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世界選手権11
(翻訳記事) Round 9: Ivan Floch(スロバキア) vs. Anton Jonsson(スウェーデン)
Nate Price / Translated by Kenji Tsumura
「俺たちはドラフト中に隣同士だったけどさ、協力的っつーかなんつーか...俺たちは良いドラフトをしたよな。」 Anton Jonssonは頬笑みながら、対面に座る隣人ことスロバキア共和国のIvan Flochにこう言った。 Jonssonは昨日殿堂入りをはたした3人のうちの1人で、その類い稀なるリミテッドスキルと、常識的な一般論を打ち破る数々の名作ビデオ記事で知られている。 対するFlochも決して無名なプレイヤーというわけではない。彼は昨年度の世界選手権ではスロバキア共和国代表の一員としてプレイしたし、今年行われたプロツアーパリではトップ64位、プロツアー名古屋ではトップ16位入賞を果たしている。Ivan Flochは今年に入っていくつかの良い成績を残しているが、彼のこのラウンドの対戦相手であるAnton Jonssonは偉大な殿堂入りプレイヤーだ!
《霊捕らえの装置》はJonssonの幽霊を捕らえ、1本目をFloch優勢へと変えた。
Jonssonは途切れることなく次なる「飛行」クリーチャー、《戦場の霊》を戦場へ。《声無き霊魂》は死んでしまったが、《宿命の旅人》が残していったスピリットトークンは未だ健在だ。
しかしFlochはそんなものは意に介さず《霊捕らえの装置》と《肉切り屋のグール》でのアタックを継続。Jonssonのライフを8まで削り落す。Flochは戦闘後に《金切り声のコウモリ》で戦線を拡大し、《霊炎》用に4マナを残してターンを終える。返すターンにJonssonが2匹のフライヤーでアタックしてきたので、Flochは計画通り《金切り声のコウモリ》と《霊炎》の合わせ技で《戦場の霊》を葬り去る。このアタックでFlochのライフも8になってしまったが、《戦場の霊》を対処できたことを考えれば安いものだ。Jonssonは《修道院のグリフィン》でこの穴埋めをするが、戦況は殿堂入りプレイヤーにとって厳しいと言わざるを得ない。
Flochは再び全軍で突撃。《霊捕らえの装置》は《研究室の偏執狂》にチャンプブロックされるものの、《肉切り屋のグール》がJonssonのライフを蝕む。Flochは《マルコフの上流階級》を再キャスト。
Jonssonはなんとかもう1ターン生き残ろうと画策するが、Flochの強力な軍勢に見合うものを用意することができない。次なるFlochのアタックをチャンプブロックで凌いだJonssonだったが、これにより彼のクリーチャーが壊滅してしまい負けを認めた。
Floch 1, Jonsson 0
Jonssonはゾンビたちに、普段彼らが感じることのない《戦慄の感覚》を与え、3本目とこのマッチに蓋をした!
Jonssonは敵陣の《肉切り屋のグール》を《悪鬼の狩人》で奪い去り、道をこじ開けた。Flochの《飢えへの貢ぎ物》によって《錯乱した助手》を失うが、《銀筋毛の狐》をキャストし一向に手を休めない。
Flochは《神聖を汚す者のうめき》でなんとか戦線を維持しようと試みるが、Jonssonサイドの《その場しのぎのやっかいもの》はあまりにも、あまりにも強大だ。これが再びFlochに襲いかかり、重い一撃を加える。ライフトータルは18対13でJonssonがリードしている。
《金切り声のコウモリ》はまたもや《アヴァシン教の僧侶》にタップされ、仕方なく2匹のゾンビトークンで守りを固めるFloch。
ゾンビが恐怖を感じるなんておかしな話ではあるが、Jonssonは2体のゾンビに《戦慄の感覚》を与えた。Flochは《夜の犠牲》で《悪鬼の狩人》を葬り去り、《肉切り屋のグール》を取り戻すことに成功するが、Jonssonの《アヴァシン教の僧侶》がブロックを阻む。
このアタックで6点ものダメージを受けてしまったFlochのライフは残り7に。なにかしら強力な守備態勢を築く必要のあるFlochは、《神聖を汚す者のうめき》を「フラッシュバック」してゾンビの数を2倍に増やし、《金切り声のコウモリ》でアタックしてターンを返した。
この時点でJonssonにはライフ面でのアドバンテージがあるが、Floch側のクリーチャー数を考慮して、このターンのアタックは自重することに。Flochは2体目の《肉切り屋のグール》を追加する。唯一の航空戦力である《金切り声のコウモリ》は《アヴァシン教の僧侶》に抑え込まれているため、どちらもアタックできない膠着状態に。
こういった状態ではよくあることだが、Jonssonの次なるドローはこの状況を打破した。打破と言うよりは、むしろ踏みつぶしたと言ったほうが適切だろうか。安堵の吐息と共に手札から《戦慄の感覚》をキャストしたJonssonは、「フラッシュバック」を含めFlochの全てのクリーチャーをタップした。Flochのゾンビ軍団が力なく遠くを見つめる中、Jonssonのクリーチャー陣がそれらを横切り致命傷を与えた。
