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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

三本の矢(3人チーム構築戦)

岩SHOW

 マジック生誕25周年を祝うイベントも、この夏の祭典、マジック25周年記念プロツアーでエンディングを迎えた。

 このトーナメントでの優勝は、また格別のもの。歴史に名が刻まれ、賞金も栄光も勝ち取り、しかも1人ではなく3人のチームでの勝利! 生涯忘れられない最高の刻を味わったチーム Wu/Hull/Orangeのメンバーが使用したデッキを紹介しよう!

(デッキリストは「マジック25周年記念プロツアー トップ4チームデッキリスト」より)

Gregory Orange - 「青白コントロール」
マジック25周年記念プロツアー 優勝 / スタンダード (3人チーム構築戦) (2018年8月3~5日)[MO] [ARENA]
7 《島》
6 《平地》
4 《灌漑農地》
4 《氷河の城砦》
2 《曲がりくねる川》
1 《オラーズカの拱門》
2 《廃墟の地》

-土地(26)-

1 《奔流の機械巨人》

-クリーチャー(1)-
4 《封じ込め》
2 《本質の散乱》
2 《アズカンタの探索》
1 《一瞬》
1 《否認》
4 《不許可》
3 《排斥》
3 《残骸の漂着》
2 《天才の片鱗》
2 《ヒエログリフの輝き》
2 《燻蒸》
1 《暗記 // 記憶》
2 《中略》
4 《ドミナリアの英雄、テフェリー》

-呪文(33)-
1 《周到の神ケフネト》
3 《黎明をもたらす者ライラ》
2 《奔流の機械巨人》
1 《原初の潮流、ネザール》
2 《否認》
1 《霊気溶融》
1 《ジェイスの敗北》
1 《魔術遠眼鏡》
2 《俗物の放棄》
1 《燻蒸》

-サイドボード(15)-

 スタンダードを担当したグレゴリー・オレンジ/Gregory Orangeの使用デッキは「青白コントロール」。メインデッキの勝ち手段はたった1枚の《奔流の機械巨人》! あとはゲームをコントロールしきってからの《ドミナリアの英雄、テフェリー》もフィニッシャーとなる([-3]能力を自身を対象に起動することでライブラリーが尽きず、ライブラリーアウト勝ちを狙える)。最近流行りのスタイルで、勝ちに行くというよりは対戦相手を勝利することが不可能な状況へと追い込んで心をへし折って投了させる、そういうタイプのデッキだ。

 多彩な除去と打ち消しの組み合わせで、理論上どんな相手にも対処できるのが強みだ。中途半端な速度のクリーチャーデッキであれば《残骸の漂着》《燻蒸》で流すことで楽になる。

 対戦相手のクリーチャー除去がほぼ腐ってしまうので除去コントロールのようなデッキ相手にも強い。とにかくテフェリーを余裕を持って戦場に出すことができれば、それだけで勝利はグッと近づく。

 そういうことをなかなかさせてくれない「赤単ケルド」のようなデッキには文字通り手を焼くが、そのような赤単を選んでいるのは今大会ではわずかに7チームのみだった。読み勝ちと言ってもいいだろう。

 ちなみに、青白系のコントロールデッキはさまざまな派生形に散っており、このタイプのデッキを用いていたのはわずかに2チームのみだった。

Ben Hull - 「虚ろな者」
マジック25周年記念プロツアー 優勝 / モダン (3人チーム構築戦) (2018年8月3~5日)[MO] [ARENA]
3 《山》
1 《沼》
2 《血の墓所》
1 《踏み鳴らされる地》
4 《血染めのぬかるみ》
2 《沸騰する小湖》
2 《樹木茂る山麓》
3 《黒割れの崖》

-土地(18)-

4 《炎刃の達人》
4 《恐血鬼》
4 《炎跡のフェニックス》
4 《虚ろな者》
4 《通りの悪霊》
1 《黄金牙、タシグル》
3 《グルマグのアンコウ》

-クリーチャー(24)-
4 《燃え立つ調査》
4 《信仰無き物あさり》
4 《稲妻》
4 《ゴブリンの知識》
2 《集団的蛮行》

-呪文(18)-
2 《渋面の溶岩使い》
3 《致命的な一押し》
2 《思考囲い》
2 《古えの遺恨》
4 《虚空の力線》
2 《仕組まれた爆薬》

-サイドボード(15)-

 モダン担当ベン・ハル/Ben Hullが使用したのは。スタンダードとは真逆なカラーリングなのが面白い「赤黒・虚ろな者」デッキ! プロツアー『イクサランの相克』で大躍進を遂げ、一躍モダン界の一流デッキの仲間を入りを果たし……早半年。

