READING

戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

墓場より押し寄せる荒波(ブロール)

岩SHOW

 ブロール(Brawl)というフォーマットは、導入されたタイミングがとても良かったように思う。まあ狙ってやっているんだろうけども、伝説がテーマである『ドミナリア』と同じタイミングなのは完璧だね。

 また、このセットに含まれる伝説の方々もなんとも使いたくなるようなものばかりで……一体どのカードを統率者にするかを決めるだけでも迷えてしまう。僕は奇をてらって《ウルザの後継、カーン》で無色統率者デッキ in スタンダード!なんて無謀な賭けに出ようと思ったのだが……分厚い壁に阻まれてしまった。

 ヤツだ。ファイレクシアのドミナリア侵攻の際、《マローの魔術師ムルタニ》の手によって彼の守護するヤヴィマヤの森はアーボーグという島へと転移された。その森そのものが長い年月をかけてエレメンタルとなったそうな。詳しくはコチラ↓

Muldrotha.jpg

 フレイバーテキストを見るに、ムルタニ的にはムルドローサは愛娘のようだ。イラストを見ると無茶苦茶強そう、マナ・コストを見ても{3}{B}{G}{U}と強者感漂い、サイズも6/6とデカけりゃ能力もなんだかすごいアドバンテージの予感!

 というわけで、ムルドローサのブロールデッキ、サンプルリストの紹介だ。僕が当たったデッキもこれにかなり近い形だったんじゃないかな。

Malinarc - 「統率者:墓場波、ムルドローサ」
Magic Online Brawl Challenge 29位 / ブロール (2018年4月29日)[MO] [ARENA]
1 《墓場波、ムルドローサ
-統率者(1)-

4 《
5 《
4 《
1 《森林の墓地
1 《花盛りの湿地
1 《異臭の池
1 《内陸の湾港
1 《植物の聖域
1 《森林地の小川
1 《栄光の砂漠
1 《不屈の砂漠
1 《周到の砂漠
1 《廃墟の地
1 《イフニルの死界
1 《ハシェプのオアシス
-土地(25)-

1 《薄暮軍団の盲信者
1 《マーフォークの枝渡り
1 《探求者の従者
1 《翡翠光のレインジャー
1 《刻み角
1 《敏捷な妨害術師
1 《打ち壊すブロントドン
1 《貪欲なチュパカブラ
1 《巧射艦隊の略取者
1 《水底のドルイド、タトヨヴァ
1 《スカラベの神
1 《殺戮の暴君
1 《シェフェトのオオトカゲ
1 《原初の潮流、ネザール
1 《縞カワヘビ
-クリーチャー(15)-
1 《開拓 // 精神
1 《致命的な一押し
1 《一瞬
1 《喪心
1 《航路の作成
1 《アズカンタの探索
1 《宝物の地図
1 《砂の下から
1 《楽園の贈り物
1 《灰からの成長
1 《新たな地平
1 《ルクサの恵み
1 《栄光の刻
1 《ヴラスカの侮辱
1 《金粉の水蓮
1 《約束の刻
1 《サンドワームの収斂
1 《不帰 // 回帰
1 《秘宝探究者、ヴラスカ
-呪文(19)-
 

 戦場に出たら誘発する能力、あるいはサイクリングを持ったクリーチャーを中心に採用。これらをムルドローサの能力で墓地から唱えて、アドバンテージを得ようという骨太マジックを体現したデッキだ。

 ムルドローサはとにかく、マナを食う。本人も6マナと重ければ戦場に出ただけでは仕事をせず、墓地からカードをプレイしてようやくアドバンテージとなる。できれば、出してすぐにその恩恵を受けたいので、欲を言えば10マナくらいあると嬉しい。

 なので、緑を中心としたマナ加速カードがデッキにはたっぷり。土地をサーチするもの、土地につけるオーラ、《ルクサの恵み》《金粉の水蓮》などのマナを生み出す置物……置物系は破壊されることも多いが、このデッキであればムルドローサで再利用できるのは嬉しい。

