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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
青赤果敢(レガシー&モダン)
素早くゲームを終わらせたいのかい? 速攻クリーチャーで殴りたいのかい? 直接ダメージ呪文も使いたいのかい? だったら「赤」だ。
カードを引きたいのかい? 打ち消しで妨害もしたいのかい? クリーチャーには飛行が欲しいのかい? だったら「青」だ。
飛行と速攻を持ったクリーチャーで殴って、カードを引いて、ダメージや打ち消しを投げつけたいのかい? だったら……「青赤」だ。
というわけで、攻撃的であると同時に対戦相手への妨害も行う、そんな2つの思いを抱くプレイヤーには「クロック・パーミッション」、縮めて「クロックパーミ」というデッキタイプがオススメだ。
クロックとは時を刻むように毎ターン相手のライフを削っていく手段、まあ往々にしてクリーチャーのこと。パーミッションとは許可を与えるということで「この呪文には打ち消しはありませんか?」と相手が許可を求めてくることから、打ち消し呪文を用いる戦術のことを意味する。
クロックパーミは青に何か他の色を足して組まれることが多いが、最もそれらしいカラーリングとなれば青と赤の2色。クリーチャー除去であり、相手のライフが少ない状況では本体に投げつけて勝つことのできる《稲妻》などの直接ダメージ呪文、いわゆる火力の色だからだ。冒頭で触れたように速攻の色でもあり、低コストにしてガンガン殴っていけるクリーチャーに恵まれている。
また、青と赤には共通する点が1つ。この2色はともにメカニズム「果敢」の色であり、青の軽量ドローや赤の火力を唱えていると自然と果敢持ちクリーチャーが大きくなって効率よくライフを削り取れるのである。
レガシーにおける「青赤果敢」のリストはこんな感じだ。
2 《冠雪の島》 4 《Volcanic Island》 2 《溢れかえる岸辺》 2 《汚染された三角州》 2 《沸騰する小湖》 2 《霧深い雨林》 2 《焦熱島嶼域》 -土地(16)- 4 《秘密を掘り下げる者》 4 《僧院の速槍》 2 《損魂魔道士》 4 《嵐追いの魔道士》 2 《騒乱の歓楽者》 -クリーチャー(16)- |
4 《思案》 4 《定業》 4 《渦まく知識》 4 《稲妻》 4 《稲妻の連鎖》 4 《目くらまし》 4 《意志の力》 -呪文(28)- |
2 《外科的摘出》 2 《蒸気の絡みつき》 1 《墓掘りの檻》 3 《紅蓮破》 2 《削剥》 2 《発展の代価》 1 《無のロッド》 2 《硫黄の渦》 -サイドボード(15)- |
青の軽量クリーチャーの中では打点最強、1マナにして3/2飛行になる《秘密を掘り下げる者》と果敢クリーチャー、そしてたっぷりのインスタントとソーサリーで組み上げられている。
1ターン目からクリーチャーをどんどこ展開し、《思案》《定業》《渦まく知識》と続けざまにドロー呪文を連打していく。
相手のアクションは《目くらまし》《意志の力》で打ち消し、《稲妻》《稲妻の連鎖》で一気にライフを追い詰める。
簡単なデッキではないが、爽快感にあふれており、コンボデッキなどを狩るにはもってこい。ドローを繋げて繋げて、果敢持ちをサイズアップするのは気持ちがいい。
青赤の果敢持ちということで《嵐追いの魔道士》はエース格だ。
飛行と速攻、2色のそれぞれ良いとこどりであり、果敢で打点もしっかり持ち合わせている。
同じく速攻持ちの《僧院の速槍》などかなりイケている面々である果敢持ちだが、1つ弱点というかクロックパーミと噛み合っていない点を挙げるとすれば……相手のターンに打ち消し呪文を唱えた際、果敢が誘発してサイズが上昇することがあんまり意味がないという点。もちろん、相手の火力をこれでしのぐという状況はあるが、そうでない場合はサイズが上がったけども特に意味はないなぁ、次のターンにドロー呪文を引けたら良いなぁ、とぼんやりお願いすることになる。
しかしながら、ついにというか、この弱点を超越したクリーチャーがやってきた。『イコリア:巨獣の棲処』に収録された《スプライトのドラゴン》である!
これは永続果敢とでも言おうか、非クリーチャー呪文を唱えると+1/+1カウンターが置かれるという、なかなかに破格の能力を備えている。それでいて《嵐追いの魔道士》と同様、飛行と速攻を併せ持っており、同じくコストは2マナだ。たった2マナである。これは強い! 十分に嵐追い、あるいは他の果敢持ちの枠と置き換わって採用されるスペックだ。
フェアリーのように小さなところから始まって、最後には立派なドラゴンサイズに成長し対戦相手を空から叩きのめす脅威となりそうだ。しっかり青いので《意志の力》の代替コストにもなる点が偉い。
2 《島》 2 《山》 2 《蒸気孔》 4 《沸騰する小湖》 4 《尖塔断の運河》 4 《焦熱島嶼域》 -土地(18)- 4 《僧院の速槍》 4 《損魂魔道士》 4 《嵐追いの魔道士》 -クリーチャー(12)- |
4 《変異原性の成長》 2 《はらわた撃ち》 4 《選択》 4 《手練》 4 《血清の幻視》 4 《稲妻》 4 《魔力変》 2 《マグマの陥没孔》 2 《王家の跡継ぎ》 -呪文(30)- |
2 《弾けるドレイク》 3 《墓掘りの檻》 2 《削剥》 2 《軽蔑的な一撃》 2 《ドラゴンの爪》 2 《溶鉄の雨》 2 《神秘の論争》 -サイドボード(15)- |
クロックパーミではなく、完全に果敢に寄せたアグロなデッキであればモダンでもその姿が見られる。このデッキにも《スプライトのドラゴン》が入ってくることだろう。
《魔力変》や《変異原性の成長》《はらわた撃ち》といった実質マナを消費しないカードを連打して開幕からサイズアップだ。
速攻を持っているので、第一陣を送り出してから手札を貯めて、二の矢として一気に放出して爆発的なダメージを叩き出して仕留めるという動きが狙えるのは頼もしい。
ちょっとコストは重いが、《変異原性の成長》との相性から《呪文喰いクズリ》も使ってみたくなる。
《使徒の祝福》でプロテクションを与えてブロック不可にすると一気にライフをこそぎ落としてくれそうだ。《窯の悪鬼》などと一緒にデッキを作ると楽しそうだ。そういう面で考えると、ヒストリックで使うというのもありかもしれない。
《スプライトのドラゴン》はかなり高いポテンシャルを持っている1枚だ。『イコリア』の目玉でもあるゴジラシリーズカードでも《理想のペット、ドラット》として、懐かしのかわいい未来生物のイラストを与えられている。
イラストには3匹の姿が描かれているが、これはこの3匹がこの後核エネルギーを吸収して合体、キングギドラへと変貌するという設定から来るもの。まさかこの子らがカード化されるとは予想していなかったので、ゴジラファンとしてはなかなかにびっくらこいたものだ。カードとしては確実に強いものなので、このドラットもまた人気カードとして注目を集めそうである。
小さくてもドラゴンはドラゴン、呪文の連打で致死性の危険生物に育てて、一気に勝負を決めよう!
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