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ガフ提督の「ためになる」今日の1枚

フレイアリーズの「グッとくる」マジック英雄譚 今日の1枚:先駆ける者、ナヒリ

浅原 晃
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 悲劇は大衆がもっとも好むもののひとつだな。今日は「八百屋お七の日」だ。江戸末期、八百屋にお七という娘がいた。ある時、火事が起こり、避難した寺でお七は庄之助という男と恋仲になる。その後、避難は終わり家へと帰るのだが、お七の再び会いたいという想いは募るばかり、そして、ついに自身で放火をしてしまう。火事になればまた会えるそう思ったのだな。結果、お七は大罪人として火炙りにされてしまうが、その火炙りとなった日が3月29日なのだ。愛情がこじれた結果が生んだ悲劇と言えるだろうな。

 さて、こちらの世界で愛情がこじれた物語と言えば《先駆ける者、ナヒリ》だろう。先のイニストラードを舞台にした異界月では《約束された終末、エムラクール》が大暴れしたが、その元凶となったのが《先駆ける者、ナヒリ》だ。

 ただ、そもそもナヒリはソリン、ウギンとともに、ゼンディカーに次元を喰らい続ける怪物、エルドラージを封印した3人のうちの1人であり、次元を守る側の立場だった。封印後、ゼンディカーの守護者としてナヒリは残り、後の2人はもし封印が解けそうになった時は再び集まることを約束したわけだ。

 だが、ある時、封印が解けそうになり、ナヒリは他の2人を呼んだが応える者はいなかったのだ。「お前ら、行けたら行くっていって絶対来ない奴かい!」と思いながらも、ナヒリは1人で封印を補強すると、ソリンを探しに旅に出たのだ。そして、イニストラードの地でソリンを発見したのだが、当のソリンは説明下手、基本的に偉そう、アヴァシンが登場の三拍子で、「その女は何ですか!」のナヒリの言葉とともに結局修羅場、いや、戦闘となり、ソリンはナヒリを千年の間《獄庫》と呼ばれる石の中へ封印することとなったのだ。

 そして、千年後、《獄庫》の封印が解かれると、ナヒリは荒廃したゼンディカーを目の当たりにし、思ったのだ。イニストラードにも火付けるわ、いや、エムラクールをソリンに投げつけてやろうと。そして、エムラクールをイニストラードへと呼び寄せたのだな。

 最後にナヒリはソリンと戦い、逆にソリンを石の中へと閉じ込めることに成功する。ちなみに、この結末にスカッとしたという感想を持った層もいたから、どちらかと言えば、こちらは愛情がこじれた喜劇になっているかもしれないがな。ふふふ、大衆が好きそうな話だろう? まあ、私はもっと高尚な話が好きだが。

 私が好きなドラマが知りたい? そうだな、もちろん、昼ドラのドロドロした愛憎劇が……いや、違うぞ! 決して、ドロ沼系ドラマとかが好きなわけではないぞ!

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