GAME PLAY

RULES

- ルール文書 -

マジック:ザ・ギャザリング デジタル・イベント規定

2021年11月15日発効

はじめに

 イベントでのプレイは、常にマジック:ザ・ギャザリングの重要な部分であり続けている。デジタルで開催されるイベントが増えていくにつれ、デジタルでイベントを主催したり参加したりする上で独特なことを明示する手引きの重要性が増している。

 この文書は、テーブルトップではMTRでまとめているような、ただしデジタルのイベントに焦点を当てた基幹構造と、世界中のプレイヤーと関わるイベントを運営する上での独特の課題をまとめたものである。

 可能な限り、デジタル・イベントはどこで開催されていても一貫性を持って運営されるべきである。これによって地球のどこにいるプレイヤーも同等の取り扱いを受け、スムーズに国際的イベントへと進むことが出来るようになる。プレイヤーは均等に扱われ、またこの文書で記されている責任を共有することが期待される。プレイヤーもスタッフも、円滑なデジタル・イベントを運営するという共通の目的に向かって協力すること。プレイヤーとスタッフは、ルールとそのルールが作られた精神の両方に従い、お互いに公正かつ敬意を持って接しなければならない。プレイヤーはマジック・デジタル・イベント規定とマジック:ザ・ギャザリング総合ルールの最新版に従う責任がある。観客には観客の責任がある。これらの規則を破った個人には、該当する文書によって定められた懲罰が適用される。

 この文書にある情報は、マジック総合ルールと矛盾する(あるいは総合ルールにおいて未定義である)ものがある。その場合、この文書の内容が優先される。

 この文書は、デジタル・イベントの標準の規則である。イベント主催者は、代替のあるいは追加のポリシーや手順を定めたその特定のイベントの公式ファクト・シートを制定できる。この文書と公式ファクトシートの間で矛盾が生じた場合、ファクトシートの内容が優先される。

 ウィザーズ・オブ・ザ・コーストはこれらの規定を解釈し、調整し、明確化し、その他公式な変更を事前の告知なしで加える権限を留保する。

 必要に応じて、この文書は更新される。この文書に記されているフォーマットにおける個別のカードの適正性の更新日は、少なくとも1週間前に告知される。カードの適正性に関係しない変更は、事前の予告なしに行われる場合がある。

 これは、magic.ggのポリシー・タブにあるテーブルトップや店舗でのポリシーのセクションで公開されているマジック・イベント規定への附則である。

1. イベントの基本

1.1. イベントの種別

 この文書に則ったデジタル・イベントは、マジック:ザ・ギャザリング アリーナ(MTGアリーナ)ゲーム・クライアントを用いて行われる。

 現在、デジタル・イベントには、オンラインとLANの2つの大分類がある。オンライン・イベントでは、プレイヤーは自分のデバイスと接続を用いて、遠隔地からプレイするのが一般的である。LANイベントでは、プレイヤーは同じ場所で同じネットワーク接続を用いてプレイするのが一般的である。

 テーブルトップとデジタルのイベントを含む認定イベントは、プレミアと非プレミアの2つに分類される。プレミア・イベントはウィザーズ・オブ・ザ・コースト社、あるいはその選んだイベント主催者によって運営され、特定の名前と特徴を持つ。明示的にプレミアでないすべてのイベントは、非プレミア・イベントである。

 プレミア・イベントの中には、オンラインとLANの両ステージを含む単一のイベントも存在する。

 イベントのフォーマットは、大きく分けて2種類あり、リミテッドと構築である。。各フォーマットごとに特有の規定が存在する。リミテッドでは、プレイに用いる物品はすべてイベントの間に提供される。構築では、プレイヤーはそれぞれに事前にデッキを準備し、それを用いて対戦する。

プレミア・イベントの中には、複数のフォーマットやステージからなる単一のイベントも存在する。

1.2. イベント情報の公開

 ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社は、イベント情報を(そのイベントの間も含む)いつでも公開する権利を有する。イベント情報の中には、プレイヤーのデッキ内容、戦略やプレイの解説、会話の内容、ビデオ録画などが含まれる。イベント主催者も、イベント終了後にイベント情報を公開する権利を持つ。

 ウィザーズ・オブ・ザ・コーストは、懲罰ならびに資格停止に関する情報を公開する権利を有する。

1.3. イベント上の役職

 イベントのために、以下の役職が定義されている。

  • イベント主催者(TO)
  • ヘッドジャッジ
  • ジャッジ/イベント担当者
  • 主任担当者
  • プレイヤー
  • 観客

 上記のうち最初の4つの役職は、スタッフである。ヘッドジャッジとジャッジ/イベント担当者はあわせてジャッジと呼ばれる。1人の個人が複数のスタッフとしての役職を兼ねてもよい。イベントでジャッジでない個人は、本人がプレイしていないマッチに関しては観客である。取材者も観客として扱われる。

1.4. 参加資格

 以下の例外を除いて、DCI認定イベントには誰でもプレイヤーとして参加することができる。

  • DCIによって資格停止処分を受けている個人; 資格停止処分を受けているプレイヤーは、ウィザーズのイベント運営ソフトを使ったイベントには登録できない。他のソフトで運営するイベントでは、主催者は資格停止中のプレイヤーが認定イベントで競技しないよう誠実に努力すること。DCIによって資格停止中の個人は、スタッフとしても参加できない。
  • ウィザーズ・オブ・ザ・コーストの方針によって特に参加を禁止されている個人(この決定はウィザーズ・オブ・ザ・コーストの専権である)。
  • 13歳未満の個人は、DCI認定デジタル・イベントには参加できない。賞金のかかったデジタル・イベントや賞金のかかったイベントへの予選であるデジタル・イベントでは、18歳未満の個人には追加の制限がかかる場合がある。
  • 現地の法律、あるいはイベント主催者やイベント会場の規定によって禁止されているプレイヤー。
  • イベント主催者は、自身の主催するイベントについて参加資格を制限することができる。その制限は、イベントの告知など、イベントの情報を掲載するすべての場所で明確に表示されなければならない。(例えば、イベント主催者は16歳以下のためだけのイベントを開催することができる。)

