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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

グリーンスカラベ(スタンダード)

岩SHOW

 《スカラベの神》はまさしく神であった。

 このカードに何度心を折られ、このカードで何度心を折ったことか。すべてにおいて隙がない、勝利に直結した1枚。ここでスカラベ出てきたら負け、とか思ってると「呼んだかい?」って飛び出してきてゾンビ・トークン生成されてGood Gameってなるんだよなぁ。『破滅の刻』以降のスタンダードにおける象徴と言えるカードの1つで、これが現れないトーナメントはなかったといっても決して過言じゃない。

 このスーパー・パワーカードは、秋の新セット発売に伴うローテーションによりスタンダード環境を去ることが決定している。永いようで短い1年少しの付き合いだったが、君のことは忘れないよ!とばかりに使い収めしておきたいところだ。

 先日開催されたグランプリ・ブリュッセル2018では、「LOVEスカラベ」を体現したデッキが登場。見事にトップ4入賞を果たしたのであった!

Alexander Gordon - 「グリーンスカラベ」
グランプリ・ブリュッセル2018 4位 / スタンダード (2018年8月11~12日)[MO] [ARENA]
4 《
1 《
1 《
4 《植物の聖域
3 《内陸の湾港
2 《異臭の池
4 《花盛りの湿地
4 《霊気拠点
-土地(23)-

4 《ラノワールのエルフ
4 《マーフォークの枝渡り
4 《導路の召使い
2 《野茂み歩き
4 《翡翠光のレインジャー
4 《人質取り
4 《スカラベの神
-クリーチャー(26)-
4 《冒険の衝動
3 《顕在的防御
2 《慮外な押収
2 《霊気圏の収集艇
-呪文(11)-
3 《光袖会の収集者
2 《野茂み歩き
3 《打ち壊すブロントドン
2 《多面相の侍臣
4 《否認
1 《ビビアン・リード
-サイドボード(15)-
 

 いかにスカラベが強くとも、そこは伝説のクリーチャー。そのため、採用枚数は2枚程度に抑えられているデッキが大多数なのだが……そんなんじゃスカラベ愛は語れない。というわけでこのデッキは《スカラベの神》4枚フル投入! もしかしたら、デッキリストに「4×スカラベ」と書いてからこれを扱えるデッキを作ったんじゃないか?というのがリストを見た第一印象だ。

 緑のマナクリーチャーに探検クリーチャー、緑単色の骨組みに青と黒を、というか《スカラベの神》を乗っけた……「グリーンスカラベ」とでも言いたくなる中速デッキだ。

 デッキの目標は使用者本人がトップ8プロフィールで語るように「4ターン目ないし5ターン目のベストアクション」であるスカラベを戦場に送り込んでそのまま制圧すること。《ラノワールのエルフ》《導路の召使い》でマナ加速して4ターン目にスカラベを出してしまうことも決して難しい話じゃない。

 この時点で出てくると起動型能力で釣り上げるクリーチャーは墓地にいないかもしれないが、5/5というサイズと死亡しても手札に戻る能力でプレッシャーをかけることができる。特に赤いデッキを相手に想定しており、それらのデッキではこれを乗り越えてプレイヤー本体に攻撃を通すことはそう簡単ではない(それが出来る《アン一門の壊し屋》が最近あまり採用されていないのも追い風)。スカラベを4枚投入することで何が何でも4~5ターン目にこの鉄壁を展開して赤いデッキにプレッシャーをかける。それがこのデッキのしたいこと。実際に予選ラウンドで実に11回も赤いデッキと対戦したそうで、このプランがうまくハマって好成績につながったようだ。

 マナ・クリーチャー以外にも探検持ちマーフォーク2種がマナの確保とドロー操作を担う。

 これらはマナ効率に優れたサイズにもなり得るし、《野茂み歩き》とのシナジーも形成する。ライフ回復とサイズアップを同時に行うこのエレメンタルをサイド後は増量し、赤いデッキに対してより優位に立ち回ろうというわけ。ここまでされたら泣いちゃうな。赤以外でもクリーチャーで勝負するデッキにとっては脅威となってくる。コントロール相手には回復はあまり意味はないが、打点が上がるクリーチャーということで決して無駄にはならない。

 クリーチャーを使用するデッキにはスカラベと同じく4枚投入された《人質取り》も脅威となるだろう。

 相手のクリーチャーを除去し、奪うこともできる。追放除去なので破壊に対して耐性のある連中にも効果覿面。これ自体を除去されると追放しているクリーチャーを取り返されてしまうが、またスカラベで使いまわせばいいのでそこまで気にしなくても良い。

 何よりアーティファクトを奪える点が素晴らしく、各種機体や《鼓舞する彫像》《魔学コンパス》のような特定のデッキに採用されているキーカードを狙い撃ちできる点で実に頼りになる。同じ理由で《慮外な押収》も採用されている。実際にこのデッキを使ってみると、この押収が強すぎてビビったものだ。

 デッキの主役は《スカラベの神》だが、脇を固めるカードも抜かりなし。ほぼ緑単のカードをプレイする序盤と、青黒のカードで圧倒する終盤という構成も面白い。

 こういう構築ができるのも、今の間だけかなぁ。《花盛りの湿地》《植物の聖域》など『カラデシュ』の使いやすい2色土地も、この秋には退場する。今のうちに、これらが使えるカラーリングのデッキを堪能しておこう!……まあ、次なるセットの舞台はラヴニカだし、何かしら新しい多色サポートは登場しそうだけれどもね。

 《スカラベの神》以外にも現環境で思い入れのあるカードで、遊べるうちに遊んでおこうな!

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