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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:徹底比較!バント・カンパニー(スタンダード)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:徹底比較!バント・カンパニー(スタンダード)
by 岩SHOW
毎度毎度スタンダードのデッキ紹介を書いていて......各地のトーナメント結果にひたすらに名を連ねるデッキがあるんですわ。もうなんかいろんな感覚が失われそうなくらい......毎日目にするデッキの名は「バント・カンパニー」。現スタンダードのトーナメントでこれがTOP8に名を連ねないなんてことが起こったら、そりゃもうハッキリ言って異常事態だ。
それほどまでに安定して強いデッキではあるのだが......そのデッキリストは、実は誰もが同じものを使用しているというわけではない。各地の大型トーナメントで結果を残したリストにも、細かいようで大きな差が存在しているのだ。
というわけで、今日は定番デッキとなった「バント・カンパニー」のデッキリストを見比べてみることにしよう。まずは先のプロツアー『異界月』にてTOP8の成績を残した日本のプレイヤーの1人、高橋優太のリストからいってみよう!
4 《森》 4 《平地》 1 《島》 3 《梢の眺望》 3 《大草原の川》 4 《ヤヴィマヤの沿岸》 2 《伐採地の滝》 4 《進化する未開地》 -土地(25)- 4 《薄暮見の徴募兵》 4 《ヴリンの神童、ジェイス》 4 《森の代言者》 4 《反射魔道士》 4 《呪文捕らえ》 4 《不屈の追跡者》 2 《巨森の予見者、ニッサ》 -クリーチャー(26)- |
4 《ドロモカの命令》 4 《集合した中隊》 1 《オジュタイの命令》 -呪文(9)- |
1 《苛性イモムシ》 3 《ラムホルトの平和主義者》 2 《ランタンの斥候》 4 《否認》 2 《石の宣告》 2 《神聖なる月光》 1 《即時却下》 -サイドボード(15)- |
『異界月』からの新加入カードは、メインは《呪文捕らえ》4枚、サイドは《即時却下》1枚に抑えられている。『異界月』発売から「StarCityGames.com Open」や「BIG MAGIC Open」と続けて優勝した「バント・カンパニー」、その両者のリストには《呪文捕らえ》のみならず《無私の霊魂》《異端聖戦士、サリア》が大量に投入されていたのだが、そこをスパッと切って、代わりに《ヴリンの神童、ジェイス》をしっかりと4枚採用しているのが特徴的だ。
《無私の霊魂》不採用の理由は《最後の望み、リリアナ》を意識したためとのことで、「緑黒昂揚」との対戦を強く意識していたことが窺える。最近は3枚に抑えられるのが主流となっていた《不屈の追跡者》も4枚フル投入。またよくサイドボードで目にする《巨森の予見者、ニッサ》もメインから搭載して、細かなクリーチャーで序盤から殴っていくというよりはアドバンテージの勝負では絶対に負けないデッキに仕上がっている。定番のパワーカード《大天使アヴァシン》も採用せず、クリーチャーはすべて《集合した中隊》から飛び出す仕様になっているのもポイント。
余談ではあるが、「あんちゃん」こと高橋選手は僕ら実況組と同じ飛行機での出発だった。夜間のフライトを待つ間、搭乗ゲートにて黙々とノートパソコンでMagic Onlineをプレイ、この「バント・カンパニー」を回している姿は、本の虫ならぬマジックの虫だった。虫と言えば、サイドの《苛性イモムシ》は実にシブいね。やり込みを感じさせる1枚だ。
3 《森》 6 《平地》 1 《島》 3 《要塞化した村》 3 《大草原の川》 4 《ヤヴィマヤの沿岸》 2 《伐採地の滝》 4 《進化する未開地》 -土地(26)- 4 《薄暮見の徴募兵》 4 《無私の霊魂》 4 《森の代言者》 1 《ヴリンの神童、ジェイス》 4 《反射魔道士》 4 《呪文捕らえ》 3 《不屈の追跡者》 2 《大天使アヴァシン》 -クリーチャー(26)- |
4 《ドロモカの命令》 4 《集合した中隊》 -呪文(8)- |
3 《節くれ木のドライアド》 1 《ヴリンの神童、ジェイス》 2 《巨森の予見者、ニッサ》 1 《不屈の追跡者》 1 《支配の天使》 1 《否認》 2 《オジュタイの命令》 2 《意思の激突》 2 《実地研究者、タミヨウ》 -サイドボード(15)- |
続いては同プロツアーにて同じ「バント・カンパニー」でTOP4まで勝ち上がったルイス・スコット=ヴァーガス/Luis Scott-Vargasのリストを。こちらは先ほどとは対照的に《無私の霊魂》を4枚採用しているタイプだ。
2ターン目に展開してガシガシ殴っていくことのできるクリーチャーを増やし、クリーチャーを横に並べるデッキを食おうと《コジレックの帰還》を用いるデッキ相手にはそれに対抗する手段として機能する。自身が関わるチームの面々がこの《コジレックの帰還》を活用する「ティムール現出」「赤緑昂揚ランプ」を開発したということを把握していたであろうことも、この構成での出場を後押ししたのかもしれない。
サイドボードの《節くれ木のドライアド》は対戦相手のクリーチャーに睨みを利かせてくれるナイスチョイス。これで地上を止め、10枚の飛行クリーチャーで殴り切るというゲームプランは同系相手には良さそうに見える。《支配の天使》も地上クリーチャーがズラリとお見合いする展開にしばしば陥る同系戦を意識した1枚。相手のクリーチャーをすべてタップして、1度の攻撃でライフを削り取れ!
