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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
Goodbye My Deck! コンボデッキ編(スタンダード)
今回は『ラヴニカのギルド』参入に伴うローテーションにより、「完全に」環境から姿を消してしまうデッキを紹介しよう。それはローテーションによりデッキの中核を失うコンボデッキたちだ。似たようなカードがあれば同じような構成のデッキが組めなくもないが、残念ながらオンリーワンなカードに依存しているため……これらのデッキは今月末で使い納めだ。
スタンダードにさまざまな戦略をもたらしてくれたこれらのデッキを、今一度振り返ろう。
青白王神
7 《島》 7 《平地》 4 《灌漑農地》 4 《氷河の城砦》 2 《イプヌの細流》 -土地(24)- 4 《査問長官》 4 《機知の勇者》 3 《陽光鞭の勇者》 4 《発明の天使》 1 《黎明をもたらす者ライラ》 -クリーチャー(16)- |
4 《航路の作成》 3 《巧みな軍略》 1 《不可解な終焉》 2 《飛行機械による拘束》 4 《復元》 2 《燻蒸》 4 《王神の贈り物》 -呪文(20)- |
1 《象形の守り手》 3 《領事の権限》 3 《否認》 2 《不可解な終焉》 2 《ジェイスの敗北》 1 《魔術遠眼鏡》 1 《燻蒸》 2 《狡猾な漂流者、ジェイス》 -サイドボード(15)- |
対アグロデッキなら、絆魂と速攻を持ったデカいクリーチャーで回復しながらさっさと詰めれば勝てるよね! 警戒もあればなおよし! という発想で対策した、コントロール要素の強いコンボデッキ……あるいはコンボ要素を持ったコントロールデッキと言おうか。「王神」「ギフト」「GPG」などの愛称で親しまれた名デッキも、約1年間の活躍を終えてスタンダードを去る。
《王神の贈り物》で《発明の天使》を4/4のゾンビとして蘇生させると、製造能力で6/6飛行・警戒・絆魂と速攻を併せ持った超生物が誕生する。これで殴ってライフを回復しつつ相手を追い詰める、状況によっては製造で霊気装置・トークンを作って盤面を固める、という動きでゲームに勝つ……いわゆるリアニメイト系デッキの最新モデルだ。
特にトーナメントで結果を残したのは、このリストのようなスピード重視の青白型。青いカードで墓地に《王神の贈り物》を落とし込んで《復元》で釣り上げる、最速4ターン目にコンボ成立というその速さで、赤いデッキたちのスピードに応えてきた。
《燻蒸》などの除去呪文をメインから備え、盤面を流しながら一方的に再構築していけるのがこのデッキの強みである。
他にも《来世への門》を用いて《王神の贈り物》を戦場へ出すタイプもあり、青黒で《人質取り》《貪欲なチュパカブラ》を使いまわし、もう1つのフィニッシャーとして《スカラベの神》を用いるタイプのものも人気が高かった。また、《戦闘の祝賀者》で戦闘フェイズの数を増やし、1ターンの間に王神から多数のクリーチャーを展開して一気に勝負を決める、よりコンボ特化した青赤型も瞬間的に人気を博した。『ドミナリア』でゴブリンカードが多数登場した際には赤単のリストまで登場し、さまざまな可能性を提示してくれたのだが……そんな名デッキも、《王神の贈り物》という替えの効かないコンボパーツの退場により、スタンダード環境より姿を消すことに。
墓地活用が好きだったプレイヤーは、『ラヴニカのギルド』の「宿根」や「諜報」といったメカニズムに注目して、ぜひともデッキを作ってほしい。《光胞子のシャーマン》と《腐れ巨人》の組み合わせなんて楽しそうだ。
青単ストーム
13 《島》 4 《ザルファーの虚空》 1 《発明博覧会》 -土地(18)- 4 《羽ばたき飛行機械》 4 《練達飛行機械職人、サイ》 -クリーチャー(8)- |
2 《モックス・アンバー》 4 《航海士のコンパス》 4 《改革派の地図》 4 《予言のプリズム》 4 《鼓舞する彫像》 1 《金属の叱責》 4 《逆説的な結果》 2 《霊気貯蔵器》 3 《解析調査》 2 《バラルの巧技》 2 《暗記 // 記憶》 2 《ウルザの後継、カーン》 -呪文(34)- |
1 《光り物集めの鶴》 3 《否認》 2 《炎鍛冶の組細工》 2 《ジェイスの敗北》 2 《魔術遠眼鏡》 1 《宝物の地図》 1 《金属の叱責》 1 《川の叱責》 2 《ウルザの後継、カーン》 -サイドボード(15)- |
『カラデシュ』ブロックは魅力的なアーティファクトを提供してくれた。それらもスタンダード落ちしてしまうのだが、中でも一部のプレイヤーのハートを鷲掴みにしていた、通称「50点砲」こと《霊気貯蔵器》が使えなくなることを悲しむプレイヤーは少なくないだろう。
登場当初こそネタカード扱いされていたが、《モックス・アンバー》や《練達飛行機械職人、サイ》といったカードの登場を受けて作られた青単のアーティファクトを連打するコンボデッキは、環境最終盤で強デッキの仲間入りを果たした。
《鼓舞する彫像》で本来マナを生み出さない軽量アーティファクトをマナ加速にして、《逆説的な結果》でそれらを回収して大量ドローして再展開して……これを繰り返せば《霊気貯蔵器》でもりもりライフ回復して、気が付けば50点ダメージを飛ばすに至る……あるいは《練達飛行機械職人、サイ》が大量に生み出した飛行機械・トークンで殴って勝ち、というスタンダード離れした動きが、変なデッキマニアたちの心を射止めたのだった。
このデッキは『カラデシュ』ブロックの退場により次期スタンダード環境では組めなくなるが……サイはスタンダードにてまだまだ健在。《ウルザの後継、カーン》や《工匠の達人、テゼレット》、また《アンティキティー戦争》などと組み合わせてアーティファクト・デッキが成立するかもしれない。
また《霊気貯蔵器》が好きな人はモダンでもこのカードで勝つ方法を模索してみてはどうだろう。いろいろと手はあるよ!
コンボデッキはその挙動が面白く、マジックの醍醐味のひとつである。それらがいなくなるのは寂しいが……でも、きっと新カードで変なコンボを組むプレイヤーが出てくるはず。それがブラッシュアップされ、実戦レベルになるかはわからないが……君も何か思いついたら、ぜひ形にしてみてほしい。これらのデッキも、ちょっとしたアイディアから生まれたんだからね。
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