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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
赤単果敢:逆境?それチャンスだよ(モダン)
マジックはうまくいかないこともあるゲームだ。いろんな意味でね。自身の失敗であったり、一個人の力ではどうしようもない現実に直面させられたり……だからこそ果敢に挑むチャンレンジャー精神の強いプレイヤー達に愛され続けているというものでもある。どんな状況下でも諦めないプレイヤーは強く、また新しいものを生み出していく。
先日、モダンにおいて《信仰無き物あさり》が禁止カードとなった。このカードは1マナと軽く、カードを引くとともに捨てることができ、かつフラッシュバックで墓地からも唱えられると、さまざまなデッキにおいて仕事をこなす名脇役だった。
墓地を利用するデッキ、カードを捨てることで得するデッキはもちろんのこと、軽量の呪文を連打することでボーナスを得る類のデッキにも採用されていた。これを唱えることでクリーチャーやダメージ呪文を引き込み、不要な土地などは捨てる。唱えたことでクリーチャーの「果敢」能力を誘発させつつ、墓地の枚数も増やす……「赤単果敢」と呼ばれるデッキにおいても重要な役目を担っている1枚だった。
この物あさりがモダンを去ったことで、その「赤単果敢」は終わったのか? というと答えはNo。たかだか1マナの選択肢が1つ減っただけで、代わりになるカードはなんなりとあるものだ。
インスタントとソーサリーを連打する手数勝負のデッキ、その最新モデルを見てみよう!
15 《冠雪の山》 2 《焦熱島嶼域》 1 《灼陽大峡谷》 -土地(18)- 4 《僧院の速槍》 4 《損魂魔道士》 2 《遁走する蒸気族》 4 《騒乱の歓楽者》 -クリーチャー(14)- |
4 《稲妻》 4 《噴出の稲妻》 4 《溶岩の撃ち込み》 4 《溶岩の投げ矢》 4 《突破》 4 《魔力変》 4 《舞台照らし》 -呪文(28)- |
3 《トーモッドの墓所》 2 《高山の月》 3 《ドラゴンの爪》 2 《燃え上がる憤怒の祭殿》 2 《削剥》 2 《コジレックの帰還》 1 《崇高な工匠、サヒーリ》 -サイドボード(15)- |
《僧院の速槍》《損魂魔道士》など果敢持ちを1ターン目から展開し、《稲妻》などを連打して相手のクリーチャーを排除しつつ、パワーの上がったそれらで殴り勝つことを狙ったアグレッシブなデッキである。
《稲妻》《溶岩の撃ち込み》《噴出の稲妻》をバシバシ対戦相手本体に撃ち込んでライフを削り、瞬く間にゲームを終わらせることができるのが魅力である。超速攻好きには一度手に取ってほしいデッキだ。
火力(ダメージ呪文)の枠に《溶岩の投げ矢》まで採用されていることも特徴のひとつだ。
1マナ1点とダメージだけ見ればしょっぱいカードではあるが、その魅力はフラッシュバックのコストにマナを必要としない点。山を生け贄に捧げて0マナで唱えられるため、1ターンに可能な限りアクションを起こしたいこのデッキにはおあつらえ向きだ。果敢持ちのパワーを1マナで2点上げられるので、それらが複数体並んでいる時にはゲームエンドまで持って行くこともある侮れない1枚。《遁走する蒸気族》のカウンターも2個増やすことが可能で、打点のみならずマナまで増やしてくれる可能性もある。
もうひとつの特徴は、《騒乱の歓楽者》が採用されている点。
むしろ「赤単果敢」はこれを使うためのデッキなのだ。墓地にインスタントとソーサリーが落ちているほどコストが軽くなり、戦場に出れば手札を全部捨ててから3枚ドロー、そしてこいつも果敢持ち。攻めを途切れさせない手札補充要員であり、打点も担うスーパークリーチャーだ。
これを唱えるためには、とにかく何度も言うように最序盤から1ターンに複数行動をとっていく必要がある。そのため、このデッキは《稲妻》などの火力のみでなく、ドロー系の呪文も多数採用している。これが「バーン」と「赤単果敢」の大きく異なる点だ。《魔力変》《突破》《舞台照らし》が低コストかつドローを進めるカードとして用いられている。
《魔力変》は実質0マナ。これでライブラリーを掘り進んで次なる一手を見つけ出し、墓地に呪文を貯め、果敢を誘発させる。このデッキの心臓とも呼べる1枚である。
《舞台照らし》はドロー系の中でも唯一カード1枚が2枚になる呪文で、《騒乱の歓楽者》とともに手札切れを防いでくれる貴重な存在だ。これから火力が2枚見つかって逆転、という状況は多々あることだろう。
それらに比べて、《突破》はただの1マナ1枚ドローとやや性能が低くも見えるが、何度も言うように果敢を誘発させ墓地を肥やすことが1マナでできて、かつ手札が減らないという点が重要で、このデッキにとって大事なカードである。
ぜっかくの果敢で育ったクリーチャーをトークンなんかのちっぽけなクリーチャーでブロックされて凌がれる、いわゆるチャンプブロックも、この《突破》がもたらすトランプルが防いでくれることも忘れてはいけない。
この手のデッキは、デッキを構成する各カードが大体キッチリと4枚ずつ採用されているものだ。毎回同じような綺麗な動きをすることが理想である、1枚ごとのカードパワーではなく、噛み合わせで戦うデッキにおいてはこれはとても重要なことである。
このリストを参考にしつつ、自分なりの1枚も仕込んでオリジナルなデッキにするぞ!という気持ちもわかるが、こういったデッキの場合はまずはお手本をそのままコピーして何度かプレイして、デッキの動きを理解するのが大切だ。その上で、ここの枠をこれに置き換えたらもっと自分好みに仕上がるな……という風に、自分の色を出していくのが成功につながると思うよ。
一手一手がもたらす効果を慎重に考えつつ、大胆に攻める「赤単果敢」は、《信仰無き物あさり》がなくなっても、まだまだモダンで活躍できるはずだ!
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