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市川ユウキの「プロツアー参戦記」
プロツアー・機械兵団の進軍 後編
こんにちはー、市川です。
後編の今回は「プロツアー・機械兵団の進軍」の大会レポートを綴っていこうと思います。よろしくお願いします。
0.ドラフト雑感
まずは『機械兵団の進軍』ドラフトの雑感から。
まず、前提として高レアリティ環境であること。『機械兵団の進軍』のドラフト・ブースターでは通常のレアスロットと他に「多元宇宙の伝説」「バトル」「両面」の各種スロットすべてでレア・神話レアが出る可能性があります。
レア1枚、アンコモン3枚、土地1枚、コモン10枚で基本となる他セットのブースターパックと比較すると、固定のコモンスロットがわずかに8枚と、2枚もコモンスロットが少なくなっています。
これだけ排出されるカードのレアリティが違えば、「相手が出してきたカード全部レア!」は言い過ぎにしても「相手が出してきたカード全部アンコモン以上!」は結構起こります。
当たり前ですが出るコモンカードの枚数が少なくなっているので、そもそも目当てのコモンが出なかったりもします。そのため、コモンの2マナクリーチャーを集めて再現性の高いビートダウンを目指すことも難しくなってきます。
その分ビートダウンを推奨される白緑、白赤はアンコモンのマルチカラーで優秀な2マナクリーチャーが用意されています。これらが遅くまで流れて来るなら参入のチャンスです。
白青も《ザルファーの司令官》が非常に強力ですね。逆にいうと同じくビートダウンしなければならない赤緑のアンコモンが《猛り狂うジオダーム》なのはかなり辛いと言えます。
最強アーキタイプは青黒。《光素を漁る者》、《アモンケットへの侵攻》とレアが強くないタイミングでは初手でも全然不満のないアンコモンを擁しています。
環境の平均レアリティが高く、対戦相手のボムレアと付き合わなければならない関係上《本質の同化》や《衝撃的な啓示》などのカードがスマートに入るのも環境にマッチしています。
その他優れたリソース獲得手段。
優秀な除去呪文と、コモンだけで足りていない要素がなく卓に一人であればレアがなくても青黒は強力なデッキになります。
派生として、青赤も優れたアーキタイプです。《羽づくろう勇者》と《火山の悪意》はパックに優れたカードがなければ初手でピックしても及第点なコモン2種類です。
青はぶっちぎりトップコモンの《羽づくろう勇者》なんかもありつつ、《隠れる分析者》や《光素蓄積のスカーブ》のような一周が期待出来るコモンカードもプレイアブルな事が多く、『機械兵団の進軍』環境では最強色と言っても良いと思います。
前述した黒や赤との噛み合わせも良いですし、とりあえず青いカードを集めておいて、黒か赤の優れたカードをつまんで青黒か青赤に入る流れはこの環境の理想的な動きだと考えます。
次点のアーキタイプは白系のビートダウンです。
前述した通り白緑、白赤、白青はマルチカラーのアンコモンが強力です。これらが複数枚取れるのが理想で、その色をピックしているのが卓で一人であることが重要になってきます。
上記3つの白系ビートダウンの中でも最も難しいのが赤白です。赤白は《鏡の盾の重装歩兵》と「多元宇宙の伝説」枠で《練達の職人、レヤブ》が出る関係上、2マナ域を高レアリティで埋めることが可能なのが長所です。
長所ではあるのですが、ピックは難解。《鏡の盾の重装歩兵》は賛助を求める一方《練達の職人、レヤブ》は装備品がないと出し辛い《灰色熊》ですから、それらの繊細なバランスを保つことは至難の業です。
ここまで挙がっていない緑系ですが、合言葉は「ボムレア」。
ビートダウンするには白ベースより優れている点が少なく、ロングゲームするのであれば青の方が器用。緑系が求めるのはレアリティです。1枚で勝てる《捕食の伝令、グリッサ》や《サリアとギトラグの怪物》などが要求されます。
幸い《前兆の追跡者》や《荒廃した芽ぐみ》などマナ加速、マナベースとなるカードはいずれもプレイアブルで脇を固めるカードは揃っています。