 以下の例外を除いて、誰でもスタッフ(イベント主催者、ヘッドジャッジ、ジャッジ/イベント担当者、主任担当者)を務めることができる。

  • イベントでそのイベントのスタッフがプレイしていた場合、そのイベントは無効となる。スタッフはイベントを公正に、また自己の利益を勘案せずに運営しなければならない。
  • プレミア・イベントを運営する組織のオーナーは、そのオーナーが書類上スタッフ(主催者、ジャッジ、スコアキーパー)として登録されていなくてもその種のイベントに参加することはできない。

 一部のイベントには、プレイヤーとして参加したりスタッフを務めたりするために追加の条件がある(Championshipsなどの、招待選手のみによるイベント)。

 プレミア・イベント招待ポリシーは、特定の種類の招待選手限定プレミア・イベントの参加資格の規則を定めている。(Qualifier Weekend, Championships)

 プレミア・イベントへの参加資格について疑義がある個人は、ウィザーズ・オブ・ザ・コーストにメール(esports@wizards.com)で問い合わせること。

1.5. ウィザーズ・アカウント

 イベント参加者は、登録するためにマジック:ザ・ギャザリング アリーナでプレイするために必要なウィザーズ・アカウントを持っていなければならない。ウィザーズ・アカウントを持っていない個人は、MTGアリーナのゲーム・クライアントを使ってアカウントを作成することができる。プレイヤーはアカウントを作成することによって利用規定、プライバシー・ポリシー、行動規範に同意したことになる。

1.6. イベント主催者

 イベント主催者は、イベントの運営のための以下のようなことに関して責任を持つ。

  • ウィザーズ・オブ・ザ・コーストから認定番号を受け取っておく
  • イベントに必要と思われる条件を満たすイベント運営用プラットフォームを選ぶ
  • イベント当日に先んじてイベントを宣伝する
  • イベント運営のために必要なスタッフを集める
  • イベントの運営に必要な、プレイヤーやスタッフのコミュニケーション拠点(TOがオーナーであるDiscordサーバーなど)を用意する
  • イベントの結果をウィザーズ・オブ・ザ・コーストに報告する。
1.7. ヘッドジャッジ

 認定イベントでは、論争の裁定やルールの解釈その他公式な決定を下すために、ヘッドジャッジが必要である。ヘッドジャッジはイベントにおいて最終裁定権限者であり、すべてのイベント参加者はその解釈に従わなければならない。

 ヘッドジャッジの責任には、以下のようなものがある。

  • すべての上訴に対し、ジャッジ/イベント担当者の裁定を覆すことも含めて最終裁定を下すこと
  • 必要に応じて、ジャッジに役目を割り振ること

 しばらくの間任を果たせない場合、必要であれば、ヘッドジャッジは一時的に他のジャッジに義務を移管してもよい。また、そうしなければイベントの完全性が損なわれるような特別な条件下においては、イベント主催者はヘッドジャッジに代わってもよい。

 一部のプレミア・イベントにおいては、複数のヘッドジャッジがいたり、イベントの部分ごとに異なるヘッドジャッジがいたりすることもある。

 ヘッドジャッジとして務めている限りにおいて、すべてのヘッドジャッジは同等の責任を持ち、同等の権限を行使する。

1.8. ジャッジ/イベント担当者

 ジャッジ/イベント担当者に、プレイヤーは質問したり問題解決の助けを求めたりその他妥当な手助けを求めたりできる。

1.9. 主任担当者

 主任担当者は、イベントを通して、適正な組み合わせとその他あらゆるイベントの記録を作ることを任務とする。主任担当者の責任には、以下のようなものがある。

  • 適正な組み合わせを毎ラウンド作成し、ラウンドの結果を正確に入力すること
  • 適切なときに順位や対戦表を作成すること
  • 成績記録処理上発生したあらゆる問題を、ヘッドジャッジと協力して解決すること
  • イベントを通して、違反を記録すること

 ヘッドジャッジは、成績記録処理上で発生した問題を解決するための行動の決定に関する最終権限を持つ。

1.10. プレイヤー

 プレイヤーには、以下の責任がある。

  • スタッフ、他のイベント参加者、観客に対して常に紳士的態度を保ち、非紳士的行為を慎むこと
  • 告知された開始時間ならびに時間制限に従うこと
  • マッチ内でルールやポリシーの違反を見付けた場合に注意喚起すること
  • イベントのマッチ結果に矛盾を見つけた場合にジャッジを呼ぶこと
  • 単一のウィザーズ・アカウントを持ち、他者と共有せずに適切な状態に保つこと
  • イベント主催者が求めたコミュニケーション・チャンネルに参加すること
  • ポリシーによって参加が認められていないイベントに参加しないこと
  • この文書に含まれる規定を知ること
  • 物理的あるいはオンラインで参加し、そのイベントに能動的に対応できる状態であることプレイヤーが参加するには、以下のものが必要である。
  • 安定したインターネット接続
  • 最新のマジック:ザ・ギャザリング アリーナのゲーム・クライアントとその推奨環境を満たして正常にそのプログラムを動かせるデバイス(https://magic.wizards.com/en/mtgarena/faq 参照)