 《燃え立つ調査》《ゴブリンの知識》とランダム要素が強く、かつ対策されやすい墓地を重要なリソース源として扱っているのもあって、一見脆そうに見えるデッキなのだが……ブン回った時の爆発力は、他のデッキには真似できない。

 チーム戦において、運にも恵まれてポイントゲッターとなってくれればという期待も込めてのチョイスだったのだろうか。ちなみにこのデッキを選んだチームは13、使用率は7.88%で上から5番目だ。結構な人気者。

 このデッキの目指すところは、とにかく手札を捨てること。《虚ろな者》を0マナで唱える、墓地から戻ってくるクリーチャーを複数展開する、探査クリーチャーの餌を用意する……などなど、手札を捨てるというマジックにおける大きなデメリットを、そっくりメリットに置き換えるように作られた異端のデッキである。

 上述の2種のソーサリーに加えて《信仰無き物あさり》、そして《集団的蛮行》の14枚体制で、とにかく躊躇なく手札を捨てる。手札に恵まれれば1ターン目に4/4が2体以上並ぶなんてこともあり、その速さで相手が対処できないうちに殴り倒す。

 何度も言うように運の要素は他のデッキよりも強いが、リストの完成度が高く見た目以上に安定感のあるデッキでもある。

Allen Wu - 「Death & Taxes」
マジック25周年記念プロツアー 優勝 / レガシー (3人チーム構築戦) (2018年8月3~5日)[MO] [ARENA]
5 《平地》
6 《冠雪の平地》
3 《カラカス》
1 《地平線の梢》
4 《不毛の大地》
4 《リシャーダの港》
1 《ミシュラの工廠》

-土地(24)-

4 《ルーンの母》
4 《ファイレクシアの破棄者》
4 《石鍛冶の神秘家》
4 《スレイベンの守護者、サリア》
4 《ちらつき鬼火》
2 《護衛募集員》
1 《ミラディンの十字軍》
1 《聖域の僧院長》
1 《宮殿の看守》

-クリーチャー(25)-
4 《霊気の薬瓶》
4 《剣を鍬に》
1 《梅澤の十手》
1 《火と氷の剣》
1 《殴打頭蓋》

-呪文(11)-
1 《封じ込める僧侶》
1 《エーテル宣誓会の法学者》
1 《レオニンの遺物囲い》
1 《フェアリーの忌み者》
1 《歩行バリスタ》
2 《流刑への道》
1 《真髄の針》
3 《安らかなる眠り》
2 《議会の採決》
2 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》

-サイドボード(15)-

 最後にレガシー担当アレン・ウー/Allen Wuが使用した「Death & Taxes」を紹介しよう。死や税金のように、逃れられない妨害とクリーチャー群で対戦相手を苦しめる白単のビートダウン・デッキだ。レガシー環境に跋扈する、コンボデッキや青い非クリーチャー呪文を中心としたデッキへのアンチデッキである。

 《スレイベンの守護者、サリア》の能力と《不毛の大地》《リシャーダの港》で足止めしている間に《石鍛冶の神秘家》からサーチした装備などを駆使して戦場を作り上げ、対戦相手の反撃を許さずに圧倒するのが狙いだ。

 《霊気の薬瓶》と《ちらつき鬼火》を用いたトリッキーな動きも可能で、同じビートダウン系のデッキ相手にも盤面をコントロールして勝利することができる。単色だけれども器用で、あらゆるデッキを相手に戦えるようにデザインされている。

 このデッキの器用さが増したのは《護衛募集員》の存在によるところが大きい。

 タフネス2以下のクリーチャーなら何でもサーチでき、おかげで《ミラディンの十字軍》《宮殿の看守》と特定の相手に突き刺さるカードをメインから採用でき、サイドボードにも1枚挿しのオンパレード。白単ながらに構築の幅を広げることに大きく貢献している。


 個人的には緑が含まれていないのが少々寂しい部分はあるが、このどっしりとしたデッキチョイスであれば3人チーム構築戦という特殊なフォーマットでの優勝を成し遂げたのも納得、納得、大納得。コントロール・コンボ要素のあるビート・コントロール要素のあるビートと、アーキタイプ的にもとてもまとまっており、マジックの25年の歴史を感じさせるラインナップだ。

 次にこのチーム構築フォーマットがプレイされるのは……30周年の時か? はたまたもっと先か? 次は自分もプレイして、お祭り騒ぎに参加したいものだね。中継を観たりして楽しんだ皆も、明日の主役は自分だと、そんな気持ちで26年目以降もマジックを楽しんでほしいね!

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