ただ、脇を固めるカードから集めていくと主役のいない舞台ともなりうるので、まずはボムレアから入りたい色でもあります。
と、ここまでこれが強いあれが弱いと挙げ連ねてきたわけですが、実際の所どのカラーパターンもやる気概はありました。これは前回の「プロツアー・ファイレクシア」で学んだ教訓です。
前回はMTGアリーナのランクマッチを主体としてドラフトを練習していたのですが、ランクマッチドラフトはプロツアーのフォーマットである卓ドラフトではありません。ランクマッチだとアーキタイプのピークがわかる反面、平均的なデッキでは勝てません。そのため強いアーキタイプしか環境に生存できず、弱いアーキタイプはやったら終わりくらいの認識になっていました。
その認識は卓ドラフトでは間違いでした。実際「プロツアー・ファイレクシア」の1stドラフトでは私が最弱と認識していたアーキタイプである白青で4人のプレイヤーが3勝0敗を果たしています。
今回は強いアーキタイプのディティールを詰めるのはもちろんのこと、弱いアーキタイプに参入するボーダーを見極める練習もしました。
白黒は《彫り込まれた完成態》が複数枚入ったら好成績を残せる、赤黒は《焼炉の手綱》を1周目で見ていたら返ってきやすいので参入を視野に入れるなど。
今回は前述した通り「多元宇宙の伝説」枠などで高レアリティのカードが大量に出る反面、それらに遭遇することは一人での経験では中々に網羅することはできません。その点はチームメイトの情報の共有が重要になってきます。
《呪文追い、ルーツリー》を相棒にすることにどれだけのバリューがあるのか。赤白はやりたくないけれど《戦導者オレリア》はメチャクチャ強いから流れてきたら赤白にオール・インもあり。《テイサ・カルロフ》は基本何もしない。有利な盤面だったけど相手が《死の飢えのタイタン、クロクサ》トップして一瞬で死んだ。《死体生まれのグリムグリン》たまに流れてくるけど強すぎる意味不明などなど……。
これくらいの情報でもないよりは全然マシです。問題なのはカードの強弱を誤ることであり、開封したパックにあった時、流れてきた時にこの情報を活かすことにあります。
そのため今回はドラフトの雑感はもとより、レアリティの高いカードについての感想なども密にチームメイトと情報を交換しました。
1.前日
今回のプロツアー会場があるミネアポリスは日本から直行便が出ており、それを選択しました。経由便と比較すると少しお値段は張りますが、1回乗ったら着く安心感は代えがたいものです。
その中でもプロツアー前日の木曜発~木曜着にすると水曜発より幾分お値段控えめなので、木曜発で向かいました。
ミネアポリスの街並み。自分の泊まった周辺はホテルやオフィスビルばかりで高い建物ばかりでした。
今回はプロツアー前日の夜にプレイヤー用のパーティがあるとのことだったので遊びに行ってきました。そうしたらフリードリンク、フリーフードでよきかなよきかな。
プロツアー当日もフリードリンクあり、軽食もおいてあったりと昔のプロツアーと比べて参加人数が半分程度になった代わりにプレイヤーに対して手厚く、ぜひぜひ続けていってほしいものです。
特にタコスは筆者の好物でアメリカに行ったら絶対一回は食べるので一石二鳥。手前にあるお肉はアサードというアルゼンチンのステーキみたいなものです、Netflixで得た知識です。
おかわりも自由なので2皿目のタコスを貪っていると、グランプリ・台北2016の決勝で戦ったファン・ユン=ミン/Huang Yung Mingさんに声を掛けられました。話を聞いていると台湾の地域チャンピオンシップで準優勝してプロツアーにカムバックしたみたいです。プレイヤーズツアー・名古屋2020以来なので実に3年ぶりの再会です。
声を掛けられてビックリしたのはファンさんの激ヤセ。「ユーキ、見ろよ。俺めっちゃ痩せたぜ」と英語でちょっと誇らしげに言っていたような気がしたので、「俺はクソ太ったぜ」と私も誇らしげに返しておきました。
2016年の写真、どうですか?