 イベントに参加するプレイヤーには、モバイル・デバイスや初期アクセスのプラットフォームの使用は推奨しない。そのようなプレイヤーは、自身のゲームプレイや接続の問題についてすべての責任を負うこと。

 プレイヤーはイベント主催者が提供した備品を使うよう求められることがある。その場合には、イベント主催者が提供した備品に関する責任はイベント主催者にあり、プレイヤーにはない。イベント主催者が明示的に備品やインターネット接続を提供すると言っていない場合、プレイヤーは自分の道具を準備する必要があると考えること。

 自身の責任を果たさなかったプレイヤーは、懲罰と調査を受ける可能性がある。ウィザーズ・オブ・ザ・コーストは、事前の予告なしでプレイヤーのアカウントを停止させ、あるいは無効にする権限を留保する。

1.11. 観客

 LANイベントに物理的に存在し、あるいは公式イベント情報の告知先としてイベント主催者が指定したチャンネルに参加していて、上記のどの分類にも入らない人物は、観客である。観客が、ルールやポリシーの違反を見つけたと思った場合、可能な限り早く担当者を呼ぶことが望ましい。

2. イベントの機構

2.1. マッチの構成

 マジックのマッチは、一方が一定数(通常は2つ)のゲームに勝つまで続けられる一連のゲームからなる。引き分けのゲームはこの数に考慮しない。時間切れのラウンド終了時に両方のプレイヤーが同数のゲームに勝利していた場合、マッチは引き分けとなる。

 イベント主催者は、MTGアリーナで扱えるゲーム数の範囲でマッチの勝利に必要なゲームの数を変更できる。2ゲーム以外にする場合、それはイベント開始前に告知しなければならない。注:イベント・モードでは目標勝利数は2に固定されている。

 認定イベントでは、個別のゲームではなくマッチの結果がウィザーズ・オブ・ザ・コーストに報告される。

2.2. プレイ/ドロー・ルール

 スイス・ラウンドのマッチの第1ゲームにおいて、どちらのプレイヤーが先攻かはMTGアリーナが無作為に選ぶ。

 イベントの決勝ラウンドでは、マッチの開始前に、決勝進出時の順位が高いプレイヤーが先攻か後攻かを選ぶ。この決定は、プレイヤーが開始時の手札を見る前に、担当者に伝えること。(可能なら対戦相手に直接伝えてもよい。)MTGアリーナが無作為に、順位の低いプレイヤーに先攻後攻の選択肢を与えていた場合、そのプレイヤーは順位の高いプレイヤーの選択に基づいて選択しなければならない。

 マッチ内の各ゲームの終了後、サイドボードの後に、MTGアリーナはそのゲームの敗者に次のゲームの先攻後攻の選択権を与える。直前のゲームが引き分けだった場合、MTGアリーナはその引き分けになったゲームで決定権を持っていたプレイヤーに決定権を与える。

2.3. ゲーム開始前の手順 ― MTGアリーナの指名対戦の情報

 各ゲームの開始前に、以下の手順を適切な時間内で行なわなければならない。

1. 対戦相手の、MTGアリーナのユーザーIDを調べる

2. MTGアリーナのゲーム・クライアントを起動し、指名対戦(剣が交差しているアイコン)を選ぶ

3. 対戦相手のMTGアリーナのユーザーIDを入力する (大文字と小文字は区別される)

4. 現在参加しているステージと設定が一致していることを確認する(スタンダード、

テッド など)

5. そのイベントのために登録してあるデッキを選択する

6. 対戦申請を送る

 両プレイヤーが申請した後、MTGアリーナのゲーム・クライアントがそれ以降の工程を行なう。

2.4. ゲームまたはマッチの、投了または同意による引き分け

 マッチは、結果が主任担当者に届けられた時点で終了したものとして扱う。

 その瞬間までは、マッチ内のゲームに勝っていたプレイヤーであっても相手に投了することができる。そのプレイヤーが1ゲームでも勝っていた場合、マッチの結果は2-1として報告しなければならない。

 プレミア・イベントではマッチは引き分けにはできない。

 非プレミア・イベントでは、イベント運営システムで引き分けが認められているなら、プレイヤーは同意によりマッチを引き分けにすることができる。

 謝礼の類と引き替えに、投了したり引き分けに同意したりしてはならない。それらの行為は〔買収行為〕となる(5.2節参照)。

2.5. マッチ終了時の手順

 MTGアリーナでは、イベント・マッチでは両プレイヤーに30分の持ち時間が与えられる。この時間は各プレイヤーそれぞれのものであり、そのプレイヤーが優先権を持っているか決定が必要なときにのみ消費される。プレイヤーの時間が切れた場合、そのプレイヤーはそのマッチに敗北する。

 そのオンライン・イベントの主任担当者は担当者に、50分経過時点で結果が報告されていないマッチがプレイ中かどうか確認するように指示できる。反応しなかった場合、懲罰の対象となる可能性がある。(マジック・デジタル・違反処置指針 2.5. 〔イベント上の誤り ― 回線切断〕参照)

2.6. デッキ登録

 プレイヤーはデッキとサイドボードを登録する必要がある場合がある。

 登録されたデッキリストは、デッキと(存在するなら)サイドボードの元の構成を記録したものである。デッキリストをスタッフが受理した後では、そのデッキリストを編集することはできない。

 プレイヤーはいつでも自分のデッキリストを確認できる。

 デッキリスト提出期限は、イベント主催者が定める。複数日のイベントおよびプレミア・イベントでは、数日前にデッキ提出期限があることがある。

 通常、デッキリストはイベント当日の第1回戦の開始前が締切である。(参加登録時の場合も、参加登録締切後の場合もある。)

