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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
スゥルタイ諜報(スタンダード)
プロツアーを経て、日本国内グランプリも終わった。年内残すところはThe Finals 2018のみ! 『ラヴニカの献身』ムードに切り替わる前の、スタンダードの総決算と言えるイベントになることだろう。
いやぁ~10月からはひたすらに楽しいスタンダード環境が続いたもんだなぁ。ちゃんと『ラヴニカのギルド』が打ち出した2色の組み合わせ×5、すべてのギルドにデッキがあるのが特に嬉しかったね。
ん? ディミーア(青黒)は他のギルドに比べて活躍しているデッキがないって? 確かに、2色のみというくくりで見ればそうかもしれない。だが、ディミーアのメカニズム「諜報」を利用した3色以上のデッキというのが最近ジワリジワリと勢力を強めてきている。特にMTGアリーナをプレイしていると毎日のように赤を足したグリクシスとマッチングするものである。《破滅の龍、ニコル・ボーラス》が使えるからだろうか。手札を攻めるというのもディミーアの戦略に噛み合っている。
個人的には赤ではなく、緑を足したスゥルタイ型のデッキが大変に好みである。青黒という色は古来より、戦場に出てしまったアーティファクトやエンチャントには干渉する術が少なく、苦労したものだった。ここに緑が加わるとこれらのパーマネントに泣かされる事態を回避できる。同時に、黒緑が誇るパワフルなカードをフィニッシャーに用いることができるようになって、デッキパワーが大幅上昇だ。
僕が12月中旬現在、最も気に入っているデッキの全貌を見ていただこう!
4 《島》 2 《沼》 4 《湿った墓》 4 《水没した地下墓地》 4 《内陸の湾港》 4 《草むした墓》 3 《森林の墓地》 -土地(25)- -クリーチャー(0)- |
4 《思考消去》 2 《暗殺者の戦利品》 2 《渇望の時》 2 《アズカンタの探索》 4 《虚報活動》 3 《悪意ある妨害》 2 《黄金の死》 3 《ヴラスカの侮辱》 1 《煤の儀式》 3 《最古再誕》 4 《発見 // 発散》 2 《中略》 3 《秘宝探究者、ヴラスカ》 -呪文(35)- |
3 《血の刺客》 3 《正気泥棒》 2 《強迫》 2 《渇望の時》 2 《否認》 1 《軽蔑的な一撃》 1 《黄金の死》 1 《煤の儀式》 -サイドボード(15)- |
このデッキの心臓部は《虚報活動》だ。
こちらはカードを引き、相手は手札を捨てる。これだけでも相手とのアドバンテージの差がつくのだが、ディミーアが誇る諜報能力を解決するともれなくこのエンチャントは手札に帰ってきて、再利用できる。ドロー&ディスカード、おかわり! これで相手の手札を空っぽにし、こちらは潤沢な手札を抱える…マジックにおける理想を現実のものとすることができる、じっくり戦うコントロールデッキ、それが「スゥルタイ諜報」だ!
このデッキは思い切ってクリーチャーが0枚という構成だ。相手の手札と盤面をすっかりズタズタにしてしまってから勝ちに行くので、中途半端にクリーチャーを出すということがプラスに働かないからだ。
無駄なスペースをとっていない分、妨害手段は手札破壊に打ち消しパーマネント除去にと何でもござれ! このデッキで特に活躍するのはやはり《思考消去》。
相手の手札からイヤなカードをスパッと抜きつつ、諜報でドローの質を高めてくれる。2ターン目に唱えて相手のプランを崩すのも強いが、《虚報活動》と一緒に手札にある場合、これを手札に戻すために後に回した方が強いこともある。相手の土地からデッキを予測しつつ、今仕掛けるべきか取っておくべきか、きちんと考えると同じカードでもより強力に用いることができるだろう。
このデッキのフィニッシャーは《秘宝探究者、ヴラスカ》と《最古再誕》だ。どちらも今さらどうこう言うまでもない、周知のスーパーパワーカードではあるが、ちょっとだけしゃべらせてもらうと……
ヴラスカはとにかくゲームエンドに持っていく速度が速い! 忠誠度を攻められることがなければ、[+2]能力を2回使った後の3ターン目に[-10]の奥義で相手のライフを1にして、海賊・トークンで殴ってポンッ。ゲームがいたずらに長引かないように終わらせてくれる安心感と、またはその逆にブロッカーの供給とパーマネント破壊能力でしぶとく生き延びさせてくれる最後の砦としての顔を持ち合わせている。3枚も採用されているのには理由があるのだ。
《最古再誕》は1枚で相手のカードを2枚奪い、こちらに強いクリーチャーかプレインズウォーカーを提供してくれるホクホクになれるカード。ゴルガリ相手にはこれだけで勝ってしまえるし、コントロールデッキ相手にプレインズウォーカーへの解答となったり、《潜水》で《弾けるドレイク》や《パルン、ニヴ=ミゼット》を護ろうとしている相手にアッと言わせることだってできる。3枚も採用されているのには理由があるのだ。
クリーチャーデッキ相手には《黄金の死》《煤の儀式》で攻め、コントロール相手には手札破壊が輝く。とにかく万能で、使っていて飽きのこないデッキだ。
この手のコントロールを使っている時に怖いのが《殺戮の暴君》なのだが、このデッキでは案外サクッと対処できる。手札破壊があるし、いざ戦場に出ても《発見 // 発散》の《発散》で手札に戻した上で捨てさせることができちゃうのだ。《最古再誕》のⅢ章能力を控えた状態で相手のエンドに《発散》を撃ち込んだ時には、12月の寒い部屋の中がまるで南国かと勘違いするほどにホットになれたものである。皆も気持ちよくなっていただきたい。
暖房いらずのすごいデッキだ、というセリフで締めたいと思う(わけわからん)。
「The Finals 2018」 実況生放送
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