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ガフ提督の「ためになる」今日の1枚

今日の1枚:焼けつく肉体

浅原 晃

 ふぉっふぉっふぉ、今回は過去にあった実際のトーナメントから1枚のカードを紹介するぞい。

 この《焼けつく肉体》というカードからピンと来たのなら、なかなかのマニアじゃな。トーナメントマニア初段くらいの実力はあるぞい。

 もう、16年も前になるのかのう、2003年1月17日〜19日の間、『オンスロート』のロチェスタードラフトで行われたプロツアー・シカゴ2003は新旧レジェンド対決で大いに盛り上がった大会じゃった。特にプロツアー7勝目が懸かったカイ・ブッディ/Kai Buddeとジョン・フィンケル/Jon Finkelが同時にトップ8に入ったのには大いに盛り上がったのう。

 ジョン・フィンケルはマジックの最初期から活躍し、今でも一線級のプレイヤーじゃて、知っている人も多いじゃろうな。ただ、その時ばかりは、カイ・ブッディの勢いは留まることを知らなかったのじゃ。「ジャーマン・ジャガーノート」との異名を持ち、プロツアーはここまでで6勝、結果的にこのトーナメントでも優勝し7勝目を挙げるのじゃ、そうじゃ、トップ8に7回じゃないぞい、優勝が7回目じゃ。なんじゃそりゃ、くらいの感想しか出ないのう。

 準決勝でジョン・フィンケルとの新旧レジェンド対決を制すると、カイ・ブッディの決勝の対戦相手はニコライ・ヘルツォグ/Nicolai Herzog、こちらも後の殿堂プレイヤーとなるレジェンドなんじゃが、その決勝の1本目じゃ、お互いがダメージレースを展開し、ギリギリの戦いとなる中、最後にこれしかないといった勝ち筋《焼けつく肉体》を引き当てるんじゃな。

 幸運と言えばそれまでのように思えるが、ただ、幸運なだけではないぞい、最終ターンまで最善を尽くして、これさえ引ければ勝てるというところまで、持っていったことにすごさがあるんじゃな。トーナメントで勝利した人は何か神に選ばれたような瞬間があると思うんじゃが、このトーナメントでは見てた誰もが、その瞬間にカイ・ブッディ優勝の予感が確信に変わったんじゃな。そして、カイ・ブッディはそのままの勢いで優勝したのじゃ。

 ちなみに、このトーナメントでは日本勢でまだ現役の真木孝一郎、若かりし頃の津村健志、大礒正嗣といった名前も参加者に見られるのう……ちなみにこの時の日本人の最下位はN……おっと、怒られる前にわしはドロンするぞい。

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