2.7. 公開/非公開デッキリスト

 デッキリストの必要なイベントは、一般的に、イベント中のそのリストの扱いには2種類ある。そのイベント中、プレイヤーに非公開である(非公開デッキリスト)場合と、プレイヤーに公表されている(公開デッキリスト)である。

 イベントの同じステージに参加しているプレイヤー間で得られる、デッキリストその他の情報が異なってはならない。

2.8. ヘッドジャッジへの上訴

 プレイヤーが担当者の裁定に納得できない場合、そのプレイヤーはヘッドジャッジに上訴することができる。  プレイヤーは、対応したジャッジが裁定を終えるまでは上訴することはできない。

 ヘッドジャッジは上訴を受ける権限を持つアピールジャッジを指名することができる。ヘッドジャッジ、または指名されたアピールジャッジの裁定は最終決定である。

2.9. イベントからの棄権

 プレイヤーはいつでもイベントから棄権できる。プレイヤーが第1ラウンド開始前に棄権した場合、そのプレイヤーはそのイベントに参加していないものとして扱われる。

 イベントから棄権することを選んだプレイヤーは、次のラウンドの組み合わせが生成される前に主任担当者にその意志を伝えなければならない。そうしない場合、次のそのラウンドは組み合わせられる。

 プレイヤーがマッチに姿を見せなかった場合、そのラウンドの終了までに主任担当者に伝えて継続の意思を示していない限り、そのプレイヤーはそのイベントから棄権したものとして扱う。

 棄権済みのプレイヤーがそれを撤回することができるのは、次のラウンドの組み合わせ前、ヘッドジャッジの判断によってのみである。

 頻繁に、あるいは故意に、主任担当者に報告することなくイベントから棄権するプレイヤーは、資格停止を含む懲罰の対象となりうる。

 足切りが確定した後でプレイヤーがイベントから棄権した場合、他のプレイヤーがその代わりに進出することはない。棄権したプレイヤーがいる場合も、決勝ラウンドはそのプレイヤーに【マッチの敗北】を与えて予定通り進行する。

 謝礼の類と引き替えにイベントから棄権してはならない。その行為は〔買収行為〕となる(5.2節参照)。

2.10. 記録を取ること

 プレイヤーはマッチの進行中に記録を取ってもよく、その記録を参照してもよい。プレイヤーはその記録を対戦相手に公開する必要はない。

 LANのイベントでは、メモの使用が制限されることがある。その場合、イベント主催者はイベント開始前にその制限について告知する必要がある。

2.11. ビデオ・カバレージ

 イベントの中には、マッチの生中継や録画放送のために動画を用いるものがある。イベントの検知からは、ビデオ・コメンテーターは観客として扱う。彼らはカバレージの間、イベント参加者すべてに対して敬意を持ってふるまう責任がある。

 ビデオカバレージでフィーチャーに選ばれたプレイヤーは、フィーチャーされる上で必要な手順が増える場合がある。それらの手順は、プレイを始める前にイベント主催者からプレイヤーに明瞭に伝えられる。それらの手順によってデッキリストなどの情報の参照可否がそのイベントの同一ステージにおける他のフィーチャーされたプレイヤーとの間に差異が生じてはならない。

 観客も、邪魔にならない限りマッチを記録することができる。

 ヘッドジャッジは、その裁量で、イベントでの裁定を下す助けとしてビデオ・リプレイを使うことができる。ビデオ・リプレイは、のちの調査手順で用いられることもある。

 外部情報の参照となる可能性や有用性を減らすため、生配信には最低10分のディレイが推奨される。(プレミア・イベントの配信においてはこれは義務である。)

2.12. イベント内意思疎通

 ほとんどのデジタル・イベントでは、公式なイベント情報が告知されるプラットフォームが定められる。プレイヤーがそのイベントに参加するには、そのプラットフォームを使えなければならない。

 そのプラットフォームに参加する以外にも、プレイヤーはジャッジやその他スタッフからの連絡に反応できなければならない。スタッフに反応できなかった場合、懲罰の対象になりうる。(マジック・デジタル違反処置指針 3.5 ― 〔回線切断〕参照。)

3.イベント規定

3.1. タイブレーカー

 以下のタイブレーカーを用いて、イベントにおけるプレイヤーの順位を決定する。

  • 1. マッチ・ポイント
  • 2. オポネント・マッチ・ウィン・パーセンテージ
  • 3. ゲーム・ウィン・パーセンテージ
  • 4. オポネント・ゲーム・ウィン・パーセンテージ

 これらのタイブレーカーの定義は付録Cに記載されている。1ゲームマッチ制を用いるイベントでは、3と4のタイブレーカーは使用しない。

 主催者とプラットフォームは、異なるタイブレーカーを用いてもよい。その場合、その詳細はその主催者のイベント規定かプラットフォームのウェブサイトで公開され、イベント進行に伴うすべての順位で見ることができなければならない。

3.2. フォーマット

 現在、この文書が扱っていてMTGアリーナで使用可能なフォーマットは以下の通り。

構築フォーマット

  • スタンダード/Standard
  • ヒストリック/Historic

リミテッド・フォーマット

  • シールド・デッキ/Sealed Deck
  • ブースター・ドラフト/Booster Draft
3.3. カードの使用可否 ― 新製品の発売

 カードはMTGアリーナで発売されるとデジタル・イベントで使用可能になる。発売されてもスタンダードで使用可能にならないセットが存在する。(『Historic Anthology』、『Jumpstart』、各種リマスターなど。)詳しくは、mtgarena.comの各セットの製品ページを参照。

3.4. サイドボード

 サイドボードとは、そのプレイヤーがマッチのゲームとゲームの間にデッキを調整するために用いてもよいカード群のことである。マッチの第1ゲーム終了後は、それらのカードをメインデッキに入れて使ってもよい。

