ジャン・アンリ・デュナン、赤十字の創設者、なるほど、興味深い……。

　おや？ 久しぶりに話を聞きに来た？ そうか、ちょうど私はアンリ・デュナンの自伝を読んでいたところだ。今日は「世界赤十字デー」。赤十字の創設者である、アンリ・デュナンの誕生日だからな。世界的に決められている日だ。

　赤十字は戦争や災害時において、救護活動を行っている。赤い十字のマークは見たことがあるだろう。特に戦争や紛争において、敵味方隔てなく救護活動を行う理念は、言葉にするのは簡単かもしれないが、実行するのはとても難しい。それを実現しようとした理念は素晴らしいものだな。

　今はラヴニカでも戦争の真っ最中だが、いつ見ても戦争とは悲惨なものだな。例えば、《戦争の犠牲》というカードがあるだろう？

　あらゆるパーマネントに波及した大量破壊カードであるこれは、戦争というものを正確に表している。戦争になれば、あらゆるものがその戦いに巻き込まれ、多くの物が破壊され、犠牲になる者が多く出る。今回の戦いでは多くのプレインズウォーカーの命もまた奪われたようだ。ニコル・ボーラスとの長き戦いに決着が付いたことは感慨深くもあるが、代償も大きい。確かに、ゲートウォッチの彼らの活躍は確かに華々しい、しかし、戦いの裏には必ず、赤十字のように、傷ついた人を助け、救護活動を行っている人たちもいる、というのも忘れてはいけないのだろうな。

　しかし、常に戦いを繰り返す愚かさは人もプレインズウォーカーも変わらないものだ。私が生きて来た時代でも大きな戦争が何度もあったものだ。私もどちらかと言えば激昂しやすい方だが、これを機会に私も赤十字の精神を学んでいくとしようか。

　ふふふ……真面目な話になったな、たまにはこういうの……おや、お前が飲んでいるのは、私が大事に取っておいたタピオカミルクティーじゃないか！ ほう、ラノワールの教えを受けたいようだな、「タピオカを勝手に飲んだものは、骨を折ってあがないとする」。そんなの、赤十字じゃない？ 知るか、問答無用だ！