・コンボ術
- 高橋優太の「このフォーマットを極めろ!」
- 高橋優太の「このデッキを使え!」
- 黒田正城の「エターナルへの招待」
- 三田村リミテッド研究室
- 新セットめった切り!
- シングルカードストラテジー
- プレインズウォーカーレビュー
- メカニズムレビュー
- その他記事