READING

戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ケシス・コンボに新参者!(ヒストリック)

岩SHOW

 『イコリア:巨獣の棲処』はなかなか個性的な伝説クリーチャーが揃ったセットだ。3色の巨獣、2色の相棒能力持ち10種といったセットの顔に加えて、他にもデッキを組みたくなるカードが盛りだくさんだ。

 伝説が増えるということでほくそ笑んでいるのは、伝説クリーチャーマニアや統率者戦愛好家だけではない。彼だよ彼、伝説に関する能力しか持っていない生粋の伝説研究家である《隠された手、ケシス》だ。

 伝説の呪文のコストを軽くし、墓地から伝説のカードを2枚追放することでそのターンの間、他の伝説カードを墓地から唱えられるようにするという能力を持っている。

 この能力を活かして、ほぼ伝説のカードのみで固められた「ケシス・コンボ」が2019年の夏に大流行したのも、もう随分と前のことに思える。墓地から《モックス・アンバー》を唱えてマナを得て、さらに同じアンバーを唱えると、伝説ルールで片方が墓地に落ちる。落ちたアンバーはケシスの能力を再起動してまた唱えなおす……と複数のアンバーをループさせる。

 これだけでは墓地が切れてしまいストップしてしまうが、《精励する発掘者》と並べれば問題解決。

 アンバーは歴史的な呪文なので発掘者の能力が誘発し、ライブラリーを墓地に落とすことができる。これを繰り返すことで自分のライブラリーを0枚になるまで掘り進めて《神秘を操る者、ジェイス》、あるいは白と黒のマナをたっぷり生産してから《ケイヤの誓い》を複数枚唱えまくってライフを焼き切ったりして勝利する。

 今はもうスタンダードでは組めないデッキだが、パイオニアやヒストリックなどのフォーマットでは現役である。『イコリア』からの新たなる伝説のカードを迎え入れることで、このデッキも変化するかもしれない。

 今日はヒストリック版のサンプルリストを紹介させていただこう。

岩SHOW - 「ケシス・コンボ」
ヒストリック (2020年4月)[MO] [ARENA]
3 《神聖なる泉
2 《氷河の城砦
2 《神無き祭殿
2 《孤立した礼拝堂
2 《寺院の庭
2 《湿った墓
2 《繁殖池
2 《神秘の神殿
1 《陽花弁の木立ち
2 《草むした墓
1 《疾病の神殿
1 《インダサのトライオーム
1 《ゼイゴスのトライオーム

-土地(23)-

4 《精励する発掘者
3 《眷者の神童、キナン
3 《万面相、ラザーヴ
4 《隠された手、ケシス
3 《湖に潜む者、エムリー
2 《夢の巣のルールス

-クリーチャー(19)-
4 《モックス・アンバー
4 《ギルド球
2 《ケイヤの誓い
2 《影槍
4 《時を解す者、テフェリー
1 《神秘を操る者、ジェイス
1 《伝承の収集者、タミヨウ

-呪文(18)-

 《眷者の神童、キナン》! かなりやってくれそうなポテンシャルを感じる伝説クリーチャーだ。

 土地以外のパーマネントをタップしてマナを得る場合、キナンは追加でもう1マナをプレゼントしてくれる。ということは言うまでもなく、アンバーから2マナ得られるってわけだ。マナ生産量が大幅に向上するのは強そうだ。

 また、キナンを採用することで同時に《ギルド球》のようなカードも使いやすくなる。

 序盤にとりあえず出してドローを進め、キナンを出してからこれの能力を起動すると……本来は2マナを支払って好きな色の組み合わせを2マナ得る、フィルターとしての役割を持ったカードなのだが、キナンのおかげでもう1マナ得られてマナ加速になるのだ。ケシスや《万面相、ラザーヴ》などのコンボパーツのために4色を用いるデッキにとってはマナフィルターは重要な存在であり、かつそれで得する可能性があるのは嬉しいところ。

 コンボが始動しだしたタイミングでも、アンバー2枚から4マナ得て、《ギルド球》も唱えて起動して……と動けば、ライブラリーから墓地にカードが6枚落ちて1枚ドローと3マナ獲得と、ループがさらに繋がる可能性が大きく高まるというものだ。《湖に潜む者、エムリー》から拾う選択肢としても悪くない。

 もう1体の伝説クリーチャーは《夢の巣のルールス》。

 相棒能力持ちは相棒として用いずとも、普通にデッキにも入れられる。そうした使い方が最も期待されているのがこのルールス。墓地から2マナ以下のパーマネント呪文を唱えられる……このデッキにとってはキナン、発掘者、それらに化けるラザーヴ、そしてアンバーと唱えたいものは数多ある。プチ・ケシス的な立ち位置で、発掘者とのループを大いに後押ししてくれるだろう。

 4色デッキなので、インダサとゼイゴスの2種類のトライオームがマナ基盤も強化だ。

 あまり複数入れるとコンボの始動が遅くなってしまうので枚数は抑え目にした方が吉だろうが、1ターン目トライオームという動きはかなり安心できるものとなるはず。基本土地タイプを3つも持っていれば、《氷河の城砦》などの土地がアンタップで置ける確率も大幅上昇だ。

 この手のコンボデッキは採用カードの枚数調整が難しい。とりあえず使ってみたいものを優先したリストにしているが、何度も回して理想形に近づけていく必要があるだろう。新たな伝説たちを用いてケシスがどれだけイキイキとコンボを決めるのか、とても楽しみである。

 《眷者の神童、キナン》は他にもタップしてマナを生み出すパーマネントとのコンボが大いに期待できる、夢にあふれた1枚。起動型能力から巨大な非人間クリーチャーを呼び出すのも狙ってみたいね。皆でいろいろとデッキを作ってみようじゃないの!

  • この記事をシェアする

RANKING

NEWEST

CATEGORY

BACK NUMBER

サイト内検索