冗談とダイエットはさておき、古い友人に会えるのもプロツアーの醍醐味です。
2.初日/ドラフト
プロツアー会場入口、今回は会場が広すぎてフリープレイエリアと併設されていました。
フリープレイエリア、奥のスポットライトが点いているのがフィーチャーマッチエリア。それの手前にプロツアー用のプレイエリアがあります。
恐竜とファートリがお出迎えしてくれました。
1 《風に削られた岩山》 8 《山》 8 《平地》 -土地(17)- 1 《鏡の盾の重装歩兵》 1 《雪花石の徒党の聖別者》 1 《門口の断絶》 1 《剣誓いの騎兵》 1 《薄暮軍団の決闘者》 1 《血羽根のフェニックス》 1 《キスキンの雄山羊乗り》 1 《ザルファーの槍騎兵》 2 《印章持ちの歩哨》 1 《格納庫の整備士》 1 《悩まされる職工》 1 《ボーラ投石手》 1 《雪花石の徒党の仲裁者》 1 《戦導者オレリア》 -クリーチャー(15)- |
1 《コーの矛槍》 1 《火山の悪意》 1 《メルカディアへの侵攻》 1 《ベレノンへの侵攻》 1 《無法の戦慄艦》 2 《ケイレムへの侵攻》 1《大天使エルズペス》 -呪文(8)- |
-サイドボード(0)- |
第1回戦:vs赤黒 ○×○
第2回戦:vs赤白 ×○○
第3回戦:vs白黒 ×○×
まず、プロツアーのドラフトのルールについて。
今回はバトルも含めて少なくとも2枚の両面カードが出るのでそれらをどうするのかはゲーム性に大きく影響します。
- 全てスリーブに入った状態でドラフトが開始される
- 最初に8人で両面カードを公開する時間を取りピック時も全てそのままで行う
今までのプロツアーだといずれかの取り扱いでした。今回はというと……
Each player will find each DFC in the booster they opened.
All players will hold their DFCs up for each other player at the table to observe them. This should take approximately one minute.
Each player will then sleeve all the cards in the booster they opened. Sleeves will be provided by Wizards. All sleeves will be the same at each draft table. This should take no more than two (2) minutes.
Players will then draft using the normal procedure.
Steps 1-4 will repeat for boosters 2 & 3.
After deckbuilding, players should RE-SLEEVE their decks. If the sleeves on a draft deck cause the deck to be marked, penalties will apply.
