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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:ウェルダー&ペインター(レガシー)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:ウェルダー&ペインター(レガシー)
by 岩SHOW
マジックには同一のカードでも通常のものと、箔押し仕様の光輝くプレミアム・カードとが存在する。かつては今よりも封入率が低く、手に入れるのは至難の業だった。
コレクターたちにとって至高の逸品とされていたのは『ウルザズ・レガシー』のレアカード、《ゴブリンの溶接工》だ。
1マナ1/1、戦場と墓地のアーティファクトを置き換えるという特殊な能力を持っている。その能力のニッチさと、ボスの金物野郎を壊して灰皿を作ってあげるという実にゴブリンらしいフレイバーテキスト、そしてかわいいイラストから大好きなカードだったのだが、これがプレミアムになると大変な価値のあるものとして珍重されトレードされていると聞き、驚いたものである。
スタンダードでは使われることがなかったが、後々さまざまなフォーマットで活躍。《直観》や《適者生存》で墓地に落とされた《隔離するタイタン》《白金の天使》を戦場へと送り出す動きは多くのプレイヤーを苦しめた。実力と名声を兼ね備えた、僕の世代にとってはスーパースターのような1枚だったのだ。
そんな溶接工の姿を実に久しぶりに拝んだので、喜び勇んでここで紹介させていただこう。レガシーの伝統的なコンボデッキに溶接工が参入!コンボルートが増えて面白い動きが可能となった「ペインター」デッキだ!
1 《島》 1 《山》 2 《Volcanic Island》 1 《Underground Sea》 4 《沸騰する小湖》 3 《教議会の座席》 2 《大焼炉》 1 《囁きの大霊堂》 3 《古えの墳墓》 1 《発明博覧会》 -土地(19)- 4 《ゴブリンの溶接工》 4 《絵描きの召使い》 2 《悪意の大梟》 -クリーチャー(10)- |
3 《オパールのモックス》 1 《ライオンの瞳のダイアモンド》 4 《渦まく知識》 4 《丸砥石》 3 《紅蓮破》 1 《虚無の呪文爆弾》 2 《アズカンタの探索》 1 《罠の橋》 4 《意志の力》 1 《稲妻のすね当て》 2 《密輸人の回転翼機》 2 《サヒーリ・ライ》 3 《ボーラスの工作員、テゼレット》 -呪文(31)- |
1 《ファイレクシアの破棄者》 1 《呪文滑り》 1 《狼狽の嵐》 1 《墓掘りの檻》 1 《真髄の針》 1 《赤霊破》 1 《外科的摘出》 1 《古えの遺恨》 2 《血染めの月》 1 《罠の橋》 1 《ギラプールの霊気格子》 1 《仕組まれた爆薬》 1 《巧妙な偶像破壊者、ダレッティ》 1 《反逆の先導者、チャンドラ》 -サイドボード(15)- |
どんなデッキ?
《絵描きの召使い》はありとあらゆる領域にあるカードに、指定された色を追加するユニークな1枚。これと《丸砥石》を組み合わせると一撃必殺のコンボが完成する。
この2枚を揃えたうえで、対戦相手を対象として《丸砥石》を起動、ライブラリーの上から2枚を墓地に置く。その2枚はどんなカードであっても、召使いの能力により共通の色を持っているので、この工程をもう一度繰り返す。また同じ、もう一度......対戦相手のライブラリーが削り切れるまでループが発生し、そのままカードが引けなくなった相手は敗北となる。
カード2枚で勝利というお手軽さと、どちらもアーティファクトであるという共通のタイプを持つためさまざまなシナジーを絡めたデッキを作成することが可能で、レガシーでは召使い登場以降マニアに愛されるデッキとして生き続けている。
かつては赤単色で組まれることが多いデッキだったが、今では青と絡めて《渦まく知識》《意志の力》でコンボ成立をサポートする構成のものが主流に。
そして本日紹介するタイプはそこに黒も追加して《ボーラスの工作員、テゼレット》も加えて、コンボで勝てない場合は《罠の橋》で自身を守りながら[-4]能力を2度ほど用いてライフを吸い尽くすというサブプランを用意してあるのだ。
このデッキにおける溶接工の役割は、コンボパーツの回収だ。手札破壊や打ち消し、除去などで《絵描きの召使い》《丸砥石》が墓地に置かれても溶接工におまかせ! 「グリクシス(青黒赤)ペインター」と呼んでも良いが、せっかくなので「ウェルダー&ペインター(溶接工と絵描き)」みたいなオシャレな名前で呼んであげたいものである。
テクニック!
《ゴブリンの溶接工》+《丸砥石》:《丸砥石》は戦場に出てあとは召使いを......という状況なら、自身に《丸砥石》の能力を起動し、墓地にそれが落ちたところを溶接工で拾う......というちょっとしたテクニック。《稲妻のすね当て》も添えて、より安全なコンボを決めたいところ。
《ゴブリンの溶接工》+《虚無の呪文爆弾》:溶接工の能力で墓地に置かれても呪文爆弾の能力は誘発する。細かいアドバンテージを取りに行きたい。墓地を利用するデッキ相手には何度も回収して投げつけてやろう。
《ゴブリンの溶接工》+《サヒーリ・ライ》:サヒーリで溶接工のコピー・トークンを作る。それ自身がアーティファクトであり速攻持ちなので、そのトークンと墓地のアーティファクトを即座に入れ替えることが可能だ。ゴブリンを模した機械が自身を《罠の橋》に組み替える光景などはシュールでグッとくる。
《絵描きの召使い》+《紅蓮破》:召使いで指定する色は基本的には青。これによりどんな呪文やパーマネントでも《紅蓮破》で対象に取ることが可能に。1マナの確定打ち消し or パーマネント破壊って、そんな万能な呪文たまらないよ。対戦相手も《紅蓮破》を用いてくる際には注意。
余談だが、Magic Onlineでこのカードを使用すると下の画像のように本当に色がつくのでなかなか面白い光景となる。旧枠の多色カードとなった溶接工がカッコイイ。
注目のカード:《密輸人の回転翼機》
溶接工、召使い、《悪意の大梟》とクリーチャーが合計10枚採用されているため乗り手には困らないとの判断で採用されたのだろう。実際に使ってみると、攻撃 or ブロックに参加しつつコンボパーツを探しに行くことができ、アーティファクトを捨てれば溶接工で回収が可能と面白い動きができる。これの枚数をもっと増やして、何か意表を突くアーティファクトを墓地から釣り上げるサブプランを強化してみても面白いだろう。
この時代に溶接工は貧弱ではないかと思ったのだが、使ってみるとこれがなかなかにいやらしい動きをしてくれて、対戦相手を苦しめる強さがあることがよくわかった。手札と盤面をよく見ると......ん?あぁこんな動きもできるのか! と発見が多数隠されている。
溶接工のようなカードを使いこなして勝つと、なんというか最高に満たされるので......普通のデッキじゃ物足りないという方にこそオススメだ! 僕自身も溶接工デッキをちょっと調整したくなったので、また機会があれば紹介するかもね!
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