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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ザ・ニンジャ(レガシー)

岩SHOW

 海外の作品で出てくる、日本っぽいけど日本じゃない、違うアジアの文化とか混ざった変な日本。僕、これが結構好きで。侍なのに中国風の髪型だったり、見たこともない装束の忍者が出てきたり、日本の街の風景も意味不明なネオンサインが多数あったり……いいよね、謎のワクワク感がある。日本というかジャパンだね。絶妙なズレ加減がなんとも味わい深く、正しい侍はこうだ!なんて無粋なことは言わずに楽しもうと思っている。

 マジックにおいても、あるじゃないか神河が。戦国時代、鎧兜に身を包んだ侍がいたころと古来より伝わる妖怪・八百万の神々が住まう日本をベースにしているものの、なんだかちょっと「違う」。完全な日本ではなく、多元宇宙のひとつである神河であるということだ。個人的にはこれほど再訪してほしい次元もない。

 実は『神河物語』の時代というのは多元宇宙的にはとてもとても古い時代であり、となると今現在の神河はどうなっているのか? ネオンサインが輝く夜の街でサイバーパンクなニンジャが壁走りしているのか? 妄想が膨らんでしょうがない。

 今日のデッキは、神河からの新カード、新たなる忍者カードとして注目を集めた《虎の影、百合子》を用いたレガシーのデッキだ!

Mike Wallio - 「ザ・ニンジャ」
Preservation Series 1K @ Mox Boarding House 準優勝 / レガシー (2018年9月8日)[MO]
3 《
2 《
4 《Underground Sea
4 《汚染された三角州
4 《溢れかえる岸辺
2 《不毛の大地
1 《変わり谷

-土地(20)-

4 《悪意の大梟
3 《瞬唱の魔道士
1 《逃亡者、梅澤哲子
3 《虎の影、百合子
1 《ヴェンディリオン三人衆
3 《深き刻の忍者
1 《造物の学者、ヴェンセール
1 《静風の日暮

-クリーチャー(17)-
4 《渦まく知識
4 《思案
2 《呪文貫き
3 《致命的な一押し
3 《思考囲い
1 《悪魔の布告
4 《意志の力
1 《最後の望み、リリアナ
1 《精神を刻む者、ジェイス

-呪文(23)-
1 《霧刃の忍び
1 《骨奪い
1 《逆嶋の学徒
1 《造物の学者、ヴェンセール
1 《大牙の衆の忍び
1 《喉笛切り
2 《外科的摘出
2 《狼狽の嵐
1 《消灯
1 《夜の戦慄
1 《再活性
1 《悪魔の布告
1 《毒の濁流

-サイドボード(15)-
mtgtop8.com より引用)

 忍者のタイプを持つクリーチャーは皆、忍術能力を持つ。攻撃してブロックされなかったクリーチャーと、どろんと入れ替わって忍者が対戦相手にダメージを与えるという能力だ。そしてそれらの忍者は対戦相手に戦闘ダメージを与えることで誘発する能力を持っている。《鬼の下僕、墨目》などはこの能力が強烈で、忍術抜きでも使われたものである。

 忍術をガンガンに活かしたカードと言えば《深き刻の忍者》、これは忍術コストも軽くドローというクリーチャーを展開しながら打ち消しを構えたいデッキに最も必要なものを与えてくれるので大活躍した。今でもPauperでは強くて人気のある良いカードだ。

 で、この強い忍者の系譜に名乗りをあげたのが『統率者(2018年版)』からの刺客、《虎の影、百合子》!

 統率領域から直接戦場に出る、「上忍術」なる能力を引っ提げてやってきた、期待の新忍者だ。上忍術は普通の忍術と同じく手札から戦場に出すこともできるので、エターナルフォーマットでは彼女の奇襲を狙うことができる。

 肝心の戦闘ダメージが通った際の能力は、ライブラリーの一番上を公開して手札に加え、そのカードの点数で見たマナ・コスト分相手のライフを失わせるという……アドバンテージとダメージを同時に提供する強力なもの。そしてこれが大事な点なのだが、百合子のこの能力は彼女だけでなく他の忍者が戦闘ダメージを与えることでも誘発する。これは……忍者デッキを組めってことだ。

 そんな矢文(メッセージ)を受け取ったアメリカのプレイヤーが構築し、参加者50人以上の大会で準優勝を果たしたのがこのリスト。青黒の2色デッキであり、忍術を活かすためにあらゆる工夫がなされているビートダウンデッキだ。

 とにもかくにも忍術をするには攻撃を通さねばならない。その点《悪意の大梟》は忍者のお供として作られたような性能だ。

 2マナ1/1飛行・接死でとてもブロックされにくい、ブロックされても相手のクリーチャーを打ち取るスペックが偉大。かつ、忍術で手札に戻った後に出しなおせばカードを1枚引く能力を2度使えて美味しい。百合子や深き刻で引いて大梟で引いて……理想的な動きをすれば全く手札切れを起こさずに戦えるのだ。

 引いてきたカード、《致命的な一押し》や《思考囲い》などを使って相手の動きを阻害しつつ、《瞬唱の魔道士》でこれらを使いまわすという青黒の定番ムーブも備えている。

 瞬唱も攻撃して通すことができれば忍術のタネにしてむちゃウマ!となるところだが、2/1で回避能力なしでは攻撃は通しにくいかもしれない。そこでこのデッキでは、ルーツを神河に持つ《逃亡者、梅澤哲子》の力を借りることを選んだ。

 彼女がいれば瞬唱のみならず百合子など、デッキ内の多くのクリーチャーがブロックされなくなり、忍術なり各種能力なりを全力で使用できるというわけ。やりよるのう! 同じく忍者をブロックされなくする忍者の親玉《静風の日暮》まで採用されているのが個人的には最高だ。日暮、カッコイイんすわ……。

 デッキとしてはクリーチャーを出して殴り、カードを引いたり打ち消したりして戦うクロック・パーミッションと呼ばれるもの。これに忍術関係のギミックを多数仕込んで、豊富な引き出しからこのターンに何をするのか?と考えることが実に楽しいデッキに仕上がっている。

 百合子の能力は夢にあふれているので、まだまだデッキを考える余地がありそうだ。君も一緒に、ジョウ・ニンジュツーーーッ!!

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