プロツアーで最も輝いていたサイドカードは《実地研究者、タミヨウ》。これでエムラクールなどをタップして最後の数点を削り切る、劇的な逆転シーンをまだ観ていないのであれば、是非ともタイムシフトをチェックしていただきたい。
プロツアー『異界月』 日本語実況生放送
日程 | 放送日 | 放送時間 | 放送ページ |
1日目(予選ラウンド) | 8月5日(金) | 8:00~18:00 | 放送ページ |
2日目(予選ラウンド) | 8月6日(土) | 8:00~18:00 | 放送ページ |
3日目(決勝プレイオフ) | 8月7日(日) | 8:00~18:00 | 放送ページ |
この週末のルイスさんは強そうなオーラがムンムンだったなぁ。プロツアー3大会連続TOP8で世界選手権出場を勝ち取った彼の驚異的なプレイスピードも、デッキとともに要チェック!
4 《森》 5 《平地》 1 《島》 3 《梢の眺望》 4 《大草原の川》 3 《ヤヴィマヤの沿岸》 2 《伐採地の滝》 4 《進化する未開地》 -土地(26)- 4 《薄暮見の徴募兵》 4 《無私の霊魂》 4 《森の代言者》 4 《反射魔道士》 4 《呪文捕らえ》 4 《不屈の追跡者》 2 《巨森の予見者、ニッサ》 1 《異端聖戦士、サリア》 2 《大天使アヴァシン》 -クリーチャー(29)- |
4 《集合した中隊》 1 《オジュタイの命令》 -呪文(5)- |
1 《節くれ木のドライアド》 2 《ヴリンの神童、ジェイス》 1 《巨森の予見者、ニッサ》 1 《異端聖戦士、サリア》 1 《老いたる深海鬼》 2 《ドロモカの命令》 1 《石の宣告》 1 《否認》 1 《次元の激高》 1 《悲劇的な傲慢》 1 《意思の激突》 1 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 1 《実地研究者、タミヨウ》 -サイドボード(15)- |
ルイスさんと同じくマジック・プロツアー殿堂顕彰者の1人であるポール・リーツェル/Paul Rietzlがグランプリ・ポートランド2016で使用したものがコチラ。このリストの最大の注目点は、《ドロモカの命令》がメインに1枚も採用されていないところ。
上記2つのリストには4枚ずつ採用されていたこの万能インスタント、多くのプレイヤーは《集合した中隊》とともに必須パーツだと認識していたのではないだろうか。これをリストから排除し、その分クリーチャーを29枚とたっぷり採用。毎ターン淀みなくクリーチャーを展開していくことを重視したのだろう。
また、カンパニーへの対抗馬である「緑黒昂揚」を相手にした時にこのカードはほとんど役に立たず、同系で初手にあれば役には立つが、なくても戦えるということが判明したため、サイドボードに2枚を残すのみとしたこのデッキが誕生した......のだと思う。この思い切った構築がこのトーナメントにおいて正しかったということは、TOP8という成績が証明してくれている。
3 《森》 3 《平地》 3 《島》 3 《要塞化した村》 3 《大草原の川》 4 《ヤヴィマヤの沿岸》 2 《伐採地の滝》 4 《進化する未開地》 -土地(25)- 4 《薄暮見の徴募兵》 4 《森の代言者》 2 《無私の霊魂》 4 《反射魔道士》 4 《呪文捕らえ》 3 《不屈の追跡者》 2 《巨森の予見者、ニッサ》 2 《大天使アヴァシン》 2 《老いたる深海鬼》 -クリーチャー(27)- |
2 《ドロモカの命令》 1 《オジュタイの命令》 4 《集合した中隊》 1 《実地研究者、タミヨウ》 -呪文(8)- |
2 《ヴリンの神童、ジェイス》 1 《無私の霊魂》 3 《石の宣告》 2 《否認》 2 《即時却下》 1 《過去に学ぶ》 3 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 1 《実地研究者、タミヨウ》 -サイドボード(15)- |
最後にご覧いただくのはMagic Online上のプロツアー予選を勝ち抜いた最新の「バント・カンパニー」だ。「バント・アグロ」はこのデッキの象徴である《集合した中隊》を抜いて《老いたる深海鬼》と入れ替えるというアプローチを取ってきたが、このデッキではそれらを共存させるという荒業に挑戦している。
《ドロモカの命令》は2枚に抑えて《実地研究者、タミヨウ》をメインから採用するなど、よりカードパワーを重視したデッキに仕上げたというわけだ。個人的には好みの形で、中隊とタコを交互にプレイして地獄を生み出してみたいものだ。
今回は4つのデッキリストを紹介したが、これら以外にも《石の宣告》をメインから採用して盤面に触れるカードを増やしたものなど、人それぞれの「バント・カンパニー」の形があると言っても過言ではない。
デッキリストは参考にしつつも、「○○をX枚入れるのは△△のため」と、自分が採用しているカードとその採用枚数にはしっかりと自分の考えを添えるようにしよう! 今回は触れなかったが、マナベース(土地)の採用枚数が違うだけでデッキのパワーは大きく変化することになるぞ!
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