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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:スゥルタイ・ローム(レガシー)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:スゥルタイ・ローム(レガシー)
by 岩SHOW
墓地は第二の手札である、とは『オデッセイ』のころによく目にした文言である。確かにそれまでは墓地ってのはその名の通り、使い終わった呪文と破壊されたパーマネントが眠る場所でしかなかった......黒を中心にごく一部のカードを除いてね。フラッシュバック・スレッショルドが登場したことで、相手の墓地への警戒を怠ってはいけないという意識が生まれたように思う。
個人的に「第二の手札」を強く実感したのはもっと後のことで、簡単に墓地のカードが本当に手札に入ってくる呪文を得た時......《壌土からの生命》(以下ローム)が世に現れた時だ。
これと、生け贄に捧げることでライブラリーから土地をサーチする、いわゆるフェッチランドの組み合わせは一級品。墓地からがさっと拾って、それらを普通に土地として再利用しても良いし、何か手札を捨てることをコストにする能力の支払いに充てても良い。で、またロームを発掘する。これにより墓地が肥え、自ずと拾える土地の選択肢が増えていく。地味なんだけども楽しいんだよなこれが。グルグルとシステムを回転させて、気が付けば盤面がめっちゃ有利になっている、そういうデッキが好きだなぁ。
ロームデッキにもいろいろあるが、今日はその中でも珍しいものをご紹介しよう。現レガシー環境における「スゥルタイ・ローム」だ!
1 《森》 1 《島》 1 《沼》 2 《Tropical Island》 1 《Bayou》 2 《Underground Sea》 3 《霧深い雨林》 3 《汚染された三角州》 1 《孤立した砂州》 1 《ボジューカの沼》 1 《カラカス》 4 《不毛の大地》 1 《暗黒の深部》 1 《演劇の舞台》 1 《ミシュラの工廠》 -土地(24)- 2 《死儀礼のシャーマン》 2 《瞬唱の魔道士》 3 《トレストの使者、レオヴォルド》 -クリーチャー(7)- |
4 《モックス・ダイアモンド》 4 《渦まく知識》 4 《輪作》 4 《突然の衰微》 2 《壌土からの生命》 2 《直観》 1 《毒の濁流》 4 《意志の力》 2 《ヴェールのリリアナ》 2 《精神を刻む者、ジェイス》 -呪文(29)- |
3 《悪意の大梟》 1 《ヴェンディリオン三人衆》 1 《造物の学者、ヴェンセール》 2 《外科的摘出》 2 《思考囲い》 1 《暗黒破》 1 《狼狽の嵐》 1 《森の知恵》 1 《大渦の脈動》 1 《精神壊しの罠》 1 《The Tabernacle at Pendrell Vale》 -サイドボード(15)- |
打ち消しとドローの青、手札破壊と除去の黒、クリーチャーとマナサポートの緑。この3つを合わせたスゥルタイ・カラーのデッキはレガシーでは多く見られる。続唱という能力にフォーカスしたもの、《秘密を掘り下げる者》で速やかに殴り勝つもの、《食物連鎖》や《魔の魅惑》を用いたコンボデッキ......何でもできるカラーリングだ。
今日はロームデッキ! ロームデッキは緑は当然として、昔から黒もサポートとして多く用いられてきた。ロームデッキはちょっと土地の割合が多くなるから、《闇の腹心》でノーリスク・オンリーリターンなアドバンテージの稼ぎ方ができたものだ。ロームを発掘するとドローが飛ばされるので、土地も土地以外のカードも引きたいという状況にはこのクリーチャーがぴったり。ロームと腹心でアドバンテージを取って《突撃の地鳴り》で勝つ「アグロローム」はレガシーの早い時期にはメタゲーム上で地位を確立していたものである。
本日のリストでは腹心はいないが、別ベクトルでロームデッキと相性の良い《死儀礼のシャーマン》が採用されている。青だって、ロームとは相性が良い。手札の枚数が増えるということは、《渦まく知識》《精神を刻む者、ジェイス》でそれらを有効なカードに変えることができるということ。量も質も、どっちもアドバンテージを稼ぎたいという飢えた僕らを満たしてくれようというわけだ。
ロームデッキのお約束ムーブで《モックス・ダイアモンド》での加速がある。これを使う事で失ったアドバンテージは即座にロームで回収可能、ズルいッッ。これで加速して......2ターン目に《ヴェールのリリアナ》で開幕から蓋をしにかかるってのも良いんじゃないかな。あるいは《トレストの使者、レオヴォルド》も良いね。こっちの《不毛の大地》は相手の土地をバキバキ割るのに、相手がこっちの土地を割るのはタダじゃ許さんと1枚ドロー。恐ろしいクレーマーである。このクリーチャーでアドバンテージ差を圧倒的なものにしつつ、勝利へと向かおう。
勝ちパターンは《直観》から突然降ってくる。持ってくるのは《演劇の舞台》《暗黒の深部》そして持っていなければ《壌土からの生命》。この3枚を持ってくれば、相手がどのカードを選んだとしてもコンボパーツが手元に揃う。
このコラムで度々取り上げている、《演劇の舞台》で《暗黒の深部》コピー→深部のコピーを戦場に残すことを選び、カウンターが0個の深部を生け贄に捧げてマリット・レイジ・トークンを戦場にお招きしよう。20点パンチでサクッと勝利だ。このプランが何度失敗しようが、ロームで拾って邪神復活を連打すればいずれは一撃必殺をお見舞いできるはずだ。あんまり焦らずに、主導権はこちらにあると言わんばかりの態度で悠々といこう(プレイ態度は紳士たれ)。
《直観》同様に《輪作》もコンボ成立を助けるナイスサーチ。《瞬唱の魔道士》からの連打で決めるという手も常に視野に入れながらプレイしたい。《ボジューカの沼》《カラカス》と状況に合った対策カードを持ってこられる、頼もしい1マナ呪文でもある。
ロームは2枚に抑えられているので、これに依存しているというよりはあくまでアドバンテージ獲得手段として、コントロールデッキに搭載したという作りになっている。盤面を固めて、《意志の力》で対コンボも安心。こういうデッキ、好き。手札が常にいっぱいで嬉しい!というゲームを味わいたい方にオススメしたい。こういうデッキが鰻のたれに見えてきて、白飯を食えるようになれば君も立派なローミストだ(ここは空腹状態で書いたので、自分でも何を言っているのかよくわからない)。
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