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ガフ提督の「ためになる」今日の1枚

今日の1枚:暴れ回るフェロキドン

浅原 晃

 わしは今日は半ドンで、ささっと帰るんじゃ。何? 半ドンを知らんとな? 花金も分からん? プレミアムフレイデーだけ? しかも、全然プレミアムじゃない? いや、最後のは知らんぞい。うむむ、確かに半ドンはもう死語かもしれんのう。

 半ドンとは学校や仕事が午前で終わる日のことじゃな。昔は完全週休2日制ではなく、土曜日も午前は学校などがあったから、そんな日のことを半ドンと言ったのじゃな。そして、1876年3月12日は官公庁で土曜日の半休が導入された日じゃから、今日は「半ドンの日」というわけじゃ。

 帰りたかったが、カード紹介を忘れとったのう。今日の1枚はドン繋がりで《暴れ回るフェロキドン》を紹介するぞい。

 《暴れ回るフェロキドン》は『イクサラン』で加わった恐竜の1体じゃ。3マナ3/3のボディに威迫とここまでは普通じゃが、ライフ回復の禁止、そして、クリーチャーが戦場に出たときに1点のダメージをコントローラーに与えるという、行動を制限する能力を持っておる。

 そうなんじゃな、暴れ回るという名前じゃが、実はこのカードは環境の抑止力としてデザインされた1枚なのじゃ。それは、当時、暴れ回っていた《サヒーリ・ライ》と《守護フェリダー》の無限コンボを抑えるための能力だったんじゃな。

 だが、ここで悲劇が起こるのじゃ、結局、《守護フェリダー》が健全でないとして禁止になると、《暴れ回るフェロキドン》はその能力を持て余してしまうのじゃ。そして、《守護フェリダー》の後を追うように《暴れ回るフェロキドン》も抑止力が高すぎるとして禁止になってしまうのじゃな。守るために作られたものがそれ自身の力で禁止になってしまうとはのう……このフェロキドンの話はロミジュリやデビルマンに匹敵する悲劇としてマジック界に語り継がれておる。

 ちなみに半ドンの語源はさまざまな説があるが、オランダ語の日曜(Zondag)が訛ってドンタクになったという説などがあるようじゃの。今日という日くらいは、スタンダードを半ドンで上がった《暴れ回るフェロキドン》、そんな恐竜のことをたまには思い出してみるのも良いかもしれんのう。

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