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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
週末はアロサウルスに乗って(モダン)
某国民的な漫画ではタイムマシンを用いて過去に行くエピソードが多数ある。その中でも、古代も古代、恐竜時代に行くエピソードには胸が躍ったものである。巨大な恐竜を少年少女が手なずけ、跨って乗りこなす姿に憧れを抱いたのは僕だけじゃないはず。それ以来、恐竜に騎乗するシーンが大好きなまま大人になってしまった。
マジックでも『イクサラン』にて恐竜がフィーチャーされた時は嬉しかったもんだよ。古くは『コールドスナップ』のプレリリースで配布された《アロサウルス乗り》にもワクワクしたものである。
イラストがカッコイイ! がっつりと肉食恐竜が描かれ「アロサウルス」とカード名にも入っているが、そのタイプはエルフ・戦士のみというツッコミどころを携えているのもGood!(《カマキリの乗り手》と同じ理論だね)。素で唱えると7マナと重いのだが、手札から緑のカードを2枚追放することで0マナで唱えられる。
まあ、そこまでやったところでトランプルなど何もキーワード能力を持っていない、土地の枚数+1のパワー/タフネスを持つエルフが得られるだけで「強い」とは言えないカードだった。これを4枚使ったコンボデッキを色々と考えたが、形にならずに諦めた思い出がある。
そんな恐竜に乗っているイラストだけが印象に残るカードだった《アロサウルス乗り》が、今モダンで旋風を巻き起こしているってんだから、マジックというゲームは本当に未来が読めないゲームである。
このカードは『灯争大戦』で最高の相方を手に入れるに至った。《新生化》である!
このソーサリーはクリーチャーを生け贄にしてマナ域が1つ上のクリーチャーに進化させる、クリーチャーコンボ向けのサーチカードである。これまでにも似たようなカードはあったが、2マナという軽さが使いやすく革新的。このカードであれば、1ターン目に土地+《絡み森の大長》などで{G}{U}の2マナを揃えて、《アロサウルス乗り》を代替コストで唱えてから生け贄に捧げて《グリセルブランド》へと進化させてしまうことができるッッ! 1ターン目にグリセル、それは全コンボ好きがなんとか決めてやろうと日々狙っている極上のマジック体験なのである!
新たにモダンに舞い降りたアロサウルス・コンボをご紹介!
1 《島》 2 《繁殖池》 4 《植物の聖域》 4 《ヤヴィマヤの沿岸》 4 《宝石鉱山》 -土地(15)- 1 《野生の朗詠者》 4 《猿人の指導霊》 1 《研究室の偏執狂》 2 《土着のワーム》 4 《アロサウルス乗り》 4 《絡み森の大長》 2 《グリセルブランド》 -クリーチャー(18)- |
4 《召喚士の契約》 1 《有毒の蘇生》 4 《血清の幻視》 1 《手練》 4 《新生化》 2 《造反者の解放》 2 《魔力変》 4 《異界の進化》 4 《滋養の群れ》 1 《稲妻の嵐》 -呪文(27)- |
3 《否定の契約》 2 《自然の要求》 2 《呪文貫き》 1 《残響する真実》 3 《神聖の力線》 1 《仕組まれた爆薬》 3 《虚空の杯》 -サイドボード(15)- |
このデッキが誕生したのは《新生化》の登場と同時に、ミシックチャンピオンシップ・ロンドンに向けてプレイヤーが練習できるように、Magic Onlineにて「ロンドン・マリガン」と呼ばれる、現在施行されているルールとは異なる方式のマリガンが導入されているというのも大きかった(「ロンドン・マリガン」について詳しくはコチラ)。
ゲーム開始時の手札に《アロサウルス乗り》or《召喚士の契約》、《新生化》or《異界の進化》、2~3マナ出せる土地+《絡み森の大長》《猿人の指導霊》などの組み合わせ……これらが可能な限り欲しいという欲張りなこのデッキにおいて、よりパーツが残りやすい「ロンドン・マリガン」は大変に噛み合っているのである。
改めてその動きをまとめると……
- 土地+大長 or 指導霊で2マナ得る
- 指導霊の場合は{R}を《野生の朗詠者》か《魔力変》を経由して{G}{U}の2マナを揃える
- 大長などの緑のカードを2枚追放して《アロサウルス乗り》を唱える
- アロサウルスを生け贄に捧げて《新生化》を唱える。《グリセルブランド》降臨
- グリセルの能力で7点支払い7枚ドロー×2。こうして得た手札から《滋養の群れ》を《土着のワーム》などをコストに唱える。ワームをコストにした場合15点回復!
- 得たライフでさらにドロー。《滋養の群れ》をおかわりし、さらにドロー
- 《猿人の指導霊》を3枚使って3マナを得て、以下のどちらかで勝つ
- 《稲妻の嵐》を唱えて、それが解決される前・スタック上にある状態で土地カードを捨てまくり、大量の蓄積カウンターを乗せて一撃で20点以上のダメージを与えられるように育ててワンショット!
- 《野生の朗詠者》や《魔力変》で{U}を得て《研究室の偏執狂》を戦場に出し、グリセルの能力でライブラリーを引き切って条件を満たしてWIN!
なかなかにド派手でなコンボでしょ? ロンドン・マリガンも手伝って、1ターンキルを決めるのも決して不可能じゃなかったりする。ストリームなどを観ていると結構2ターン目に決まっていることが多く、ルールと新カードにより生まれた申し子のようなデッキになっている。ロンドン・マリガンから通常のマリガンに戻ってもまだそこそこ勝てるようなら、モダンのニューフェイスとして定着するかもしれないね!
真面目に土地を並べて呪文を唱える気が微塵もない、というのをここまで突き詰めると清々しい。しかしまあ……アロサウルスが初手にあって嬉しい、そんな時代が来るとはねぇ!
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