「正直3本目は勝てないだろうと思ってたんだけどね。」 Jonssonはこう呟いた後に、カードを片づけながら、今度は深い安堵の吐息をついた。
Floch 1, Jonsson 2
「俺たちはドラフト中に隣同士だったけどさ、協力的っつーかなんつーか...俺たちは良いドラフトをしたよな。」 Anton Jonssonは頬笑みながら、対面に座る隣人ことスロバキア共和国のIvan Flochにこう言った。 Jonssonは昨日殿堂入りをはたした3人のうちの1人で、その類い稀なるリミテッドスキルと、常識的な一般論を打ち破る数々の名作ビデオ記事で知られている。 対するFlochも決して無名なプレイヤーというわけではない。彼は昨年度の世界選手権ではスロバキア共和国代表の一員としてプレイしたし、今年行われたプロツアーパリではトップ64位、プロツアー名古屋ではトップ16位入賞を果たしている。
Game 1
Jonssonは《銀筋毛の狐》でゲームを開始し、これが無人の荒野を駆け抜けた後に《錯乱した助手》と《宿命の旅人》を追加する。しかしながらJonssonの終了ステップにFlochが《錯乱した助手》を《霊炎》で対処したことで、《宿命の旅人》が運んできたのはやはり悲運だったことが判明した。Flochは続く自身のターンで《マルコフの上流階級》を戦場に送り込む。 *訳注* 《宿命の旅人》の英語名に含まれるDoomという単語には、凶運を運んでくるという意味合いがある。 Jonssonは《静かな旅立ち》で《マルコフの上流階級》を手札に追い返し、アタックを継続。さらに《アヴァシン教の僧侶》をキャストして、今しがた手札に戻したばかりの吸血鬼の再来に備える。Flochは《マルコフの上流階級》をキャストする代わりに、《肉切り屋のグール》を戦場へ。土地が3枚で止まってしまったJonssonはこれをどうすることもできず、このターンのアタックは控えることに。これでFlochにはある程度の余裕が生まれ、《グール起こし》でアドバンテージを手にする機会を得た。 Jonssonはようやく4枚目の土地を見つけだしたのだが、キャストしたのは3マナの《研究室の偏執狂》。何か特別な事柄がない限りはただの2/2にすぎないが、少なくともアタッカーとしての役割は期待できるだろう。 Flochは《地獄の口の中》をもってしてJonssonの《アヴァシン教の僧侶》を排除し、Jonssonが戦場をコントロールすることを許さない。《地獄の口の中》は同時に《島》をも奪い去り、Jonssonの土地を再び3枚に引き戻す。Flochは《肉切り屋のグール》でアタックしてビッグイニングを終えた。 Jonssonは少しずつでも相手のライフを削ろうと決心し、全軍でアタックを敢行。Flochは《グール起こし》で《宿命の旅人》をブロックし、これが置き土産に「飛行」持ちのトークンを残す。Jonssonはさらに《声無き霊魂》を追加したものの、これはFlochの《霊捕らえの装置》ですぐさま対処される。そしてその間にも、Flochは《肉切り屋のグール》でJonssonのライフを削り続ける。Game 2
2本目も最初に動いたのはJonssonで、《銀筋毛の狐》と《声無き霊魂》を連続でキャストする立ちあがり。 Flochが最初の3ターンの間に何もできなかったのに対し、Jonssonは順調に戦線を拡大していく。次なる一手は《修道院のグリフィン》だ。 Flochは4枚目の土地、または2枚目の《沼》を引くことが叶わず、失望の空気を漂わせながら《グール起こし》をディスカードをするはめに。次なるドローもキャスト不可能なものだったことを確認した後に、FlochはJonssonの《嵐霊》を見て投了を宣言。 Floch 1, Jonsson 1 「おそらくあの手札はマリガンすべきだったね...。」 「どんな手札だったんだい?」 Jonssonは彼に尋ねた。 「《山》が2枚と《沼》が1枚。あとは《グール起こし》と4マナ圏がいくつか。」 Flochは答える。 「難しいな。もし君のデッキが攻撃的なものなら俺はキープするけど、全ては君のデッキの内容次第かな。まあ俺はマリガン嫌いだけどね。」 Jonssonが笑いながらそう言うと、Flochも笑いながら頷きこれに同意した。Game 3
後手にも関わらず、ファーストアクションはまたもJonssonサイドの《アヴァシン教の僧侶》。 Flochは《金切り声のコウモリ》をすみやかに呼び出し、次のターンには《肉切り屋のグール》を追加するが、Jonssonの展開はこれを凌駕するものだった。《アヴァシン教の僧侶》に続いて召喚した《錯乱した助手》を起動してみると《研究室の偏執狂》が墓地に落ちたため、Jonssonは《その場しのぎのやっかいもの》をキャストすることができたのだ。 これで盤面の有利を得たJonssonに対し、Flochは《金切り声のコウモリ》でアタックするのみでターンを返す。RESULTS 本大会の対戦結果・順位
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