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世界選手権11

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Round 11: 行弘 賢(三重) vs. Luis Scott-Vargas(アメリカ)

by Shiro Wakayama  全ラウンドの折り返しと1ラウンドを終えて、8勝2敗と好調な二人。  日本国内でこそ、グランプリTOP8や、コラムの執筆、ニコニコ生放送での配信等で有名なプレイヤーだが、世界的にみればまだまだ無名な行弘 賢。  対するは、世代交代後の強いアメリカのボスとも言うべき、ご存じLuis Scott-Vargas。  Luis Scott-Vargasが一時期と比べるとゲキ痩せしたようで、一見すると、行弘も恰幅では追いついたように見えるのだが、マジックのプレイはどうだろう?  アメリカを背負う男と、日本の期待のホープの戦いを、おとどけしよう。

Game 1

 Luis Scott-Vargasは1/1《物騒な群衆》でスタート、行弘は《血に狂った新生子》。    ここでLSVはボム第1号として《月皇ミケウス》をX=2でプレイ。  しかし行弘も負けてはおらず、《霊炎》で《物騒な群衆》を退場させると、《血に狂った新生子》でアタック、サイズアップさせる。さらに《不可視の忍び寄り》をプレイして、クロックを準備。  少し劣勢のLSVは、ここでちょっとだけ悩む。行弘が用意したクロックを捌くのが先か、盤面を作るのが先か。  数々の修羅場を潜り抜け、無数ともいえるデュエルを経てきた彼の頭脳は、さして時間をかけずに結論を出す。結果としては《もつれ樹》をプレイ。  次の行弘の攻撃は全てスルーした上で、ダメージレースで後塵を拝すことを承知で、盤面をがっちり作りだす。LSVのライフは、行弘の攻撃を予定調和で全てスルー。ライフを12とするが、行弘は動けない。  ここまで耐えていたLSVが、ここで攻勢に出る。《無私の聖戦士》を戦場に追加したうえで、《旅の準備》を表裏で、使用。《もつれ樹》と《月皇ミケウス》にカウンターを乗せて、急に肉肉しい場を作る。
 LSVが何とか場を作る前に、ダメージで差し切りたい行弘だったが、《血に狂った新生子》はカウンター5個と大きくなった《月皇ミケウス》でブロックされ犬死に。  さらに後続を展開できずに厳しい状況で、LSVの場に《ガヴォニーの居住区》まで追加されてしまっては、到底ゲームをまともに進められる場ではなくなってしまい、投了。 行弘 賢 0-1 Luis Scott-Vargas

Game 2

 LSVは《物騒な群衆》、行弘は《血に狂った新生子》スタート。  LSVが《アヴァシン教の僧侶》をプレイすると、行弘が《霊炎》で《物騒な群衆》を除去してアタックと、序盤からめまぐるしい立ち上がり。  さらに行弘は《スカースダグの信者》をプレイして、破滅思考の砲台を準備。前のめりな構成の行弘のデッキに対して、LSVはさらに《待ち伏せのバイパー》をプレイして、長いゲームプランをとって、《月皇ミケウス》や《ガヴォニーの居住区》といったカードが有効活用できるような展開へと行弘を誘い込む。  そんな悠長なゲームに付き合っていては勝機が薄い行弘は《銀の象眼の短刀》をプレイして、《血に狂った新生子》に装備。《アヴァシン教の僧侶》がいるのですぐに攻撃には参加できないものの、LSVが大きなアクションを取りずらいようにプレッシャーをかける算段だ。  LSVはここで、《ガヴォニーの居住区》を引き当ててセットランド。起動できる状態を作り上げて、ターンを返す。  行弘は攻撃を宣言。LSVは《ガヴォニーの居住区》もあるので何もしない。行弘は《霊炎》フラッシュバックで《待ち伏せのバイパー》を葬ろうとするが、これは先ほどセットした《ガヴォニーの居住区》でパンプされ、回避。相打ちとなってしまい、《霊炎》を損した上に展開を阻害されてしまった形になってしまう。  行弘のクロックを処理できて、少し安心したLSVは《灰毛ののけ者》をプレイ。土地しか引かない行弘が、何もできずにターンを返すことでこれが即変身。    一気に盤面が圧倒的なものになっていく。
 虎の子の《裏切りの血》+《スカースダグの信者》のコンボによって、盤面をひっくり返そうとする行弘だったが、これは《レインジャーの悪知恵》で弾かれてしまい、残った3枚の手札は土地のみ。    行弘の展開との噛み合いも含めてほぼ完璧な立ち回りをしたLSVが、圧勝。 行弘 賢 0-2 Luis Scott-Vargas 行弘 「デッキは弱くないんですけど、相性がめちゃくちゃ悪かったです。LSVもブン回りでしたしね。」  長丁場の世界選手権。TOP32に入れば、20点で来年のプロツアーの参加権を確約される行弘は6敗ラインで概ね、目的を達成できる。  残り7ラウンドであと4勝。勝ち越せば、また来年も、世界を相手に戦うことができる。   行弘 「圧殺されちゃって、すいませんでした。次勝ってくるんで、またフィーチャーしてくださいね。」  気持ちを切り替えて、行弘はまた次の戦いへと赴く。
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RESULTS

対戦結果 順位
18 18
17 17
16 16
15 15
14 14
13 13
T4
T3
12 12
11 11
10 10
9 9
8 8
7 7
T2
T1
6 6
5 5
4 4
3 3
2 2
1 1

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