 プレイヤーは、デッキとサイドボードをもとの構成にして各マッチを開始しなければならない。

 サイドボードの構成と使用に関する制限は、それぞれのフォーマットごとのデッキ構築規定に含まれている。(例:1ゲームマッチでは16枚でなく7枚のサイドボードが認められている。)

 「ゲームの外部にある(カード)」を参照するカードが存在する。イベントにおいては、その条件に当てはまるのはそのプレイヤーのサイドボードにあるカードだけである。

4.認定規定

4.1. 認定最少人数

 認定イベントでは、最低4人のプレイヤーが参加していなければならない。4人が参加していなかった場合、イベント主催者はそのイベントを「行わなかった/Did Not Occur」として報告すること。

4.2. ラウンド数

 認定イベントでは、最低2ラウンドがプレイされなければならない。2ラウンドがプレイされなかった場合、イベント主催者はそのイベントを「行わなかった/Did Not Occur」として報告すること。

 ラウンド数は第1ラウンドの開始時またはその前に告知し、一旦告知したら変更することはできない。特定の条件を満たしたときにイベントを終了するとして、不定のラウンド数を告知することもできる。例えば、20人のプレイヤーが参加しているイベントでは、第4ラウンド終了時に4-0のプレイヤーが1人だけでなかったら5ラウンド行なう、という告知が可能である。

 スイス式イベントで推奨されるラウンド数は、付録Dを参照。

4.3. 招待選手のみのイベント

 招待選手のみのイベントに参加するプレイヤーには、追加の参加資格が定められている。プレミア・イベントの招待リストは、該当する期間のプレミア・イベント招待ポリシーで定められている。それらの文書は、マジック・eSportsウェブサイトのポリシー・セクションに公開されている。

4.4. 組み合わせのアルゴリズム

 特に告知されていない限り、イベントはスイス式組み合わせアルゴリズムに従うものとする。その後、トップ2、トップ4、トップ8(など)によるシングル・エリミネーションの決勝ラウンドを行なうイベントもある。ブースター・ドラフトのイベントにおいては、スイス式組み合わせのアルゴリズムは第7.6節に示したとおり修整される。

 シングル・エリミネーションの決勝ラウンドを行なう構築イベント(あるいは決勝でドラフトを行なわないシールド・イベント)においては、スイス式の最終順位に基づいた組み合わせを推奨する。

8人シングルエリミネーション決勝ラウンド(構築、シールド(ドラフトなし))

  • 第1ラウンド:1位 vs 8位、2位 vs 7位、3位 vs 6位、4位 vs 5位
  • 第2ラウンド:1-8の勝者 vs 4-5の勝者、2-7の勝者 vs 3-6の勝者
  • 第3ラウンド:第2ラウンドのマッチの勝者同士

4人シングルエリミネーション決勝

  • 第1ラウンド:1位 vs 4位、2位 vs 3位
  • 第2ラウンド:第1ラウンドのマッチの勝者同士

8人シングルエリミネーション・ドラフト決勝ラウンド(ドラフトのみに推奨される)

  • 1) 無作為の順番でプレイヤーをドラフト・テーブルに座らせ、時計回りで1~8までの番号を割り当てる。
  • 2) ドラフトとデッキ作成が終わった後、マッチの組み合わせは
  • 第1ラウンド:1席 vs 5席、2席 vs 6席、3席 vs 7席、4席 vs 8席
  • 第2ラウンド:1-5の勝者 vs 3-7の勝者、2-6の勝者 vs 4-8の勝者
  • 第3ラウンド:第2ラウンドのマッチの勝者同士

 ダブルエリミネーションの決勝ラウンドの場合推奨される組み合わせは決勝進出プレイヤーをスイス最終順位に基づいて対戦させることである。

5. イベント規定抵触行為

5.1. 故意の違反

 故意の違反は許されない行為である。ヘッドジャッジは、故意の違反に関するすべての申し立てをよく検討し、プレイヤーが不正な行為をしたと判断した場合には、「マジック違反処置指針」または「ルール適用度が一般の場合のジャッジ法」に基づく適切な懲罰を与える。すべての失格は、DCIの調査を受け、更なる懲罰が適用される可能性がある。

5.2. 買収

 棄権、投了、あるいはIDへの同意、その他ゲーム内の決定は、利益や何らかの要因の申し出と引き換えであったり影響されたりしたものであってはならない。そのような見返りについて申し出たり、他者がそのような申し出をするよう誘導することは禁止されており、それらは買収とみなされる。プレイヤーは、スタッフに対して裁定の結果に影響を与える目的でそのような申し出をしてはならない。

 現在のイベントで得られる予定の賞を任意に分け合うことをマッチの間あるいはマッチ前に取り決めておくことは買収には当たらない。ただし、そのゲームやマッチの結果、あるいはプレイヤーのイベントからの棄権が、賞を分け合ったことに起因するものであってはならない。

 シングル・エリミネーションの最終戦と告知されているマッチにおいて、勝者と、その結果の賞品の分け方を決定することも買収には当たらない。この場合、プレイヤーのうち1人はイベントを棄権することに同意しなければならない。その後、プレイヤーは最終の順位による賞品を受け取る。

 マッチやゲームの結果は無作為にあるいは自由意志で決定されてはならず、通常のゲームによって決められなければならない。サイコロ、コイントス、乱数生成機、他のゲームの結果などによって決めることは認められない。

 プレイヤーは他のマッチと関連して同意を導いてはならない。プレイヤーは他のテーブルのマッチやゲームの状態を見て判断しても良いが、ただし、この種の情報を得るために過剰な努力をすることは認められない。

