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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

祝・公式フォーマット化! パウパーの最新エルフ(パウパー)

岩SHOW

 おめでとう! これまでMagic Online上のフォーマットだったPauperはこの度、公認大会が開催できる公式フォーマット「パウパー」として展開されていくことが発表されたぞ! 詳しくはこちらに。

 テーブルトップ(紙のカード)とデジタル、どちらかでコモンとしてカード化されているものが使用可能になるとのことで、そのカードプールは広大そのもの。コモンカード限定とはいえ、歴代最強クラスのコモンが束になればかーなーり強靭なデッキが構築できるというのがこのフォーマットの魅力だ。スタンダードで使用できる通常セット以外の特殊なセットが発売されることでもカードプールが拡がっていくので、毎年新しい戦略・デッキが誕生する楽しみもある。

 例えば『モダンホライゾン』の登場はこのフォーマットの定番デッキに新しい力をもたらした。そのリストを実際に見てもらおう!

Peter Yee - 「緑単エルフ」
Rags to Riches XXIV @ Mox Boarding House - Seattle 準優勝 / パウパー (2019年6月15日)[MO] [ARENA]
14 《

-土地(14)-

3 《ラノワールのエルフ
3 《Fyndhorn Elves
3 《エルフの神秘家
4 《イラクサの歩哨
3 《樺の知識のレインジャー
4 《クウィリーオン・レインジャー
4 《ティタニアの僧侶
3 《エルフの先兵
2 《幸運を祈る者
4 《森林守りのエルフ
3 《リス・アラナの狩りの達人

-クリーチャー(36)-
4 《紆余曲折
4 《暴走の先導
1 《蜘蛛糸の鎧
1 《ヴィリジアンの長弓

-呪文(10)-
3 《散弾の射手
2 《本質の管理人
1 《幸運を祈る者
2 《ウラモグの破壊者
1 《大祖始の遺産
2 《上機嫌の破壊
1 《活力の覆い
2 《蜘蛛糸の鎧
1 《ヴィリジアンの長弓

-サイドボード(15)-
mtgtop8.com より引用)

 36枚ものエルフで構成された「緑単エルフ」だ! エルフは単体では小さく、か弱いクリーチャーではあるが、数が揃えば巨獣もドラゴンも踏み越える強さを発揮するパワフルなクリーチャー・タイプだ。タイプを揃えたクリーチャーデッキを部族デッキと表現するのだが、緑の部族デッキと言えばまず浮かぶのがエルフ。モダンやレガシーでも大活躍なエルフデッキは、コモンだけで組んでもその「らしさ」を失わない。

 1マナのエルフはなんと20体! 《ラノワールのエルフ》とその同型《Fyndhorn Elves》《エルフの神秘家》でマナ加速して動くのが基本だ。

 《樺の知識のレインジャー》も、他のエルフと組み合わせることでマナを生成してくれる重要なエンジンだ。

 これと《イラクサの歩哨》を組み合わせると、イラクサとエルフをタップしてマナを得る→そのマナでエルフを唱える→イラクサがアンタップして、新しく出たエルフとこれをタップしてマナを得て……という超ブーストが可能となる。

 で、これらのタップしてマナを得るエルフをアンタップするのが《クウィリーオン・レインジャー》。

 アンタップするためのコストは森を手札に戻すというもので、この森を出しなおしてマナを得るという動きも強力。これらのマナ加速要素のおかげで、このデッキはたった14枚の《》でマナ基盤が成り立っているのだ。

 土地を削ることをさらに後押ししたのが、件の『モダンホライゾン』の新カード、《紆余曲折》だ。

 《》が破壊されるなどの事態に陥った場合、このカードで土地を指定して探しにいくということができたりする。保険があるのは嬉しいね。まあ基本的にはクリーチャーを指定することになる。4枚めくって4枚ともクリーチャーということもザラにあるだろう、2マナ4枚ドローなんて、説明するまでもない効率抜群なアドバンテージだ。《暴走の先導》と併せることで、マナ加速からガンガンエルフを展開しても即座に手札を補充して、資源が枯れることのない攻めが可能だ。

 エルフが大量に戦場に出ることで《エルフの先兵》がサイズアップ、《森林守りのエルフ》で任意のエルフを大幅強化、《リス・アラナの狩りの達人》からトークン大量展開し数で圧殺、というのがこのデッキの勝ち手段だ。

 あとは《幸運を祈る者》を《クウィリーオン・レインジャー》でアンタップして能力を複数回起動して、ライフを削り切れないほどに回復させて相手の心を折る、という勝ち方もある。

 《ヴィリジアンの長弓》を《イラクサの歩哨》に装備させて何度も起動したり、大量のマナを得てから装備→起動のパス回しをしたりして盤面とライフを攻めるという手段もある。

 いずれにせよマナとエルフの数が求められるので、上述のマナ生成と手札補充の2つのファクターを上手く噛み合わせて全力展開していこう。

 メイン・サイドともに採用されている《蜘蛛糸の鎧》も気になるところだろう。

 クリーチャーたちに到達を与えつつ、タフネスを1上昇させるエンチャントだ。このタフネスが上がるのがポイントで、《電謀》などのタフネス1クリーチャーをまとめて対処するカード群に対抗する術という役目が大きい。個人的には中学生の時『メルカディアン・マスクス』の構築済みデッキにパックから出たこのカードを足して、友達の青い飛行クリーチャーデッキに立ち向かった思い出などがあるので、《蜘蛛糸の鎧》がいまだに現役というだけで嬉しくなってくる。

 あなたの思い出のカードも活躍している可能性もあるので、公式フォーマット化した今こそ、パウパーのデッキについて調べてみるのも良いかもしれないね!

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