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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ティムール・ワーム・コントロール(スタンダード)

岩SHOW

 相変わらずMTG Arenaでスタンダードを楽しむ日々を送っているのだが、最近あるデッキとよく遭遇し、そして悩まされている。

 僕はクリーチャーを使ったデッキをよく使用しているのだが、そのデッキはそういったデッキにめっぽう強い。《破滅の刻》をガンガン唱えてくるので、戦場を全然維持できない。そしてこちらの手が尽きそうなタイミングで……アイツがやってくる。ワームだ。ワームが何もかも……台無しにしてしまう! まさかこんなカードが今になって注目されるなんて、マジックは奥が深すぎる。

 今日のデッキはティムール(青赤緑)カラーのワーム・コントロールだ。何の話をしているのかわからないって? とりあえずリストを見てくれぇぇい!

Redz - 「ティムール・ワーム・コントロール」
Magic Online Competitive Standard Constructed League 5勝0敗 / スタンダード (2018年7月15日)[MO] [ARENA]
4 《
3 《
4 《
4 《隠れた茂み
2 《根縛りの岩山
3 《ハシェプのオアシス
3 《イプヌの細流
1 《熱烈の砂漠
2 《敵意ある砂漠
1 《屍肉あさりの地
1 《オラーズカの拱門
-土地(28)-

3 《選別ワーム
-クリーチャー(3)-
2 《マグマのしぶき
3 《削剥
3 《魔学コンパス
4 《灰からの成長
4 《破滅の刻
4 《約束の刻
1 《苦悩火
4 《暗記 // 記憶
4 《開拓 // 精神
-呪文(29)-
2 《殺戮の暴君
2 《ペラッカのワーム
2 《チャンドラの敗北
2 《マグマのしぶき
2 《否認
2 《魔術遠眼鏡
1 《削剥
1 《ミラーリ予想
1 《苦悩火
-サイドボード(15)-
 

 《選別ワーム》、まさかこのカードがデッキの主役になるとはなぁ。7マナ7/7、戦場に出たら占術3を行い、その後ライブラリーの一番上を公開してそのカードのコスト分だけ回復する……デカくて回復できて頼りになるやつだが、マナ・コストが重いため構築シーンでその姿を見ることはなかった……ついぞこの間までは。

 このデッキはいわゆるランプデッキ、土地を戦場に出す呪文を使って本来より早いターンに重い呪文をプレイすることを狙ったコントロールデッキであり、《破滅の刻》で相手のクリーチャーを薙ぎ払ってからこのワームで回復して持ち直し、その後はサイズを活かして攻撃に転じる、そんなゲームプランを狙っている。

 序盤は《削剥》《マグマのしぶき》で相手の初動を捌きつつ、《開拓》《灰からの成長》を使って土地を伸ばしていく。5マナにたどり着けば《約束の刻》でさらに7マナ以上を目指す。

 このカードで砂漠を持ってきてゾンビ・トークンを出し、これでブロックしてやり過ごしたら、今度は《破滅の刻》でリセットする。

 土地を伸ばす手段として《魔学コンパス》も採用されており、これで確実に土地をプレイしつつ《オラーズカの尖塔》へ変身させることを目指す。この土地が手に入れば、後はこれで相手のクリーチャーを1体無効化できるので随分と楽になる。

回転

クリックで変身します

 マナを伸ばして戦場のコントロールを握ったら、《選別ワーム》で回復してライフを火力などの射程圏内からリカバリーさせる。同時にこの占術3で対戦相手にとってイヤなカードをライブラリーの上に置いて、支配を確固たるものにしていく。ワームが攻撃できるようになればゲームエンドまであと少し。

 このデッキ、実は前スタンダード環境の末期にその原型が登場している。その時はワーム以外にフィニッシャーとして《霰炎の責め苦》が採用されていた。ただ、『基本セット2019』の登場でこのカードに代わるものが手に入り、それによって黒が必要でなくなった=ティムールの3色でまとめることができるようになってデッキとしての完成度・安定感が多いに増した。そのカードとは《苦悩火》!

 X=5以上で打ち消されなくなる火力呪文を、土地を並べまくった末にフルパワーで対戦相手に撃ち込み、勝利しようというのである。ワームやゾンビ・トークン、あるいは《敵意ある砂漠》なんかであらかじめライフを削っておくと良いね。

 これの初出のリストはもっとやんちゃで、メインから《苦悩火》を《ミラーリ予想》のⅢ章能力でコピーしてボカーーンッと勝利するコンボを搭載していた。これはさすがにやり過ぎだったのだろうか、特に赤い速攻デッキ相手には《ミラーリ予想》が無駄ドローになりかねないのでサイドボードに落とす形になっている。

 サイドボードには《苦悩火》と同じく、このカードにとっての大きな新戦力《ぺラッカのワーム》の姿も。7点と回復が大きい上に固定されており、赤い相手などにはこちらの方が《選別ワーム》より回復を見込める。まあメインでは占術の部分が活きてくるので《選別ワーム》が採用されているが、今後のメタゲームによってはこの枠は入れ替わったりするかもしれない。

 『基本セット2019』、思っていたよりもいろいろなデッキを押し上げて、かなり「やりよる」セットなようだ。発売からまだ1週間足らずの時点で、今週紹介してきたようなデッキが誕生している。今後、プロツアーやグランプリを迎えてさらに研究が進んだ先、そこにはどんなデッキがいるのだろう。

 とりあえずデカいクリーチャーが好きで、『エルドラージ覚醒』リミテッドで《ペラッカのワーム》を使いまくった人間としては、組んでみたいデッキだ。でもArenaでこのデッキのパーツ、まだ全然持ってないのだ。チクショ~!待ってろよペラッカ!

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