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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:スゥルタイ・リアニメイト(スタンダード)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:スゥルタイ・リアニメイト(スタンダード)
by 岩SHOW
「あなたがマジックをする理由は何ですか?」
人によっては簡単かもしれないし、人によってはとても難しい質問となっていることだろう。なぜこんなことを言い出したのか。それは『イクサラン』の発表があったからだ。新カードの姿を見て、皆はどう思ったのだろうか。僕は......ときめいた。
恐竜カードはわかりやすく、地上をのし歩くパワフルな生物を表現している。《殺戮の暴君》のように現実的なスペックで強力なものもいれば、《太陽の化身、ギシャス》のようにドデカいコストにド派手な能力という夢の塊のようなものまで。まだまだ公開されていない、魅力的な恐竜がいるのかと思うとワクワクが止まらない。恐竜つながりで、《絶滅の星》が持つフレイバーなんかは最高だ。恐竜デッキ相手にこれをぶっ放すのは、創造神にでもなったかのような気分を味わえることだろう。
海賊もノリノリで使えそうなデザインであり、宝物に関する各種カードも冒険を体験することができるのではないかと、新たな環境のデッキを作るのが楽しみでしょうがない気持ちになった。
このワクワク感が、大事なんだろうなと......深夜の新カード発表によりテンションが上がり切ったせいで夜更かししてしまった僕は、一人でそんなことを考えていたものである。
どこかで、忘れてしまっていないだろうか。マジックとは、ワクワクさせてくれるゲームだということを。僕なんかは「このカードを使ったらどうなるんだろう」と胸を躍らせながら学校が終わるのを待って、ダッシュで帰宅して友人宅に集まり、新しいカードを使ったデッキを持ち寄って対戦したものである。それは最高に楽しい、本当にかけがえのない、財産のような時間だった。
カードパワーが高いか低いかなんてわからない、だからこそ純粋に良いなと思ったカードを愛し、それを使ったデッキを構築した。大人になるにつれて「○○は□□の下位互換」という理由で、カードやデッキを使うのを避けてしまっていないだろうか。本当は、それが好きなのに。好きなもの、使ったらいいんだよ!
4 《沼》 3 《森》 3 《島》 4 《花盛りの湿地》 2 《風切る泥沼》 3 《植物の聖域》 1 《伐採地の滝》 2 《窪み渓谷》 -土地(22)- 4 《機知の勇者》 1 《墓後家蜘蛛、イシュカナ》 1 《スカラベの神》 3 《害悪の機械巨人》 2 《陰謀の悪魔》 2 《穢れた血、ラザケシュ》 -クリーチャー(13)- |
4 《ウルヴェンワルド横断》 3 《致命的な一押し》 4 《巧みな軍略》 3 《闇の掌握》 3 《ジェイスの誓い》 3 《ヤヘンニの巧技》 2 《末永く》 3 《死の権威、リリアナ》 -呪文(25)- |
1 《刻み角》 1 《高木背の踏みつけ》 2 《払拭》 1 《致命的な一押し》 2 《否認》 2 《精神背信》 1 《闇の掌握》 2 《大災厄》 2 《餌食》 1 《人工物への興味》 -サイドボード(15)- |
現行スタンダードの好きなカードを詰め込んだ、そんな製作者の意図が伝わってくる魅力的なデッキリストだ。《死の権威、リリアナ》と《末永く》で墓地から大型クリーチャーを釣り上げて、盤面を力でねじ伏せてやろうと言わんばかりので構成で、何とも楽しそうである。
何度かこのようなスゥルタイ(青黒緑)のリアニメイト(墓地から大型クリーチャーを釣り上げるデッキ)と対戦をした経験から、あえて言おう。このデッキは、そんなに強くない。例えば大型クリーチャーを運用するのであれば、「赤緑ランプ」なんかの方が確実性が高く、また「黒単ゾンビ」に強いなどの明確な使用すべき理由がある。同じ墓地を使うデッキで見ても「ジェスカイGPG」の方に完成度と安定性という点で軍配が上がる。
だったらこのデッキを使わずにそれらのデッキを使ったほうが良いのか?正しいのか?そんなことは決してない。この「スゥルタイ・リアニメイト」が他のデッキに勝っている点、もちろんあるとも。それは......プレインズウォーカーの中でも随一の人気を誇る美しいリリアナの力を借りて、大型クリーチャーを蘇らせて暴れまわることだ。
その怪獣に中には、彼女と契約を結んだあの大悪魔ラザケシュがいたり、ニコル・ボーラスの手先である《スカラベの神》がいたり......そういったフレイバー的な味わい方をしても良い。あるいは《陰謀の悪魔》を《末永く》で2体同時に釣り上げて、戦場を壊滅させつつ獲得した大量のエネルギーで能力を起動して死んだクリーチャーを蘇らせて隷属させる......オーバーキルの一言で片づけられそうな大仰なコンボを成し遂げてみたり......
とにかく、これらのカードが好きであれば、その好きな部分を骨の髄まで味わうことができそうな点。それが、このデッキのセールスポイントだ。もちろん、うまくデッキが回れば勝利することだってできる。そのラインを保ちながら、やりたいことをやっている。良いじゃないか。
今回何が言いたいのか、自分でもなんだかよくわからなくなってきたが......楽しもうと思う心が大事なんじゃないかと。無理に楽しむ必要はもちろんないが、好きでやってるゲームなんだから......楽しむ気持ち・姿勢を忘れずに、よくわからないデッキを作ったあの頃の気持ちを、もう一度!
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