これはウィザーズ・オブ・ザ・コースト社から来たメールの一文。
つまるところ、まずは8人でバトル含む両面カードを1分公開します。公開終了後自分たちでスリーブにすべてのカードを入れる。そのあと通常のドラフトと同じようにピックする、とのことでした。
今までになかったルール、かつこのルールがプレイヤーに公開されたのがプロツアー2週間前でした。テーブルトップで集まってドラフトの練習をしたのがそれより前だったので、このルールで行うドラフトはぶっつけ本番。
そのため想像を膨らませるしかありません。まずは上家、その上くらいが何を剥いたかが重要です。上家と被らないのがドラフトのセオリーですから、上が爆弾両面レアを公開していたらその色は避けるのが無難でしょう。
逆に2手目や3手目程度で流れてきそうなカードであればそれに寄せて初手や2手目をピックするのも悪くありません。
下家も上と比べたらそこまでではないですが、意識しても良いでしょう。2パック目は下家が自分の上になるので、返しのパックが寒くなることが予想されますからね。
それ以外は中々に覚えられません。なんせバトル含む16枚の両面カードが最低値ですから、そんな枚数1分で覚えるのは不可能です。なので《タルキールの砂丘造り》のようなプレイに値しないようなカードは脳から除外したりしていました。
《霊気刃の工作員》のような6手目くらいで流れてくると嬉しいカードが一番難しいですね。流れてきたらそういえばこのパックにあったなって感想になりますが、流れてこなくてもこのパックの両面カードは《霊気刃の工作員》だったなとはなかなかなりません。
そんなことを考えていると上家が《フィオーラへの侵攻》をチラリ。通常レア枠、「多元宇宙の伝説」枠ともに《フィオーラへの侵攻》を上回るレアは少数で、自分が黒をやる理由はほぼなくなりました。
一方自分の初手は《大天使エルズペス》。1枚で勝てるレア。
白はそこまで積極的にやりたい色ではありませんが、逆にいうとそれは他のプレイヤーも同じです。卓で少数派になりやすく、その色に参入する動機はむしろ歓迎です。
その後2手目では《フィオーラへの侵攻》がきっちり取られていることを確認しつつ4手目に《戦導者オレリア》が!《戦導者オレリア》は前述した通り自分が使った経験はありませんが、チーム内で白赤に参入する理由となるレベルのパワーカードと共有がありました。
チームメイトに感謝しつつ、そこから白赤に一直線!
その情報に偽りなく、2戦目は環境トップレベルの《帰還した王、ケンリス》を戦場に出されてゲームが続いていたのですが、《戦導者オレリア》をトップデックした瞬間に相手の場が壊滅して勝利しました。
3戦目は上家で《フィオーラへの侵攻》を公開していたプレイヤーに敗北。白赤は伝統的に白黒に相性が悪いです。クリーチャーサイズは同じくらいなんですが、白黒は《胆液飲み》のようなタフなクリーチャーが多いですからね。
相手のデッキも《フィオーラへの侵攻》のみ、というわけではなく複数枚の《彫り込まれた完成態》や《ニューカペナへの侵攻》など非常に完成度が高かったです。
私のデッキはパッと見3勝は難しそうに見えたので、2勝1敗で御の字といったところでしょう。
3.初日/構築
使用デッキは前回にも書いた通りグリクシス・リアニメイト。
1 《島》 1 《地底の大河》 1 《ラノワールの荒原》 2 《嵐削りの海岸》 2 《沼》 1 《硫黄泉》 2 《日没の道》 1 《コイロスの洞窟》 2 《落石の谷間》 4 《黒割れの崖》 2 《闇滑りの岸》 2 《シヴの浅瀬》 4 《ザンダーの居室》 1 《難破船の湿地》 -土地(26)- 4 《偉大なる統一者、アトラクサ》 4 《死体鑑定士》 4 《税血の収穫者》 -クリーチャー(12)- |
4 《鏡割りの寓話》 3 《勢団の銀行破り》 4 《ギックスの残虐》 1 《兄弟仲の終焉》 2 《強迫》 1 《否認》 3 《喉首狙い》 1 《かき消し》 3 《削剥》 -呪文(22)- |
