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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
ダブリエルの手札破壊デッキ(スタンダード)
マジックを始めたばかりの初心者にとって、大会に出るということはとてもハードルが高いことだと思う。ただ、大会に出てさまざまな人と対戦を行い、顔なじみになり、仲良くなって大会後には皆で晩飯行こう!というノリは本当に楽しいことだ。
毎週金曜日にマジック取扱店で開催されているフライデー・ナイト・マジックであれば、何か大きなものがかかった大会でもないので空気もまったりしていることだろう。既存のプレイヤーたちもフライデーにやってくる新規プレイヤーを待っているはずだ。迎え入れる側のプレイヤーには初心者に優しく接してあげてほしいね、もちろんゲームは真剣にぶつかり合って勝負の楽しさを分かち合おう。
フライデーに出るとなればデッキが必要だ。始めたばかりのころはカードをまだ集められていないことだろう、MTGアリーナではカードがあるけど現物はまだほとんど持っていないなんてこともあるだろう。レア・神話レアを多数必要とするデッキを組むのはなかなかに大変ではあるしね。
そんな初心者に向けたデッキを紹介したいなと、ネットの海を漁っていたら……ブラジルのショップ大会で上位に入賞していたデッキを見つけた。大会の規模は不明だが、おそらくはそれほど大規模なものではないだろう。規模はどうであれ大会で勝っているということは、フライデーでゲームを楽しむことは十分にできそうだ。
そのデッキは、単色だ。基本土地のみでマナ基盤を賄えるので、レアの2色出る土地が揃っていなくても組める。これはカードが集まっていない時には嬉しい! そして何より……アンコモンとコモンのみで組まれたデッキなのである!
20 《沼》
-土地(20)- 4 《破滅犬》 4 《泥棒ネズミ》 1 《オルゾフの処罰者》 3 《不吉な死霊》 3 《貪欲なチュパカブラ》 4 《刃の曲芸人》 2 《虚ろな者、アゴロス》 -クリーチャー(21)- |
2 《強迫》 4 《喪心》 3 《無情な略奪》 2 《ドリルビット》 3 《略奪者の痕跡》 3 《はぐれ影魔道士、ダブリエル》 1 《混沌の船長、アングラス》 1 《憎悪に歪む者、オブ・ニクシリス》 -呪文(19)- |
1 《金剛牝馬》 2 《疫病牝馬》 2 《アーボーグの暴食、ヤーグル》 4 《裏切りの対価》 2 《抜去》 2 《君主の一噛み》 2 《死者の災厄、ケイヤ》 -サイドボード(15)- |
黒単のレアなしデッキだ! おそらく意図的にレアを抜いて組んでいる、一種の企画に沿ったデッキなのだろうが、こういうデッキをネット上で見るとなんだか嬉しいね。アンコモン以下であれば集めやすいだろうし、ベテランプレイヤーは余っているものを初心者にプレゼントして組んであげることもできる。もちろん、このリストをベースに自分の持っているレアを入れていって、どんどんとデッキを強化して自分のデッキとして仕上げてやるというのも楽しいだろうね。
このデッキの戦略は……手札破壊だ。相手に手札を捨てさせるためのカードがクリーチャー・ソーサリー・エンチャント・プレインズウォーカーと多数入っている。ガシガシ手札を捨てさせて、相手にやりたいことをさせないのが主目的。
でも、それだけでは足は引っ張れてもゲームに勝つことはできない。なので手札破壊がそのままライフを攻めることに直結するカードも多数採用している。
《不吉な死霊》と《略奪者の痕跡》は相手が手札を捨てるとライフを2点失わせる。どちらもそれ自体が手札を捨てさせる役目も担っているのが無駄がなくて良いね。
痕跡の方は能力を誘発させるために速攻持ちの《破滅犬》を採用している。
この1マナクリーチャーは絢爛を達成させて《刃の曲芸人》を3マナで唱えることも後押しする。絆魂を活かしてチビチビと回復するのも楽しい。1/1と小さいので道を阻むクリーチャーは《喪心》と《貪欲なチュパカブラ》でこじ開けていくことになる。《混沌の船長、アングラス》と《憎悪に歪む者、オブ・ニクシリス》もその助けとなることだろう。
ニクシリスはカードを2枚引かれてしまうが、引いたことでダメージを与えられるし、引かれたカードをすぐさま捨てさせれば何も問題はない。むしろ手札が空の相手に対しても《不吉な死霊》と《略奪者の痕跡》をダメージ源として機能させられる、メリット能力として捉えることさえできてしまう。デッキの組み方次第で、カードの弱点は補えるということを学ぶにはちょうど良いサンプルかもね。
アンコモンのプレインズウォーカー2名を紹介したところで、このデッキの主役に出てきてもらおう。彼がアンコモンだからこそ組めたデッキである。《はぐれ影魔道士、ダブリエル》だ!
3マナと軽く、最大で相手の手札を3枚捨てさせることができるポテンシャルの持ち主。そして彼は対戦相手が手札1枚以下の状態でターンを迎えた場合に2点のダメージを与えるというダメージ源でもある。《破滅犬》《泥棒ネズミ》とパワーが低いクリーチャーが多い構築ではあるが、ダブリエル含む手札破壊をダメージ源に変換するカードのおかげで、しっかりと着実に攻めていくことが可能だ。なかなか面白そうだなって感じがしてきたでしょ?
これをベースに手持ちのレアを採用していっても良いし、同時並行でお目当てのデッキを組んでいる間に遊ぶ用のデッキとして使っても良い。とにかく集めやすいカードで構成されているのが魅力だね。青黒にして《思考消去》と《虚報活動》を採用する、さらに《破滅の龍、ニコル・ボーラス》も……なんて具合に進化させていくのはカードを集め始めたばかりのプレイヤーが味わえる特権だ。楽しんでほしいね!
このデッキをグレードアップさせていくのであれば、《伝承の収集者、タミヨウ》対策だけは考えた方が良いだろう。彼女が立っているだけで手札破壊は意味をなさなくなってしまうからだ。《古呪》はプレインズウォーカーをまとめて吹き飛ばせるだけでなく、ダブリエルたちのような自力で忠誠度を回復できないプレインズウォーカーの能力をまだまだ使えるようにしてくれるという点でも相性が良いので、持っていたらデッキに採用してみよう!
それじゃあ、今夜はフライデーに出発だ! 良き週末にならんことを。
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