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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
エルドラズニア(モダン)
もう『ラヴニカの献身』シーズンが始まろうとしている。早いって!ついこの間『ラヴニカのギルド』が出たばっかりじゃないか? 昨年秋から時間が経って、すっかり冬になってしまったね。
『ラヴニカのギルド』の背景世界では季節は秋、発売も秋真っ盛りということでリンクしていたのは記憶に新しい。《秋の騎士》なんてカードも収録されていたくらいだ。
この騎士、いろいろできて実に良いカードだ。ライフ回復・エンチャント or アーティファクト破壊は効くデッキには劇的に刺さり、そうでない相手には3マナ4/3で打点のあるクリーチャーとして運用できる。このカード、何度も使ってみたくないかな? 例えばダメージ呪文でガンガンライフを削ってくる「バーン」相手に何度も4点回復……アーティファクトやエンチャントを多数並べる「親和」や「鱗親和」相手にそれらをバキバキ破壊……毎ターンこれらのアクションが取れれば、それはもうゲームに勝ったも同然だ。
今日はこの《秋の騎士》の神髄を満喫できるデッキを紹介しよう!
2 《平地》 1 《森》 2 《寺院の庭》 4 《吹きさらしの荒野》 4 《低木林地》 4 《地平線の梢》 1 《剃刀境の茂み》 4 《エルドラージの寺院》 3 《宝石の洞窟》 -土地(25)- 4 《漁る軟泥》 4 《スレイベンの守護者、サリア》 4 《猿人の指導霊》 4 《変位エルドラージ》 3 《秋の騎士》 1 《不屈の追跡者》 4 《難題の予見者》 4 《現実を砕くもの》 -クリーチャー(28)- |
3 《四肢切断》 4 《虚空の杯》 -呪文(7)- |
2 《ガドック・ティーグ》 1 《不屈の追跡者》 2 《激変の機械巨人》 3 《石のような静寂》 2 《減衰球》 2 《石の宣告》 2 《安らかなる眠り》 1 《避難所の印》 -サイドボード(15)- |
《秋の騎士》のベストパートナー、それはカラフルな次元ラヴニカとは対極の無色のクリーチャー、エルドラージ! クリーチャーを戦場と追放領域に出し入れする《変位エルドラージ》を使えば、毎ターン《秋の騎士》の能力を誘発させることができるッッ!
モダンにおいてこの《変位エルドラージ》を用いるデッキと言えば「白黒エルドラージ」。このデッキはその黒の部分を緑と入れ替え、この秋のエルドラージコンボをはじめとする白緑・セレズニア式のやり方で盤面を作りあげて勝ちを目指すデッキだ。
実際のところ、エルドラージと緑と白の組み合わせというのはここ2年ほどの期間で何度も見ることがあった。このリストは過去に出たものとは大きく異なる点がある。マナクリーチャーの不採用だ。《貴族の教主》や《極楽鳥》を1ターン目に出し、《エルドラージの寺院》と絡めて早いターンに《難題の予見者》らエルドラージを展開するのがオーソドックスな緑系エルドラージなのだが、その戦法を捨て去っているのだ。
なぜそのようなスタイルを取っているのだろうか? その解答は《虚空の杯》。
これで1マナの呪文を完封して、こちらは確実に盤面を作り上げていこうと、そういうデッキなのだ。マナクリーチャーを放棄してやや落ちた速度は《猿人の指導霊》でカバーする。これでむしろ1ターン目に《虚空の杯》X=1のロケットスタートも可能となった。
エルドラージ周り以外にはこの手のデッキに定番の《スレイベンの守護者、サリア》がガッチリ4枚採用され、相手の非クリーチャー呪文を唱えることを妨害する。
他に2マナ圏に肩を並べているのが、こちらもフル投入された《漁る軟泥》。言わずと知れた墓地対策能力を持った名クリーチャーだ。
確かなカードパワーを持っているのだが、でもこれをメインから4枚?と思われるかもしれない。杯、サリア、ウーズ……これらはあるデッキへのアンサーである。それは、年明け一発目に紹介した「ホロウ・フェニックス」!!
1マナのインスタント&ソーサリーを連打し、墓地を経由して《弧光のフェニックス》を展開するデッキだが……この戦略に、上述のカードたちがアンチカードとして有効なのはお判りいただけただろう。これら妨害手段で足止めして、《現実を砕くもの》などのエルドラージで殴りきるか《秋の騎士》のライフ回復で逃げ切るか……という、時代が生んだデッキと言えよう(もちろん、モダンの他のデッキに対しても有効なアプローチだろう)。
モダンの流れに沿っているといえば、サイドボードの《激変の機械巨人》もそうだ。
「5色人間」のようなクリーチャーを大量に並べるデッキには、コイツの持つお互いのクリーチャーを1体だけにする能力が効くのだ。相手の《スレイベンの守護者、サリア》によりプレイを遅らせられることもなく、《帆凧の掠め取り》により手札から抜かれることもない。これも《変位エルドラージ》と相性抜群!(能力で残すクリーチャーを変位、アーティファクトを機械巨人に指定すると並べられるぞ)、能力を毎ターン使われるようになったらもう人間デッキはGood Gameと言うしかないだろう。
強いカードが現れて生まれるデッキもあれば、それらに対応した結果誕生するデッキもある。モダンにはますます、いろいろなデッキが現れてくるだろうね!
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