 現金、商品券、未開封の商品だけが提供されている(そしてさらなるイベントへの招待がかかっていない)イベントのシングルエリミネーション・ラウンドでは、イベント主催者の許可があれば、プレイヤー全員が賞を均等に分割することを選んでも良い。その時点でイベントを終わりにしても良いし、プレイを続けても良い。この同意のためには、イベントに残っているプレイヤー全員が同意する必要がある。

例:1位が4000ジェム、2位が2000ジェム、3位4位がそれぞれ1000ジェムを得られるというイベントの準決勝開始前に、プレイヤーはイベント主催者に、イベントを終了させ、全員が2000ジェムずつを手にする許可を得てもよい。ただし、その主催者がその割り振りをする権利(ジェム・コードなど)を持っていることが条件となる。

例:参加資格が得られる1人枠のChamionshipの決勝で、決勝進出者2名は同意によってイベントの賞を分け合っても良いが、その同意によってマッチの結果が変化してはならない。1人がイベントから棄権し、棄権しなかったプレイヤーは参加資格を得る。その後、それ以外の賞品を同意したとおりに分け合って良い。

5.3. 賭博行為

 イベント参加者、スタッフ、観客は、イベント、マッチ、ゲームの結果ならびにそれらの一部に関しての賭けを行なってはならない。

5.4. 非紳士的行為

 非紳士的行為は決して容認されない。イベント参加者は、礼儀正しく敬意を持って振る舞わなければならない。非紳士的行為には以下のようなものが含まれる。

  • 共有されているイベント空間(Discordなど)で不敬を働くこと。
  • 常識的に考えて嫌がらせ、いじめ、つきまといと思われるような行動をすること。
  • スタッフ、プレイヤー、観客に対して、言い争ったり、けんか腰に振舞ったり、侮辱したりすること。
  • 参加者の氏名や写真を本人の許可無く晒すなど、観客やスタッフも含む参加者のプライバシーや安全性を侵害すること。
  • ソーシャルメディアを使って他の参加者をいじめ、侮辱、威嚇すること。
  • スタッフの指示に背くこと。

 スタッフは、気がついた問題のありうる行動を可能な限り早く調査し、その行動が繰り返されないように行動すること。すべての非紳士的行為はさらなる調査を受けることになる。

5.5. 遅いプレイ

 ほとんどのマッチでは、プレイヤーは選択を行なうために使える時間を制限するタイマーのあるイベント・マッチ機能を用いてプレイする。しかしながら、指名対戦を使うイベントもあり、その場合クライアントにタイマーが存在しない。その場合も、すべてのプレイヤーは適切なペースでプレイする責任がある。時間稼ぎは許されない。プレイヤーは担当者に、そのゲームが遅いプレイでないか見るように頼んでもよい。その種の要求は、イベントの状況によっては受け入れられない場合がある。

5.6. 外部情報の参照

 マッチの進行中、プレイヤーはプレイについての助言を観客に求めてはならず、同様に観客はプレイについての助言をプレイヤーに与えてはならない。プレイヤーは、対戦相手の手札にある非公開のカードなど、ゲームのクライアントから得られないゲーム内の情報を求めてはならない。

 デッキ構築中、プレイヤーや観客はデッキ登録用紙をまだ提出していないプレイヤーに対して助言や論評を与えてはならない。

 ドラフトのポッドが発表された後、ドラフトが終了するまでの間プレイヤーや観客はドラフトにおける選択や戦略に関するいかなる情報も提供してはならない。

 これらの制限の一部は公式の取材やカバレージのために変更される場合があるが、それらの変更は影響を受けるプレイヤーに通知される。

6. 構築イベント規定

6.1. デッキ構築上の制限

 構築のデッキは、60枚以上のカードで構成されなければならない。デッキに入れられる枚数に上限はない。プレイヤーがサイドボードを使用する場合、複数ゲームマッチ制の場合15枚までであり、1ゲームマッチ制の場合7枚までである。

 特殊タイプとして基本を持っているか、あるいは文章に特にそう書いてあるカードを除いては、1人のプレイヤーのデッキとサイドボードを合わせて、英語版のカード名に直して同名のカードは4枚までしか入れることができない。

6.2. 適正なカード

 特定のフォーマットにおいて使えるカードは、そのフォーマットで使用できるセットのカードと、それと同名のカードだけである。特定のフォーマットにおいて禁止または一時停止されているカードは、そのフォーマットのデッキでは使用できない。特定のフォーマットにおいて制限されているカードは、デッキとサイドボードをあわせて1枚しか入れてはならない。

6.3. スタンダード・フォーマット・デッキ構築

 スタンダードのイベントで使用できるカードの一覧は https://magic.wizards.com/content/standard-formats-magic-gathering で参照できる。

 スタンダード構築イベントで禁止されているカードの一覧は、https://magic.wizards.com/game-info/gameplay/rules-and-formats/banned-restricted で参照できる。

6.4. ヒストリック・フォーマット・デッキ構築

 ヒストリック構築は、MTGアリーナで販売されているカードを用いた、ローテーションのないフォーマットである。

 ヒストリックのイベントでは、カードが一時停止あるいは禁止になることがある。一時停止のカードとは、ヒストリックのイベントで一時的に使用できなくなっていて、一時停止リストから解除されることも禁止リストに移行することもありうるカードのことである。

 最新のヒストリック構築の禁止・一時停止カードリストは https://magic.wizards.com/en/game-info/gameplay/formats/historic から参照できる。

7. リミテッド・イベント規定

7.1. デッキ構築上の制限

 リミテッドのデッキは、40枚以上のカードで構成されなければならない。デッキに入れられる枚数に上限はない。リミテッドのデッキに使用しなかった、すべてのドラフトまたは開封したカードはそのプレイヤーのサイドボードとして機能する。プレイヤーのシールドやドラフトのカード・プールに同名のカードが5枚以上ある場合、そのプレイヤーはそれらすべてを使ってもよい。

