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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ティムール変容:願いの頂点は宇宙の帝王(新スタンダード)

岩SHOW

 早くも今週末、『イコリア:巨獣の棲処』がリリースだ。

 今回から例の大発表後に書くコラムになるのだが……いやぁまさか、ゴジラがね。東宝怪獣オールスターとも呼べる面々がマジックのカードになる日が来るなんてね。幼少時から怪獣命で育って、中学からはマジック命、いくつかある我が命とも呼べるものの中から2つが1つに合わさるなんて、夢のような話だ。

 もちろん、イコリアでは怪獣たちが描かれたカードを使っていきたいと強く思っている。個人的にイラスト、元になったキャラクターの双方で最高と呼べる逸品は……キングギドラだな。

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 《宇宙の帝王、キングギドラ》のカッコよさにはまいったぜ。このギドラは《願いの頂点、イルーナ》として扱う。このカード自体もビースト・エレメンタル・恐竜とこれまでになかったタイプの組み合わせに相応しい、ミステリアスな雰囲気を放つ魅力にあふれている。

 カードとしては『イコリア:巨獣の棲処』から新登場する「変容」という能力にフォーカスしたものだ。変容コストを払って唱えれば、自身のクリーチャーに重ねる形で戦場に出すことができる。変容したクリーチャーは重なっているカードすべての能力を併せ持つ。キングギドラ/イルーナを変容したクリーチャーは飛行とトランプルを得るってわけだ。呪禁や破壊不能を持っているクリーチャーに重ねれば除去耐性の高いフィニッシャーとなり、警戒や絆魂を持っているものであれば攻防一体のアタッカーとなるだろう。

 そしてイルーナは変容するたびに土地でないカードがめくれるまでライブラリーを上から追放し、公開された土地でないカードを戦場に出すか手札に加えることができるという能力まで持っている。変容はパーマネントの頭数を増やすことはできないのだが、コイツでクリーチャーを公開すればその原則を打ち破ることが可能だ。クリーチャーに限らずプレインズウォーカーが飛び出してきたらとてつもないことになるだろうし、インスタントやソーサリーでも手札に入るのでハズレにならないのが嬉しく、デッキ構築に制限もかからずに自由に組むことができる。まあ1つ制限があるとすれば、変容してナンボなので可能な限り変容持ちと一緒に使いたいね。

 というわけで今日は《願いの頂点、イルーナ》a.k.a.《宇宙の帝王、キングギドラ》を使ったデッキを考えてみたぞ!

岩SHOW - 「ティムール変容」
スタンダード(『ラヴニカのギルド』~『イコリア:巨獣の棲処』)[MO] [ARENA]
4 《
2 《
1 《
4 《繁殖池
3 《神秘の神殿
4 《踏み鳴らされる地
1 《奔放の神殿
4 《蒸気孔
3 《寓話の小道
-土地(26)-

4 《金のガチョウ
4 《楽園のドルイド
2 《砕骨の巨人
2 《大食のハイドラ
2 《ハイドロイド混成体
4 《両生共生体
2 《水晶壊し
2 《海駆けダコ
2 《輝き石のイトグモ
4 《嘶くナール
3 《願いの頂点、イルーナ
-クリーチャー(31)-
1 《ボーラスの壊乱者、ドムリ
1 《銅纏いののけ者、ルーカ
1 《怪物の代言者、ビビアン
-呪文(3)-

 とにかく変容と書いてあるカードを詰め込んでみた、環境当初はこれくらい豪快にいってどのカードが構築でもバリバリに活躍するパワーがあるのかを試してみるのが良いだろう。

 とりあえず先立つものはマナなので、《金のガチョウ》《楽園のドルイド》を惜しみなく。マナも十分にある状況になれば変容元にもなってくれるので従来のデッキより無駄になりにくい。

 さらに《楽園のドルイド》は呪禁がついているので安心して大型クリーチャーに変容させられるのもありがたい。このデッキのように3色ではなくもっと色を絞るのであれば、《樹皮革のトロール》なんかも良い選択肢になるだろうね。

 《ボーラスの壊乱者、ドムリ》もマナを伸ばしつつ、低マナ域があまり戦闘向きでないサイズなのでパワーを底上げ。除去にもなる点がイケているのでもうちょっと枚数も増やしても良いかも。

 《両生共生体》も変容クリーチャーに対するマナ加速として機能する。

jp_LjBGx8Q4Vb.png

 こいつの面白いところは変容コストのみならず、普通に唱えるコストも軽減してくれる点。2ターン目《両生共生体》からの《嘶くナール》出して《海駆けダコ》を変容し、3/3ビーストを生成しながら次のターンから殴ってドロー!とかいうやんちゃな動きもできたりする。変容持ちを唱える度に手札を入れ替える能力も、特に終盤では無駄なドローを緩和してくれて役に立つことだろう。

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 変容持ちをべたべたと重ねて、最後にはイルーナ/ギドラを変容させて究極の変容生物を誕生させて楽しくなろうというのがゴールだ。

 で、どうせなら派手な変容のベースがあった方が良いな、と思って採用しているのがハイドラ2種だ。

 変容は一番上のカードに下のカードの能力が付与されるのであって、パワーやタフネスが強化されるということはない。しかしながらカウンターが置かれているという状態は共有されるので、+1/+1カウンターが置かれて戦場に出るハイドラの上に変容クリーチャーを重ねるとサイズが大きく強化されてお得なのである。どちらもトランプルを持っており、《ハイドロイド混成体》であれば飛行もついてくるのでかなり強力なクリーチャーを作り上げることができる。

 このサイズのトリックは他の色のデッキでも活きてきそうで、《鎖を解かれしもの、ポルクラノス》なんかは文字通りの大怪獣を生み出しそうな予感がする。

 変容は全く未知のマジック体験となるので、一体どれほどのポテンシャルを誇るのかはまだまだ不明だ。『イコリア:巨獣の棲処』がリリースされたら、さっそく使ってみよう。「君だけの相棒と戦え」というキャッチフレーズにふさわしい、自分だけの最強の巨獣を創造して暴れ回ろう!

 MTGアリーナで『イコリア:巨獣の棲処』50パックとマスタリーパスを事前予約すると《怪物の代言者、ビビアン》と《銅纏いののけ者、ルーカ》の新プレインズウォーカーが2枚手に入る。

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 色が合っているのもあって、僕もこのリストのようにティムールカラーのデッキで試してみようと思っている。この2人のカードパワーも使ってみないとわからないなぁ。どれだけのインパクトを残してくれるのか、楽しみだ。

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