 マナを伸ばし、クリーチャーと除去呪文で盤面を抑え込んで、ムルドローサからの強烈なアドバンテージで蓋をする……自分からはあまりガツガツライフを攻めるデッキではなく、相手の心を折るタイプのデッキだ。ちなみに、我がカーンデッキは……

Karn_Brawl.jpg

 バッキバキに粉砕された。無色の統率者であるため基本土地がない(編注:ルール改訂により、無色の統率者でも基本土地を使用できるようになりました)カーンデッキに《廃墟の地》の土地攻め&アーティファクトオンリーのデッキに《打ち壊すブロントドン》攻め、こんな拷問に耐えられるわけがない! こういったヘンテコなデッキにも対応力の高さで対処可能なのがムルドローサの強みだね、身をもって味わったよ……。

 個人的にもムルドローサには可能性を感じていたので、デッキを作ってみることにした。そしてどうせなら、新メカニズムはマシマシで!

サンプルデッキ 統率者:墓場波、ムルドローサ
ブロール (2018年5月)[MO] [ARENA]
1 《墓場波、ムルドローサ
-統率者(1)-

4 《
4 《
4 《
1 《森林の墓地
1 《異臭の池
1 《水没した地下墓地
1 《内陸の湾港
1 《栄光の砂漠
1 《不屈の砂漠
1 《周到の砂漠
1 《イフニルの死界
1 《イプヌの細流
1 《結束の記念像
1 《天才の記念像
1 《進化する未開地
-土地(24)-

1 《ラノワールのエルフ
1 《大物群れの操り手
1 《マーフォークの枝渡り
1 《探求者の従者
1 《禍鞭の懲罰者
1 《機知の勇者
1 《翡翠光のレインジャー
1 《刻み角
1 《ピーマの改革派、リシュカー
1 《打ち壊すブロントドン
1 《水流織り
1 《豪華の王、ゴンティ
1 《人質取り
1 《永遠の造り手、ラシュミ
1 《貪欲なチュパカブラ
1 《多面相の侍臣
1 《スカラベの神
1 《害悪の機械巨人
1 《シェフェトのオオトカゲ
-クリーチャー(19)-
1 《神々のピラミッド
1 《枷はずれな成長
1 《終わりなき時計
1 《フレイアリーズの歌
1 《奥の手
1 《楽園の贈り物
1 《イトリモクの成長儀式
1 《オラーズカの秘宝
1 《発見の道
1 《ファイレクシア教典
1 《ベルゼンロック典礼
1 《氷河期
1 《最古再誕
1 《ドミナリアの大修復
1 《死の権威、リリアナ
1 《秘宝探究者、ヴラスカ
-呪文(16)-

 デッキ内のすべてのカードをパーマネントに絞った、ムルドローサスペシャル! すべてのカードを使いまわせるという欲張りな墓地再利用愛好家を満足させる方向で作ってみた。

 テーマは「終わらない英雄譚」、ありったけの英雄譚カードを詰め込んで、この自動的に墓地に落ちるエンチャントを何度も使って気持ちよくなろう……そんな願望を込めてみた。

 《死の権威、リリアナ》《イプヌの細流》《終わりなき時計》あたりを起動すると100%パーマネントカードが墓地に落ちる、つまり1枚ドローしているようなもの。《発見の道》とクリーチャーで探検しまくっても同じようなアドバンテージを得られるだろう。こってりとしたマジックを楽しみたいのであればぜひ、こんな感じのデッキを作ってくれ!

 多人数でプレイするなら《ゴンティの策謀》を何度も使いまわして世界の敵となる……なんてのも楽しいかもしれない。デッキを組みたくなる魅力を秘めた1枚《墓場波、ムルドローサ》、乗るっきゃないなこのビッグウェーブ!

 ……え?文中でちょろちょろ出てきた《ウルザの後継、カーン》デッキが気になるって?……形にできたら、その時にね!(残念ながらまだまだデッキの卵だ)

  • この記事をシェアする

RANKING

NEWEST

CATEGORY

BACK NUMBER

サイト内検索