2 《黙示録、シェオルドレッド》 3 《剃刀鞭の人体改造機》 1 《石術の連射》 1 《強迫》 1 《軽蔑的な一撃》 2 《否認》 1 《喉首狙い》 3 《切り崩し》 1 《勢団の銀行破り》 -サイドボード(15)- |
第4回戦:vs 5色ランプ ×○○
第5回戦:vs エスパー・レジェンズ ××
第6回戦:vs アゾリウス・兵士××
第7回戦:vs アゾリウス・兵士×○○
第8回戦:vs ラクドス・リアニメイト ○○
3勝2敗。ドラフトラウンドと合わせて5勝3敗で初日抜け。
途中2連敗で3勝3敗までいったので初日落ちもチラついたものの、そこから立て直せて良かったです。
世界選手権出場に向けて最低ラインの2日目進出を果たせて一安心。2日目4勝以上で次のプロツアーの権利、5勝以上で更にその次のプロツアーの権利まで獲得と、夢を見られるポジションで初日は終了。
4.2日目/ドラフト
9 《沼》 8 《島》 -土地(17)- 1 《胆液飲み》 1 《霊気刃の工作員》 1 《探検隊の見張り》 1 《サイバの暗号術師》 2 《フェアリーの黒幕》 1 《悲劇の神託者》 1 《光素を漁る者》 1 《隠れる分析者》 1 《シェオルドレッドの心酔者、ローナ》 1 《光素蓄積のスカーブ》 1 《高潮の恐怖》 1 《ファイレクシアのガルガンチュア》 -クリーチャー(13)- |
1 《不穏な変換》 1 《本質の同化》 2 《最期の一花》 2 《アモンケットへの侵攻》 1 《ぎらつく氾濫》 1 《命を奪う嘲笑》 1 《エルドレインへの侵攻》 1 《都和市の堕落》 -呪文(10)- |
-サイドボード(0)- |
第9回戦 :vs白緑 ×○○
第10回戦:vs赤白 ○○
第11回戦:vs白黒緑 ○○
初手は《アモンケットへの侵攻》。上の方で青黒に参入するレベルの両面カードが出なかったこと、下と下下で《ウラブラスク》、《カーサスへの侵攻》が出ていたことで赤はあまりやりたくなかった事が考慮されています。
2手目は《フェアリーの黒幕》。1枚で勝てるレアカードというほどではないんですが、環境にあったらだいたい青のトップコモンとなる《天空のアジサシ》の2周り以上強いカードだと考えたら、2手目で取るには十分なカードです。
2手目のパックの抜けは「多元宇宙の伝説」枠。青単色のこの枠は弱いカードが多いです。《核の占い師、ジン=ギタクシアス》や《湖に潜む者、エムリー》などデッキに入らないカードばかりで、逆に《帰還した王、ケンリス》や《囁く者、シェオルドレッド》のような初手級のカードは存在しません。
《フェアリーの黒幕》が流れてきていますので、少なくとも上家は青くないカードをピックしたことがわかります。
しかしその後は青黒の流れが悪く、《彫り込まれた完成態》や《ニューカペナへの侵攻》などのカードが一周付近で取れるなどしたので、1パック目終了時点では白黒も視野に入っていました。
ところが2パック目の初手で再びの《フェアリーの黒幕》。ここで覚悟を決めて青黒に舵を取りました。上家で《エリシュ・ノーン》が出ていて、それによって上付近が白くなるリスクも鑑みました。
その後は1パック目の流れがウソのように2パック目中盤で《光素を漁る者》、3パック目の4手目で《アモンケットへの侵攻》が流れて来るなどして、完成度の高い青黒になりました。
環境最強アーキタイプは不自由なくできたらそりゃあ強いってなもんで、3勝0敗をマーク。1回戦目の白緑戦が一番タイトなゲームでした。
上家のプレイヤーで《エリシュ・ノーン》はもちろん、3枚の《植物の喧嘩屋》を擁する強力なデッキでした。
23枚目で入れた《ぎらつく氾濫》が効果的なマッチアップが続いてラッキーでした。
ラッキーではありましたが、自分が青黒を構築しているのであれば他のプレイヤーが白か緑のデッキになりやすいので、メインデッキに入れやすかったという理由もあります。これは卓ドラフトならではですね。
これで初日のスコアと合わせて8勝3敗。プロツアー権利の獲得を越えて、プロツアーのトップ8も視野に入ってきました。
5.2日目/構築
