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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:緑黒感染(モダン)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:緑黒感染(モダン)
by 岩SHOW
黒と緑は本当に仲が良い。マジック黎明期には「敵対色」と銘打って、お互いに相手に絶対に対処できないレベルのアンチカードを持ってバチバチと火花を散らす関係だったが、『アポカリプス』にて電撃和解。《魂売り》《破滅的な行為》と頭一つ抜けたパワーカードを生み出し、それまでの険悪さが嘘のようにタッグを組んで暴れまわった。
時代はちょいと進んでゴルガリ団のいるラヴニカへ。数々の名デッキを生み出した発掘能力持ち、《死儀礼のシャーマン》《突然の衰微》という全フォーマットを股に掛けるパワーカード......現在のスタンダードでも、「黒緑昂揚」は環境を定義するデッキの1つとして君臨している。個人的には好きな組み合わせなので、ドラフトなんかでもついついやりたくなってしまう(『霊気紛争』ではどんなアーキタイプになるかな......)。
先日、モダンにおける古き良き黒緑デッキ「The Rock2016」をご紹介したばかりだが、今日もモダンのこの2色のデッキを。いや~、紹介せずにはいられないカッコ良さだったもので......プロツアー『霊気紛争』地域予選、桃園大会のTOP8に進出した「黒緑感染」をその目に焼き付けてくれ!
1 《森》 1 《沼》 3 《草むした墓》 4 《新緑の地下墓地》 4 《霧深い雨林》 2 《ペンデルヘイヴン》 4 《墨蛾の生息地》 1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 -土地(20)- 4 《ぎらつかせのエルフ》 4 《貴族の教主》 4 《疫病のとげ刺し》 4 《ファイレクシアの十字軍》 -クリーチャー(16)- |
4 《コジレックの審問》 4 《古きクローサの力》 4 《変異原性の成長》 3 《顕在的防御》 3 《巨森の蔦》 2 《怨恨》 2 《突然の衰微》 2 《強大化》 -呪文(24)- |
2 《呪文滑り》 3 《台所の嫌がらせ屋》 1 《ヴィリジアンの堕落者》 1 《自然の要求》 2 《野生の抵抗》 3 《貪欲な罠》 2 《忍び寄る腐食》 -サイドボード(14)- |
一般的な「感染」は緑と青で組まれる。緑には最軽量の感染クリーチャー《ぎらつかせのエルフ》がおり、また《変異原性の成長》《強大化》のような《巨大化》系呪文......中でも《巨森の蔦》《顕在的防御》といった除去耐性を与えつつパワーを上昇させるカードを有している。
対して青は、《荒廃の工作員》という最強の回避能力を持った感染クリーチャーを抱えているのが最大のセールスポイント。それに加えて《ギタクシア派の調査》(これはまあ青くないデッキでも使えるが)に《呪文貫き》といった小回りが利きつつ、対戦相手のアクションを把握しつつ弾く呪文を用いてクロック・パーミッションとして立ち回ることを可能にする。感染クリーチャーは《ぎらつかせのエルフ》《荒廃の工作員》そして《墨蛾の生息地》の12枚体制が一般的だ(《ヴィリジアンの堕落者》をメインから採用する形もある)。
これに対して、青ではなく黒を選んだのがこのデッキ。黒を採用すると得られるものは? まず、クリーチャーから。《荒廃の工作員》と交代で入るのは、《疫病のとげ刺し》。
マナ・コストと打点は同じ、違いはブロックされない能力が飛行に置き換わっていること。一見すると、性能はダウンしているように見える。実際に、対戦相手が飛行クリーチャーを有するデッキだった場合はあっさりとブロックされてしまうことも。ただ、飛行持ちということは対戦相手の飛行に強いというのもまた事実。工作員はパワー10の墨蛾の攻撃を見上げることしかできないが、とげ刺しならブロックすることができる。こういった微妙な差が、ゲームを分けることもあるのだ。
続いて、黒を採用することで感染クリーチャー界でも最強クラスの戦闘能力を誇る《ファイレクシアの十字軍》を用いることができる。プロテクション(白)と(赤)。除去耐性は抜群だ。先制攻撃により中途半端なサイズの《タルモゴイフ》などのクリーチャーの攻撃を牽制。戦場に出てしまえば、ムチャクチャ頼りになること間違いなしだ。最近のモダンでは赤白のコントロールデッキ(「Sun & Moon」と呼ばれていたりするね。)が流行っていたり、その他のデッキでも除去を《流刑への道》《稲妻》《終止》などに頼っていたりする。プロテクション(白)および(赤)は除去耐性の中でも最高品質と言って良い。
このタフなクリーチャーを《貴族の教主》から2ターン目に展開!なんてできたら勝ったも同然なマッチアップも少なからず存在することだろう。絶対に除去されずブロックもされない、というタイミングは存在するので、そこで《強大化》などをオールインしてサクッと勝利してやろう。ただし、白いデッキ相手にサイド後調子に乗ると《神聖な協力》で簡単に対処されてしまうことも。勝てる時はドカンと一撃で勝てるのだから、対戦相手が2マナを立てていたら目先の2点を取りに行こうとせず、一緒に攻撃するお供を準備してから殴るように気を付けよう。
黒を取ったことで《コジレックの審問》をメインから採用できるようになった。手札破壊はクリーチャー・コンボを狙うデッキにとってはいつだってベストフレンド。これにより青緑のデッキよりも楽に勝てるマッチアップも存在することだろう。ただ、サイドボードが青よりも柔軟でなくなっているのが難点か。青ならば《払拭》などの追加の打ち消しが取れて他のコンボデッキや同型に対して強くなったりするのだが、黒にはそこまで便利なサイドカードが存在していないのが実状だ。ただ、このデッキのように《貪欲な罠》を採用して、それが0マナで唱えられる条件を満たしていない場面でも素で唱えることができるのは利点だ。《四肢切断》にも同様のことが言える。
黒の形もまだ研究されていないだけで、ベストなサイドカードが発見されていないだけかもしれないね。緑と黒の相性は冒頭でも述べたようにバッチリなはず、果たして青緑越えなるか?
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