7.2. リミテッドのイベントでのカードの使用

 開封したブースターのエキスパンションからのカード(かつ、開封またはドラフトしてそのプレイヤーのプールにあるカード)だけを、プレイヤーのデッキに入れることができる。この規定には以下の例外がある。

  • プレイヤーは、《平地》《》《》《》《》という名前のカードを望む枚数だけ自分のデッキやサイドボードに加えることができる。氷雪基本土地(《冠雪の森》など)や《荒地》は基本土地であるが、それらが使えるフォーマットであってもそれらを加えることはできない。
7.3. 継続型デッキ構築選択ルール

 MTGアリーナのリミテッド・イベントに参加しているプレイヤーは、マッチとマッチの間に、デッキのカードをサイドボードのカードと入れ替えて次のマッチまでに元の構成に戻さず、自由に自分のデッキを変更することができる。

 この選択ルールは、プレミア・イベントでは使えない。

7.4. 規定外の物品

 ウィザーズ・オブ・ザ・コーストもイベント主催者も、特定のブースター・パック1つについてカードのレアリティや出現頻度を保証しない。プレイヤーが、ブースター1つ、あるいはシールド・プールに、レアリティや出現頻度が以上だった場合、担当者を呼ばなければならない。規定外の製品を交換するか許容するかは、ヘッドジャッジとイベント主催者の判断によって最終決定される。

付録A - 過去の版からの変更点

 現在の版と過去の版との変更点だけがこの付録に記されている。

2021年11月15日

  • magic.ggでの文書公開
  • フォーマットでの適正性に関する古い情報の章は、替わって、禁止・一時停止のカードに関する最新の情報を反映したウェブサイトへのリンクを記載した。
  • 1.6:主催者のイベント記録を6ヶ月保存する義務を削除した。
  • 2.12:配信のディレイの推奨時間を10分に変更した。
  • 5.4:プライバシー侵害行為の定義に当てはまる振る舞いを明示するように更新した。
  • 6.1:1ゲームマッチ制でのサイドボードの上限枚数を追加した。
  • 構築規定の章の番号振り直し(10章から4章に変更)
  • 文書内の追加のリンクを強調して、この文書を主なルールのソースとして参照するマジックeSportsイベントを扱うプログラムに関するポリシーや情報の重要なページを示すようにした。
  • この文書に誤りが残っていた場合のため、文章や書式を整えた。これは現在も進行中であり、今後のバージョンで誤字や書式の問題は解消されていくだろう。

付録B ― ラウンドの制限時間

 MTGアリーナでは、イベント対戦を使った場合、各プレイヤーは30分の持ち時間を得る。可能な限り時間を管理するためにこの方法を用いることが推奨されている。

 担当者は、イベントの各ラウンド開始後50分で結果を提出していないプレイヤーに連絡することが推奨されている。この時間経過後に連絡をしてきた担当者にプレイヤーが対応しなかった場合、懲罰の対象となる可能性がある。(マジック・デジタル・違反処置指針 3.5 - 〔回線切断〕 参照)これは、プレイヤーがマッチを終わらせるまでの制限時間ではなく、ただ担当者がそのプレイヤーがまだプレイしているかどうかを確認し始める時間である。

 そのイベントのヘッドジャッジが、そのイベントにおける制限時間に関する最終権限者である。ただし、これらの推奨から逸脱する場合、それはイベントの参加登録前、またその間に告知されなければならない。

 マジック・プレミア・イベントには別の時間制限がある場合がある。それらの時間制限は、そのイベントやイベント・シリーズのファクト・シートに記されている。

付録 C - タイブレークの解説

マッチ・ポイント

 プレイヤーは、勝ったマッチ1つごとに3点、引き分けたマッチ1つごとに1点のマッチ・ポイントを得る。(負けたマッチではポイントは得られない。)

 マッチが時間切れになって、両方のプレイヤーが同じ数のゲームに勝利していたら、そのマッチは引き分けとみなす。時間切れになったときに、一方のプレイヤーがその対戦相手よりも多くのマッチに勝利していたら、マッチに勝ったと記録される。不戦勝になったプレイヤーは、3点のマッチ・ポイントを得る。

例:

・ あるプレイヤーが、6-2-0(勝-負-分)の成績であった。この場合、そのプレイヤーは18点(6×3+2×0+0×1)のマッチ・ポイントとなる。

・ あるプレイヤーが、4-2-2であった。そのプレイヤーのマッチ・ポイントは14点(4×3+2×0+2×1)である。

ゲーム・ポイント

 ゲーム・ポイントとは、マッチ・ポイントと同じように、各ゲームごとに勝てば3点、引き分けで1点を得るというポイントである。終わらなかったゲームは、引き分けとして扱われる。プレイされなかったゲームには点数は与えられない。

例:

・ あるプレイヤーが、あるマッチに2-0-0で勝った。このとき、そのプレイヤーは6点のゲーム・ポイントを得、対戦相手はゲーム・ポイントを得られない。

・ あるプレイヤーが、あるマッチに2-1-0で勝った。このとき、そのプレイヤーは6点のゲーム・ポイントを得、対戦相手は3点のゲーム・ポイントを得る。

・ あるプレイヤーが、あるマッチに2-0-1で勝った。このとき、そのプレイヤーは7点のゲーム・ポイントを得、対戦相手は1点のゲーム・ポイントを得る。

 チーム戦においてはゲーム・ポイントは使用せず、タイブレークにおいても単にマッチ全体の結果のみを見る。

マッチ・ウィン・パーセンテージ

 あるプレイヤーのマッチ・ウィン・パーセンテージは、そのプレイヤーの合計マッチ・ポイントを参加したラウンド数×3で割ったものである。ただし、0.33よりも小さかった場合には0.33として扱われる。(マッチ・ウィン・パーセンテージの最低値[0.33]を定めることは、タイブレーカーの第1段階においてオポネント・マッチ・ウィン・パーセンテージを計算するときにあまりにも不利になることを防ぐ)