第12回戦:vs ラクドス・ブリーチ ○○
第13回戦:vs ラクドス・ミッドレンジ ×○×
第14回戦:vs ラクドス・ミッドレンジ ×○○
第15回戦:vs ラクドス・ミッドレンジ ○○
第16回戦:vs ラクドス・リアニメイト ×○×
構築ラウンドは3勝2敗、勝てばトップ8の最終戦を負け、惜しくもトップ8に入りませんでした。
驚異のラクドス(黒赤)カラーのデッキ5連戦!メタゲーム・ブレイクダウンを見れば納得できるマッチアップではありますが、2日目の上位だったことを考えるとラクドス・ミッドレンジが勝ち組であったことは想像に難くありません。
1 《見捨てられたぬかるみ、竹沼》 4 《憑依された峰》 9 《沼》 2 《山》 4 《黒割れの崖》 4 《硫黄泉》 2 《反逆のるつぼ、霜剣山》 -土地(26)- 3 《黙示録、シェオルドレッド》 3 《墓地の侵入者》 4 《税血の収穫者》 -クリーチャー(10)- |
2 《希望の標、チャンドラ》 3 《切り崩し》 3 《勢団の銀行破り》 4 《鏡割りの寓話》 4 《絶望招来》 2 《夜を照らす》 2 《強迫》 3 《喉首狙い》 1 《削剥》 -呪文(24)- |
2 《ヴェールのリリアナ》 1 《剃刀鞭の人体改造機》 1 《勢団の銀行破り》 1 《魂転移》 2 《ぎらつく氾濫》 1 《抹消する稲妻》 2 《強迫》 2 《石術の連射》 1 《削剥》 1 《切り崩し》 1 《腐敗した再会》 -サイドボード(15)- |
ラクドス・ミッドレンジはカウンターがなく、グリクシス・ミッドレンジと比較してグリクシス・リアニメイトからすればやりやすい相手で、この隆盛は嬉しい誤算ではありました。
逆にチーム内ではグリクシス・ミッドレンジを使用したプレイヤーが多く、ラクドス・ミッドレンジもプレイテストはしていましたが《墓地の侵入者》や《ドロスの魔神》など脆さが気になるカードが多く、基本的にグリクシス・ミッドレンジの下位互換という認識だったので、ここまで多いのは驚きでした。
しかし結果は優勝したネイサン選手を筆頭に「Team Handshake」の面々がトップ8に4人と、ラクドス・ミッドレンジおよび「Team Handshake」が環境を席巻しました。この辺の認識のズレは次のプロツアーまでにぜひとも解消したいところですね。
というかネイサン選手、強すぎないですか?去年の世界選手権の優勝を皮切りに「プロツアー・ファイレクシア」でトップ8、そして今回の「プロツアー・機械兵団の進軍」で優勝。こんなに勝ち続けるプレイヤー、マジックのプロシーン史上でいたでしょうか。少なくとも自分の記憶では存在していません。
年齢も20才前後と若く、本当にこれから10年ネイサン選手の時代が続くかも知れません。
私の話に戻すと、最終戦で負けてトップ8を逃したので悔しい気持ちもありつつ、それまで強運で勝ってきた自覚もあるのでしょうがないかなといった気持ちです。
《否認》の3枚目をトップデックしなきゃ負けの場面でトップデックしたり、目を覆うようなミスプレイをしつつも相手のドローが弱くて勝ったりなどの道のりがそこまでにありました。
最後に負けが来た、それだけのことです。
6.まとめ
最終的な成績は11勝5敗。
精算マッチポイントにより、次とその次のプロツアーの権利を獲得。さらに世界選手権出場を競うリーダーボード(権利保持者除く)では12位タイと好位置につけました。
20位を越えたあたりのプレイヤーからはそもそも次のプロツアー権利を有していないことも多く、現時点で12位であれば、次のプロツアーで初日を抜けられれば世界選手権の権利を確定させられるくらいの見立てになってきました。
次は7月の「プロツアー・指輪物語」!現状に甘んじることなく気を引き締めて挑んでいきたいですね!
今回のプロツアー参戦記は以上です。
いかがだったでしょうか、それではまた、次回の記事でお会いしましょう!
市川
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