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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

門スペシャル(スタンダード)

岩SHOW

 『ラヴニカのギルド』で登場した《ギルド会談》は、各ギルドのメンバーが一堂に会している貴重なシーンを描いているという点でも、またカードとしても門という土地タイプを参照するためデッキ構築を考えさせてくれるという点でも、とても面白い1枚だ。

 ただ、昨秋の時点では門をフィーチャーしたデッキを作るにはカードが足りなかった。会談が機能しだして毎ターンザクザクドローしていくのは気持ちが良かったが、他の部分がパッとしないというか……僕も妙にのめり込んでしまった時期があったが、まあ安定して勝てるデッキを作るのは困難なことだった。

 あれから時を経て、季節も冬へと移り変わり。新セットの発売とともに、門デッキを組みたいという思いを叶えてくれるカードが多数やってきた。

 ありがてぇ!早速使わせてもらうぜ、と言わんばかりのデッキが、700名近い参加者を集めた競技イベントにて20位につけるという快挙を成し遂げている。『ラヴニカの献身』の登場によりフルパワーとなった門スペシャル、その姿を見てくれ!

Mason Clark - 「門スペシャル」
StarCityGames.com Standard Open Indianapolis 20位 / スタンダード (2019年1月26~27日)[MO] [ARENA]
4 《
1 《
1 《
1 《繁殖池
4 《グルールのギルド門
4 《シミックのギルド門
1 《セレズニアのギルド門
4 《イゼットのギルド門
3 《アゾリウスのギルド門
4 《調和の公有地

-土地(27)-

2 《門破りの雄羊
2 《アーチ道の天使
3 《門の巨像
4 《ハイドロイド混成体

-クリーチャー(11)-
4 《成長のらせん
2 《溶岩コイル
4 《燃え立つ門
4 《ギルド会談
4 《迂回路
2 《集団強制
2 《発展 // 発破

-呪文(22)-
2 《門破りの雄羊
2 《アーチ道の天使
1 《殺戮の暴君
1 《門の巨像
3 《否認
2 《燃えがら蔦
2 《押し潰す梢
1 《絶滅の星
1 《苦悩火

-サイドボード(15)-
StarCityGames.com より引用)

 《門破りの雄羊》と《門の巨像》の参入により、門を並べることが勝利へと繋がるようになった。

 前まではカードが引けて嬉しい、だけだったのが、引いたカードで勝てるようになる! これでデッキとして2段階ほど上昇、実戦の場で活躍するレベルに到達した、そんな印象を受ける。それでいてなおかつ、門というテーマでギミック大好きプレイヤーの欲求も満たしてくれる……嬉しいじゃないか。こういうデッキを待っていたんだ。

 デッキの動きは、序盤は門を置いていくことに注力する。ここで活躍するのが《成長のらせん》。

 門はどんな状況であれ、絶対にタップ状態で戦場に出る。すなわち、常に対戦相手より1マナ少ない中でしか動けないのだが……このカードで1ターンに2枚土地を置くことで、その痛い点を和らげようというわけだ。これで前よりも《迂回路》をスムーズに唱えることもでき、相手より少ないどころか多いマナで圧倒する、というデッキがやりたい動きがかなり現実的なものになった。

 また、土地は置けども使えるマナが少ない中、相手からの猛攻に耐えるのが厳しいという点もあったが、そこを《燃え立つ門》が解決してくれるのが実に頼もしい。

 3マナで全体に3点以上飛ばせる可能性があり、扱いやすい全体除去が手に入ってデッキのガチ度が格段に増した。前までは《轟音のクラリオン》だったから、序盤に白マナが必須だったのが辛かったのだ。土地を伸ばし、盤面を流して、巨大クリーチャーに繋げる。《門破りの雄羊》は《燃え立つ門》では絶対に死なない、という点も頼もしく、巻き込みを恐れずに先出しして相手の展開を誘ってドン!という美味しい動きができるようになった。

 雄羊がパワー10を超え、巨像がパワー2以下を無視して殴る。圧倒的な暴力性を、《ギルド会談》が支える……しっかり回った時のこのデッキの無敵感ときたら他にはないね。

 ただ、やっぱりタップインのせいで1ターン間に合わず負け、というゲームがないわけじゃない。《アーチ道の天使》での大回復が間に合わない、そんな時のための《調和の公有地》だが、これで回復してもダメなこともある。

 なので、ゲーム開始時のマリガン判断が見た目よりも難しいデッキなんだなというのが少しプレイしてみた上での僕の感想だ。《燃え立つ門》という偉大なる3マナ呪文は積極的にキープしたい、もちろん《成長のらせん》も。後のカードは生き延びれば《ギルド会談》で引いてこれるから……そう思うことがこのデッキには大事なようだ。大雑把に見えて奥が深いなぁ、門の道。

 今回の4色タイプ以外にも、黒を採用してみるアプローチなどもありかもしれない。夢を実現させるための基盤づくりには妥協せずに、しっかりと構築して各々のマジックに対する欲を満たしてくれると嬉しいな。

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