例:

 3人のプレイヤーが、8ラウンドのイベントに参加したが、1人目だけが全ラウンドに参加したとする。

戦績 マッチ・ポイント 対戦したラウンド数 マッチ・ウィン・パーセンテージ
5-2-1 16 8 16/(8*3) = 0.667
1-3-0で棄権 3 4 3/(4*3) = 0.25 なので、0.33を用いる
3-2-0(1ラウンド不戦勝)で棄権 9 5 9/(5*3) = 0.60
ゲーム・ウィン・パーセンテージ

 マッチ・ウィン・パーセンテージと同じように、あるプレイヤーのゲーム・ウィン・パーセンテージは、ゲーム・ポイントをそのプレイヤーが得られ得た最大のゲーム・ポイント(通常、プレイしたゲームの総数×3)で割って求められる。ここでも、0.33よりも小さかった場合、0.33を用いる。以下の2人のプレイヤーが4ラウンドのイベントに参加したとする:

ラウンド 成績 ゲーム・ポイントの合計 プレイしたゲーム数 ゲーム・ウィン・パーセンテージ
1 2勝(6点)       
2 2勝1敗(6点)      
3 1勝2敗(3点)      
4 2勝(6点) 21 10 21/(3*10) = 0.70
 
ラウンド 成績 ゲーム・ポイントの合計 プレイしたゲーム数 ゲーム・ウィン・パーセンテージ
1 1勝2敗(3点)      
2 1勝2敗(3点)      
3 2敗(0点)      
4 1勝2敗(3点) 9 11 9/(3*11) = 0.27 なので、0.33を用いる
オポネント・マッチ・ウィン・パーセンテージ(オポ)

 あるプレイヤーのオポネント・マッチ・ウィン・パーセンテージとは、そのプレイヤーが対戦した相手のマッチ・ウィン・パーセンテージの平均である(不戦勝のラウンドは除く)。上に書いたマッチ・ウィン・パーセンテージの定義を用いて、それぞれの対戦相手のマッチ・ウィン・パーセンテージを算出する。

例:

・ あるプレイヤーの、8ラウンドのイベントにおける成績は6-2-0であり、そのプレイヤーの対戦相手の成績は、それぞれ4-4-0、7-1-0、1-3-1、3-3-1、6-2-0、5-2-1、4-3-1、6-1-1であった。この場合、そのプレイヤーのオポネント・マッチ・ウィン・パーセンテージは (12/24 + 21/24 + 4/15 + 10/21 + 18/24 + 16/24 + 13/24 + 19/24)÷8となる。これを小数に直し、0.33を下まわる値を修正すると、(0.50 + 0.88 + 0.33 + 0.48 + 0.75 + 0.67 + 0.54 + 0.79)÷8=0.62となる。

・ また別のプレイヤーが、同じイベントで6-2-0の成績を得ていた。そのプレイヤーの対戦相手の成績は、不戦勝、7-1-0、1-3-1、3-3-1、6-2-0、5-2-1、4-3-1、6-1-1であった。したがって、そのプレイヤーのオポネント・マッチ・ウィン・パーセンテージは、上と同じように計算して、(0.88 + 0.33 + 0.48 + 0.75+ 0.67 + 0.54 + 0.79)÷7=0.63となる。

オポネント・ゲーム・ウィン・パーセンテージ

 オポと同じように、あるプレイヤーのオポネント・ゲーム・ウィン・パーセンテージは、単純にその対戦相手全員のゲーム・ウィン・パーセンテージの平均で求められる。オポを求めるときと同じように、0.33以下のゲーム・ウィン・パーセンテージは0.33として計算する。

不戦勝

 プレイヤーがあるラウンドで不戦勝になったとき、そのマッチに2-0-0で勝ったものとして計算される。つまり、3マッチ・ポイントを得、6ゲーム・ポイントを得る。そのプレイヤーのオポネント・マッチ・ウィン・パーセンテージやオポネント・ゲーム・ウィン・パーセンテージを求めるときには、それは無視される。

付録 E - スイス式イベントにおいて推奨されるラウンド数

 ほとんどのプレミア・レベルのイベントでは、そのイベントの開始前にイベント情報ページで変更が告知されてイン限り、以下のスイス式ラウンドで運営される。非プレミア・イベントにおいても、イベント主催者の決定によりこれを用いてもよい。

参加人数 スイス式ラウンド数 決勝ラウンド
4 シングル・エリミネーション2ラウンド(スイス式は行わない) 行わない(シングル・エリミネーションのみ)
5-8 シングル・エリミネーション3ラウンド(スイス式は行わない) 行わない(シングル・エリミネーションのみ)
9-16 4(リミテッドで決勝ドラフトを行う場合)5(その他の場合) トップ8(リミテッドで決勝ドラフトを行う場合)トップ4(その他の場合)
17-32 5 トップ8
33-64 6 トップ8
65-128 7 トップ8
129-226 8 トップ8
227-409 9 トップ8
410+ 10 トップ8

 賞としての不戦勝が与えられているイベントにおいては、1不戦勝を持つプレイヤーは2人分、2不戦勝を持つプレイヤーは4人分、3不戦勝を持つプレイヤーは8人分として上の表を用いること。

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