READING

戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

土地を割れ、アーティファクトを割れ(モダン)

岩SHOW

 ついこの間までのモダンにおいて、最も大事だったことは墓地への解答だった。《甦る死滅都市、ホガーク》を用いるデッキが最大勢力にして最強レベルの存在で、これとの勝負を想定せずにデッキを組むことは大変に難しかった。《虚空の力線》や《安らかなる眠り》をメインデッキから備えることで墓地を好き勝手に利用させないという直接的な対処を迫るか、あるいは速度でも対等に戦えるデッキでスピード勝負を挑むかといったところか。

 では今のモダンではどうだろう。このコラムでも何度か取り上げているように《石鍛冶の神秘家》が解禁されたことにより、これを用いるデッキが増加。最もよく見る1枚になったと言っても過言ではない。

 この石鍛冶の対抗馬として立ち上がってくるデッキの1つは「トロン」だと考えられる。石鍛冶を使うようなデッキは《殴打頭蓋》で戦闘を行うが、それは決して高速ラッシュではなく、どちらかといえば中速のデッキ。そういったデッキに対して、トロン特有の重すぎるがカードパワーも圧倒的な1枚をバシッと叩きつける戦法は劇的に突き刺さるものだ。《解放された者、カーン》《精霊龍、ウギン》《絶え間ない飢餓、ウラモグ》……パーマネントで勝負するデッキは木っ端微塵に粉砕してしまえる。

 石鍛冶デッキとトロンが勢力を伸ばすのであれば、それらを意識してデッキを組むことでモダンという環境を生き抜くことができるのではないか。でも、装備品で戦うデッキと《ウルザの塔》など土地を揃えることで暴れるデッキ、方向性が違いすぎて同時に対策するのは難しいんじゃないの?というのは自然な反応だろう。

 ご安心を! どっちも原始的ではあるが最もわかりやすい手段……「叩き割る」という方法で対処しちまえば良いんだよ!

Limly - 「グルール・土地破壊」
Magic Online Modern League 5勝0敗 / モダン (2019年9月2日)[MO]
6 《
3 《
3 《踏み鳴らされる地
1 《寺院の庭
4 《樹木茂る山麓
3 《吹きさらしの荒野
1 《ケッシグの狼の地
-土地(21)-

2 《極楽鳥
4 《東屋のエルフ
2 《不屈の追跡者
2 《血編み髪のエルフ
2 《強情なベイロス
-クリーチャー(12)-
4 《稲妻
4 《楽園の拡散
4 《血染めの月
4 《石の雨
3 《略奪
2 《神々の憤怒
3 《大いなる創造者、カーン
2 《反逆の先導者、チャンドラ
1 《目覚めた猛火、チャンドラ
-呪文(27)-
2 《秋の騎士
1 《ワームとぐろエンジン
1 《真髄の針
3 《安らかなる眠り
1 《削剥
1 《液鋼の塗膜
1 《罠の橋
3 《神聖の力線
1 《マイコシンスの格子
1 《仕組まれた爆薬
-サイドボード(15)-
 

 答えは《略奪》ゥッッ!!

 石鍛冶で装備品を持ってきた? 破壊すれば良し! 《ウルザの鉱山》《ウルザの魔力炉》と並んであと1枚で揃ってしまう? 破壊すれば良し! 脳みそ筋肉と言われても構わない、破壊こそがベストなアンサーだ!

 ということで『モダンホライゾン』に再録された《略奪》を使った赤緑の土地破壊デッキの登場だ。以前よりモダンでは土地を利用したコンボ相手に闘志をむき出しにしており、一定の使用者(というか土地破壊マニア)が存在していたデッキだったが、ここに来てこのデッキへの追い風が吹いているように思える。

 やることはシンプルだ。《楽園の拡散》か《東屋のエルフ》を1ターン目に出して、2ターン目に3マナ得られるようにする。そうしたら2ターン目、《石の雨》か《略奪》で土地を破壊するか、あるいは《血染めの月》で土地の能力を奪う。

 これによって相手のデッキを機能不全に陥らせ、こちらがクリーチャーかプレインズウォーカーで一方的にゲームエンドまで持っていく。モダンのデッキはコストが軽い呪文で構成されているものが多いが、それゆえにデッキ内の土地の枚数を切り詰めていることが多い。土地を1~2枚破壊してやればピクリとも動けなくなってしまった、なんてこともザラにある。

 《血染めの月》はウルザの土地がただの《》になり、怖くもなんともなくなる。「トロン」とともに《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》を用いるデッキに対しての解答にもなる点が優秀で、またこのカードが暴れるゲーム展開が多くなりそうだ。

 《血編み髪のエルフ》という強力なアドバンテージ源兼アタッカーを使えるのも、この色のデッキの強み。運次第ではあるが《石の雨》がめくれたら強烈!

 このデッキはプレインズウォーカーの枠に《大いなる創造者、カーン》を得たのも大きな収穫。

 これで《液鋼の塗膜》を引っ張ってきて、相手のアップキープに土地を1枚アーティファクトにしてやると……カーン自身の能力でアーティファクトになった土地がマナ能力を起動できなくなってしまう。完全に土地を破壊し尽くせなくても、その枚数を減らせばこの液鋼カーンでハメてしまえるというわけだ。土地を壊すのがうまく行っていなくても、相手のプレインズウォーカーをアップキープにアーティファクトにしてやれば起動されることはなくなる。

 そうやって足止めしている間に、本命の《マイコシンスの格子》を投下してやればGood Game。《タルモゴイフ》なんかのクリーチャーに殴られている状況だったら、アーティファクト化させて《略奪》で粉砕してやろう。

 デッキが勝てるか否かは、それが単に強いかどうかだけではない。そのデッキの戦略で打ち負かすことのできる相手がいるかどうかということも大切だ。土地とアーティファクトを破壊することが勝利への近道となると見極めた時には、このデッキのことを検討してやってほしいね。「グルール・ランドロス」とか呼ばれているが、まあ各々好きに呼んでかわいがってくれよな!

  • この記事をシェアする

RANKING

NEWEST

CATEGORY

BACK NUMBER