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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:セレズニア・アグロ(スタンダード)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:セレズニア・アグロ(スタンダード)
by 岩SHOW
ワールド・マジック・カップの試合を見ていて、強く印象に残ったカードがある。《旗幟 // 鮮明》だ。
《旗幟》はクリーチャー1体のサイズを自身がコントロールしているクリーチャーの数に等しい値だけアップさせ、トランプルを与える。《巨大化》系の呪文で、トランプルの付与と1マナという軽さが強みだが、ソーサリーであるためコンバットトリックとしては使用できず、使い勝手はよろしいとは言いづらいという短所がある。
墓地から唱えられる《鮮明》は、相手のクリーチャーを2体タップしつつ、こちらのクリーチャーに警戒を付与する。2マナで相手のクリーチャー2体に対処でき、警戒によって次のターンのブロッカーのことを考えずにフルアタックが可能。なかなか悪くないが、こちらも見えていると効果が薄いという弱点があるにはある。
使い方としては、相手の土地が寝ている隙に《旗幟》でクリーチャーを大きくして、解決後にすぐ《鮮明》でこじ開けてのワンショット狙いが主たるものとなる。ソーサリーだからなぁなんて侮っていたのだが、同イベントにて韓国代表が使用していたデッキに入っていたこの呪文は恐るべき効果を発揮している盤面もあり、思っていたよりも怖い呪文だなと思い知らされたものである。この呪文を効果的に使えるだけのクリーチャーが揃ってきたというのもあるだろう。
今日はそんな《旗幟 // 鮮明》デッキ、「セレズニア(緑白)アグロ」をご紹介しよう。
7 《平地》 5 《森》 1 《まばらな木立ち》 4 《陽花弁の木立ち》 3 《ハシェプのオアシス》 3 《シェフェトの砂丘》 -土地(23)- 3 《聖なる猫》 2 《ナーナムの改革派》 4 《アダントの先兵》 4 《典雅な襲撃者》 4 《マーフォークの枝渡り》 4 《立て直しのケンラ》 2 《キンジャーリの陽光翼》 2 《信義の神オケチラ》 -クリーチャー(25)- |
4 《顕在的防御》 2 《軍団の上陸》 4 《旗幟 // 鮮明》 2 《霊気圏の収集艇》 -呪文(12)- |
2 《英雄的介入》 1 《空鯨捕りの一撃》 2 《排斥》 2 《イクサランの束縛》 1 《ギデオンの介入》 1 《残骸の漂着》 2 《燻蒸》 1 《領事の旗艦、スカイソブリン》 2 《試練に臨むギデオン》 1 《不撓のアジャニ》 -サイドボード(15)- |
デッキとして近いものは『イクサラン』発売直後にすでに紹介している。「緑白トークン」に似通ったものではあるが、あのデッキのように吸血鬼シナジーを重視しているわけではなく、環境に存在する低マナ域の緑と白のクリーチャーを詰め合わせたデッキに仕上がっている。
こういった、シナジーよりも単体の強さを重視したカード選択に基づく構築をグッドスタッフと呼ぶ。カードの噛み合わせによる爆発力よりも、似たようなカードを多数採用することで毎回同じような動きをする安定重視であると言えばわかりやすいかな。
この手のデッキは、とにかくプレイングが簡単というのが初心者には嬉しいところ。クリーチャーを出せるものから出していって、殴る。以上! もちろん、最大効率の展開や場面によってどこまで殴りにいくのかなどの考えなければいけないこともあるにはあるが、それ以前の肝心要なデッキの動かし方に関しては難しいところはない。そういった引き出しは後からついてくるものなので、まずはこういうとっつきやすいデッキでマジックに慣れ親しむことが大事かなと。
なので近くにマジックをやってみたい、興味があるという人がいる場合には、今このタイミングであればこのデッキを用意してあげるのが良いんじゃないかな、なんて思うね。他のデッキとパーツも被らないので、用意する側にも負担になりにくいのも良いところ。
クリーチャーの数が並べば恩恵を受けられる《軍団の上陸》《信義の神オケチラ》があるので、これらを有効に使うことを考えれば3体以上は展開しながらゲームを進めていきたい。自ずと《旗幟》の叩き出すダメージ値も上がり、ワンショットキルを狙いやすくなるというものだ。オケチラや《典雅な襲撃者》の二段攻撃を絡めて決めてみたいもんだ。
この《旗幟》は単に対戦相手のライフを狙うためのものではないということも覚えておこう。《軍団の上陸》より生み出される吸血鬼・トークン、《聖なる猫》、そして《霊気圏の収集艇》と絆魂を持ったクリーチャーがこのデッキには採用されている。これらのパワーを上昇させて回復量を高めてやり、たとえ相手のクリーチャーでブロックされてしまってもライフを上昇させることでダメージのやりとり、いわゆるダメージレースにおいて優位に立つことができる。《立て直しのケンラ》もこれをサポートするので、そのあたりを意識しながら戦ってみよう。
速攻クリーチャーを封じる《キンジャーリの陽光翼》もいるため、赤い速攻デッキ「ラムナプ・レッド」相手には有利に戦えるとされている。環境に最も多いデッキ相手に有利なのであれば、デッキとして選ぶ理由になるね。
「旗幟鮮明」とは、旗印がはっきりして鮮やかである様から生まれた言葉で、主義主張や態度がはっきりしている状態をたとえる際に用いられる。このデッキの主義はシンプルなもので、まさしく旗幟鮮明デッキと呼ぶことができるだろう。とにかく、睨み合うような状況ではこの呪文と絆魂や二段攻撃を持ったクリーチャーの相性が抜群で、これを武器に今後のスタンダード環境でも生き延びていくことになるんじゃないかなと。
『イクサランの相克』にて、この主張により合致するクリーチャーたちを手に入れてさらに完成度を高めれば、スタンダードの台風の目となれるかもしれない。最近マジックを始めたという方、これからという方、猫も犬(ジャッカル)も好きな方、皆さんにオススメできるデッキなので、ここからマジックを楽しんでみてね!
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