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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

マルドゥ・パイロマンサー(モダン)

岩SHOW

 『基本セット2020』には3つのレアリティで3種類のチャンドラが収録されている。チャンドラが成長する過程を描いており、他にも学生時代のテフェリーが《問題児》としてカード化されていたりと、時の流れを感じさせるカードはいくつかある。

 最近だと『モダンホライゾン』でそうした意図で作られたであろうカードが登場したね。《歴戦の紅蓮術士》だ。

 このカードはエレメンタル・トークンを生成する紅蓮術士という点で、6年前に現れて以降、赤の2マナクリーチャーのエースとして今なお活躍を続ける《若き紅蓮術士》と共通点がある。

 若造から歴戦の猛者へと成長した姿を描いているのだろう。アートも同じ方が担当しているので、この2枚は同一人物と考えても問題ないだろう。随分たくましくなったものである。

 インスタントやソーサリーを唱えるだけでトークンを生成して戦場を覆いつくす《若き紅蓮術士》は、モダンにおいて「マルドゥ・パイロマンサー」というデッキを成立させた。手札破壊、パーマネント除去にトークン展開という戦略で攻める赤白黒の3色デッキだ。

 このデッキに成長後の《歴戦の紅蓮術士》を混ぜると? 今日はWパイロマンサーデッキをご紹介だ!

milikin - 「マルドゥ・パイロマンサー」
Magic Online Modern Premier #11898935 6位 / モダン (2019年6月22日)[MO] [ARENA]
1 《
1 《平地
2 《
2 《聖なる鋳造所
2 《血の墓所
1 《神無き祭殿
4 《血染めのぬかるみ
4 《湿地の干潟
4 《黒割れの崖
-土地(21)-

4 《若き紅蓮術士
4 《歴戦の紅蓮術士
2 《スランの医師、ヨーグモス
-クリーチャー(10)-
4 《信仰無き物あさり
4 《稲妻
4 《コジレックの審問
3 《思考囲い
3 《発掘
3 《集団的蛮行
4 《未練ある魂
4 《強打のらせん
-呪文(29)-
2 《疫病を仕組むもの
2 《配分の領事、カンバール
1 《ケイヤの手管
2 《戦慄掘り
2 《血染めの月
1 《コラガンの命令
3 《貪欲な罠
2 《摩耗 // 損耗
-サイドボード(15)-
 

 メインデッキの29枚、半分がインスタントとソーサリーで構成されている。従来の「マルドゥ・パイロマンサー」同様に、1~2マナのこれらの呪文を使って、手札を捨てさせたりクリーチャーを破壊して相手のプランを崩しつつ、《若き紅蓮術士》が生成するトークンで盤面を作っていくというデッキだ。

 これまで採用され、手札補充と打点を兼ねていた《騒乱の歓楽者》は《歴戦の紅蓮術士》と入れ替わりに。これと《信仰無き物あさり》《集団的蛮行》を使ってカードを捨てる、それをフラッシュバックすることでもアドバンテージを得るという構成になっている。

 具体的に言うと、まず《未練ある魂》。

 これは以前もお馴染みの1枚で、《信仰無き物あさり》で捨ててからフラッシュバックでスピリットを2体、《若き紅蓮術士》がいるのでエレメンタルもオマケで1体、というマナ効率が非常に良い攻めには必須のソーサリーだ。《歴戦の紅蓮術士》との相性もバッチリで、よりトークンで戦場を埋めやすくなった。

 もう1枚のフラッシュバック持ちは、新カード《強打のらせん》。

 普通に唱えれば4マナと重いが、フラッシュバックだと2マナになって《稲妻のらせん》と同じスペックの優秀な火力呪文に! トークンを増やして殴ると言っても、それらは1/1と線が細いので、このような回復しつつクリーチャー除去 or ライフを削れるカードは殴り合いを制する上で大変ありがたい存在なのだ。

 捨てると言えば、これからはインスタント or ソーサリーでなくても捨ててしまって構わなくなる。《発掘》がモダンにやってきたことで、何のリスクもなく紅蓮術士達を墓地から戦場へと蘇らせることが可能になったのだ。

 最序盤に捨ててしまったり、あるいは戦場に出したところをサックリと即除去されてしまっても安心ってわけだ。特に《歴戦の紅蓮術士》は、手札が0枚の時であれば何も捨てなくても2枚ドローすることができるので、トップデッキした《発掘》で大逆転!なんてことが期待できるぞ。

 新カードの加入でよりプレイしやすくなり、カードを捨てるアクションも強化されて楽しいものになった「マルドゥ・パイロマンサー」。モダンの人気デッキとしてその地位を盤石なものにする予感だ。

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