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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
緑白アグロ(スタンダード)
『ドミナリア』環境で華々しいスタートを切ったデッキについては先週いくつか紹介した。今日のデッキは、それらと同じく好スタートを……競技プレイヤー的には最高のものかもしれない、プロツアーの参加権利を勝ち取るという結果を残したものだ。
『ドミナリア』環境で最初の権利獲得デッキは……緑単? 青白系? いやいや、そのどちらでもなく……緑白2色のデッキだ!
7 《森》 5 《平地》 4 《まばらな木立ち》 4 《陽花弁の木立ち》 2 《霊気拠点》 2 《ハシェプのオアシス》 -土地(24)- 4 《ラノワールのエルフ》 4 《マーフォークの枝渡り》 3 《シッセイの後裔、シャナ》 3 《打ち壊すブロントドン》 2 《ピーマの改革派、リシュカー》 1 《豊潤の声、シャライ》 3 《黎明をもたらす者ライラ》 4 《歩行バリスタ》 -クリーチャー(24)- |
2 《封じ込め》 2 《宝物の地図》 2 《イクサランの束縛》 3 《霊気圏の収集艇》 3 《ウルザの後継、カーン》 -呪文(12)- |
2 《顕在的防御》 3 《不可解な終焉》 3 《造命師の動物記》 2 《飛行機械による拘束》 1 《霊気圏の収集艇》 1 《イクサランの束縛》 3 《生命の力、ニッサ》 -サイドボード(15)- |
緑には《ラノワールのエルフ》が還ってきた。実に久しぶりの1マナ圏のマナ・クリーチャーである。
このエルフを見ると思わず緑単色のデッキを組みたくなってしまうが、それしか選択肢がないわけではない。《ラノワールのエルフ》は過去にも赤緑などの2色以上のクリーチャーデッキでマナ加速としての役割を果たしてきた。2ターン目に3マナ、3ターン目に4マナを使えるのはどんな時代であろうと強い。そんなわけで、ラノワールで加速しながらちょっと重めのカードを序盤から展開しつつ勝利を目指す中速寄りのビートダウンデッキの登場だ。
ラノワールからどしどしクリーチャーを展開し、《シッセイの後裔、シャナ》をデカくして殴り倒す、というのがこのデッキのやりたいことだ。
シャナはシンプルだけど、簡単に2マナとは思えないサイズに成長するし、ちょっとした除去耐性を持っているしで、緑白を組む理由になり得るカードだということをこのデッキが証明した形になる。ラノワールや《ピーマの改革派、リシュカー》でマナを伸ばしながらどんどん大きくしてやろう。
こういう戦略をとると怖いのが、全体除去。中でも《残骸の漂着》なんかは悲惨な目にあってしまう。そこで役に立つのが《豊潤の声、シャライ》!
自身を除くクリーチャー、プレインズウォーカー、そしてプレイヤーにまで呪禁を与えてくれるなんとも優しい天使だ。これがいれば、プレイヤーを対象に取る《残骸の漂着》は唱えることができなくなる。安心してシャナ率いる全軍で突撃をかまそう。シャライはマナ・コストが{3}{W}と、能力の割に軽めの設定なのが嬉しい。ラノワールから3ターン目に出すだけで勝ったも同然なゲームもあるかも。また、{4}{G}{G}を支払えば《ガヴォニーの居住区》よろしく全体強化できるのも大変に魅力的だ。
シャライに守られながら、シャライを強化する《黎明をもたらす者ライラ》も4ターン目に飛び出したりすると大変なことになる。
赤いデッキは相変わらず多く、緑単色のビートダウンも一大勢力となっている現状、5/5飛行・先制攻撃・絆魂というスペックは大変に頼もしい。殴れば相手のライフ差が10点拡がる、劣勢からでも1枚でまくる、そんなことが可能なパワーカードも除去にだけは弱いが、シャライで守るかシャナでプレッシャーをかけて除去を使わせるかして運用したいところ。
どうでもいいけど、ラとかシャとか言い過ぎてちょっと混乱してきた。シャライとライラなんてセットで「シャライラ」状態で使われてるしね(本当にどうでもいい)。
このデッキにも《ウルザの後継、カーン》の姿が。
強いプレインズウォーカーは色が合えばデッキに入るということが多いが、カーンの場合はその逆で色を選ばないからこそ強いという状態。劣勢をまくるタイプのカードではないが、とにかく硬くて倒しにくく、カード2枚以上の働きは果たすウルザの後継と名乗るに相応しいカードだ。ラノワールから3ターン目に出てくると相手はしんどい。トークンを生成してシャナを育て、シャライがいると《ヴラスカの侮辱》を喰らわないと、デッキのカードとの相性もばっちりだ。しばらくはありとあらゆる中速デッキでこの銀のゴーレムの姿を見ることになるだろう。
あれこれと捻った発想を元に作られたわけではなく、シンプルな強さを目指して作られたデッキだろう。見た目も整っており完成度が高く見えるが、シャライの枚数を増やしたり、もっとトークン・デッキとしてのアプローチを模索してみるなど、緑白のクリーチャーデッキの可能性はまだまだ未知数。さあ、探究の旅に出かけよう!
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