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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
シャライ・グリーン(スタンダード)
《原初の飢え、ガルタ》という夢あふれるクリーチャーの運用を現実的なものにする《ラノワールのエルフ》《鉄葉のチャンピオン》の加入により、そのデッキパワーをグッと高めた緑単色デッキ。
ただ緑単色ではどうしてもパワー一辺倒になってしまいがち……そこで除去を携える相手と戦うために何度も蘇る《屑鉄場のたかり屋》を採用した黒タッチ型が作成され、環境最初期には成功を収めた。黒を足すことはサイドボードに手札破壊なども採用できるということであり、新しい緑黒デッキの可能性も見えてきつつある。
では、「緑単ガルタ」にチョイ足しすべき色は黒だけなのだろうか? 答えは分からないが、だからこそ挑んでみる価値はある。海外のトーナメント結果を規模の大小問わずチェックしていると、黒以外にも可能性はあるよというチャレンジングな構成のリストを発見したので、ここに紹介しよう。「シャライ・グリーン」だ!
12 《森》 1 《平地》 2 《まばらな木立ち》 4 《陽花弁の木立ち》 4 《ハシェプのオアシス》 -土地(23)- 4 《ラノワールのエルフ》 4 《立て直しのケンラ》 3 《原初の飢え、ガルタ》 4 《鉄葉のチャンピオン》 3 《翡翠光のレインジャー》 3 《不屈の神ロナス》 4 《豊潤の声、シャライ》 1 《逆毛ハイドラ》 -クリーチャー(26)- |
4 《冒険の衝動》 3 《顕在的防御》 1 《ロナス最後の抵抗》 3 《キランの真意号》 -呪文(11)- |
3 《貪る死肉あさり》 2 《うろつく蛇豹》 2 《打ち壊すブロントドン》 1 《顕在的防御》 2 《英雄的介入》 1 《帰化》 2 《排斥》 2 《生命の力、ニッサ》 -サイドボード(15)- |
「シャライ・グリーン」の語感の良さですべて終わってしまいそうだが、冷静にリストを見てみよう。
《ラノワールのエルフ》《鉄葉のチャンピオン》《不屈の神ロナス》といった緑単のスタメンとも呼ぶべきメンバーはそのまま、そして緑単によく採用される《マーフォークの枝渡り》ではなく、より打点に貢献する《立て直しのケンラ》を2マナ域に。
このジャッカルは不死能力で一度死亡しても再利用できるので、《屑鉄場のたかり屋》の代わりも兼ねている。そして、たかり屋スロットに《豊潤の声、シャライ》が収まっている。緑単にメインはこのカードのみ白をタッチした形だ。シャライの能力を今一度振り返ってみよう。
まず、あなたがコントロールするシャライ以外のすべてのクリーチャーとプレインズウォーカー、そしてあなた自身に呪禁を与えるという能力。これがたかり屋とは別ベクトルで緑単の弱点を補う。チャンピオンもガルタも、どれもこれもサイズは素晴らしい。しかし《ヴラスカの侮辱》《無許可の分解》なんかでポンと簡単に死んでしまう。ロナス神は破壊不能!と喜び勇んで攻撃すると《排斥》《封じ込め》の餌食に。これでは悲しい。
そんな対象を取る除去に対して、シャライは耐性を与える。呪禁クリーチャーもまとめて吹き飛ばす《残骸の漂着》もプレイヤーを対象とするので対戦相手は唱えることができない。また、除去ではないが《アン一門の壊し屋》の督励能力などで予想外のダメージを受けるということも防いでくれるのは嬉しい。《稲妻の一撃》なんかを本体に連打されることもなく、純粋に盤面のサイズのみで勝負を挑めるってわけだ。
シャライにはもうひとつ、自軍クリーチャーに+1/+1カウンターを置く能力がある。多少マナがかかっても、この手の全体強化はゲームを支配するパワーがある。除去耐性を与えた全軍をサイズアップして、《ラノワールのエルフ》も殴りに行けるように育てて一気にゲームエンド! 気持ちがいいこと間違いなし。このサイズアップは同型戦でも力を発揮することだろう。同じクリーチャーが並び合っているのに、こちらだけ一方的に相手を打ち取れるというのはアドバンテージ。《キランの真意号》同士の空中戦を一方的に制するのは大きな利だ。
もちろん、シャライはパーフェクトな1枚ではない。《燻蒸》や《バントゥ最後の算段》に対しては無力だ。一方の《屑鉄場のたかり屋》は仲間を守ることはできないが、全体除去の後も切れ目ない攻めを継続できる。どちらがいいかは、各プレイヤーで実際に試して肌に合うものを、という結論になるかな。たかり屋は墓地対策で沈むし、シャライも自身は除去で簡単に対処されてしまう。逆にこのデッキは《燻蒸》で流されようとも前述の《立て直しのケンラ》プランがあるし、《キランの真意号》もある。
《冒険の衝動》ですぐさまクリーチャーを探すという別の形でもカバーしている。この呪文は4マナへとスムーズに繋げてシャライを出す助けにもなってくれることだろう。
緑単デッキに何を添えるか、という問題にはまだまだ悩むことができそうだ。そもそも同じ色を選んでも、緑のクリーチャーの選択も人それぞれという状態。「マイベスト緑単」にたどり着くためには、なんでもかんでもやってみるしかないって!
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