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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
黒単ゾンビ(モダン)
マジック用語の1つに「ロード」がある。今でこそ俗称であるが、これはかつてクリーチャータイプの1つであり、しっかりとカードにもそのように印刷されていた。
マジック最初のセットには白と緑以外の3色にこのロードがいて、それぞれに各色の小型クリーチャーを担当する種族を強化する能力を持っていた。《ゴブリンの王》はすべてのゴブリンを強化するが、自身はロードなのでその恩恵は受けない……そんな具合に、自分の能力で自分が強くなってしまわないようにこれらのクリーチャーはロードだったのだが、どこからどう見てもゴブリンなのにゴブリンでないというのも変な話。2体並んでもお互いに強化しあわないのも変だ。
そんなわけで、自身を除くそのタイプのクリーチャーを強化するという能力に置き換えられ、ロードのタイプを持つクリーチャーはいなくなった。それでも特定のクリーチャータイプを+1/+1するクリーチャーをロードと呼ぶ風習は残っている、というわけだ。
初代ロードの中で、黒の《ゾンビ使い》が唯一、このロードの象徴とも言える+1/+1能力を所持していないことで有名だ。その反動なのか、きちんと強化能力を持ったゾンビのロードは後にさまざまなバリエーションが作られている。モダンにおいては、これらのロードをじゃんじゃん採用したデッキを作ることが可能だ。
今日は増えれば増えるほど強くなっていく、ゾンビ軍団で戦場を覆いつくすデッキを紹介しよう!
18 《沼》 2 《魂の洞窟》 -土地(20)- 4 《墓所破り》 4 《墓所這い》 3 《戦慄の放浪者》 4 《無情な死者》 3 《墓地の司令官》 4 《死の男爵》 4 《呪われた者の王》 2 《墓地を刈り取るもの》 2 《戦墓の巨人》 2 《アンデッドの王》 1 《ゲラルフの伝書使》 -クリーチャー(33)- |
4 《致命的な一押し》 1 《悲劇的な過ち》 2 《最後の望み、リリアナ》 -呪文(7)- |
1 《戦慄の放浪者》 2 《外科的摘出》 3 《思考囲い》 2 《強迫》 1 《冥府の報い》 2 《漸増爆弾》 1 《減衰球》 1 《英雄の破滅》 2 《衰滅》 -サイドボード(15)- |
ロードが4種12体!これだけいれば1枚くらいは引くだろうという安心感がある。このロードで強化したゾンビでぶん殴る! 否、噛みつくという方が正しいか。とにかく対戦相手のライフを速やかに0にして、こっちの住人にしてやることがこのデッキを扱うリアルゾンビ使いの目的だ。引き起こせパンデミック! これだけロードがいればどんな小粒なゾンビでも脅威になりうるってことで、総勢33体のゾンビが揃い踏みだ。
小粒と言っても、そこはゾンビ。他の種族にはない「しぶとさ」がこの死人たちの強みだ。《墓所這い》《戦慄の放浪者》《無情な死者》《ゲラルフの伝書使》と、簡単には死なずに(もう死んでいるか)何度も這い上がってくる攻撃担当クリーチャーがズラリ。
さらに《墓所破り》《墓地の司令官》《墓地を刈り取るもの》《戦墓の巨人》とゾンビ・トークンを生成する厄介なヤツらも目白押しだ。
序盤における最高の展開は《墓所破り》で《墓所這い》を捨て、これを墓地から唱える動き。カード1枚からゾンビが2体作り出されるのだ。このアブナイことをしている感じも楽しい。飢えたる死者の群れの猛攻を完全に受け止めることはそうたやすいことじゃないぞ。
ロードも4種類もいればそれぞれがまたイイ能力を持っている。墓地対策にもなる《墓地を刈り取るもの》は流行りの「ドレッジ」に対してメインからキラーカードとして機能するかも?
《アンデッドの王》はゾンビらしくなく手札にとはいえ、墓地からクリーチャーを拾って再展開できるのは対コントロールや長期戦において嬉しい。
《呪われた者の王》《死の男爵》はそれぞれベクトルは異なるが、ゾンビたちをブロックさせにくくする能力が強力。攻めの際には《呪われた者の王》能力起動で終了という場面も多いだろうし、男爵は守りにおいてもゾンビの鉄壁を構築可能だ。
ゾンビものの映画やゲームが好きな人にも、楽しみながら使ってほしいデッキだ。ゾンビはあらゆるセットに収録されているので、今後もますます強くなっていくことだろう。尽きることのない大群を、敵陣へと殺到させろ!
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