読み物
Round 7: Josh Utter-Leyton(アメリカ) vs. 森 勝洋(東京)
By Takeshi Miyasaka
世界選手権二日目はイニストラード・ブースタードラフト6回戦で争われる。成績順に8人ごとのテーブルを作り、同じテーブル内でドラフトをし、3回戦を戦う。その後また成績順にテーブルをあらためて作り、ドラフトをし、3回戦を戦うのだ。
Josh Utter-Leytonと森 勝洋はともに5勝1敗でスタンダードを終えて、第3ポッドに組み込まれた。最終日を狙う上では、このポッド内で2勝、できれば3勝でセカンドドラフトを迎えたい大事な戦いとなる。
森にデッキの強さを尋ねたところ「まあまあっすね。そこそこ行けますよ。」とのこと。森の奮闘に期待したい。
Game 1

ダイスロールに勝ったJosh Utter-Leytonが先攻で、二日目最初のフィーチャーマッチが始まった。
《》《》からの《》《》という好ダッシュを見せるJosh Utter-Leytonに対し、森は《》《》《》という立ち回り。
Josh Utter-Leytonは《》で攻撃すると、《》をセットして《》召喚、と押せ押せな攻勢が止まらない。
森もJosh Utter-Leytonと同じく緑白という色をチョイスしているが《》を戦場へ投入するも追加の土地をプレイできずに足踏み状態。
森がもじもじしている間に《》と《》がレッドゾーンへ送り込まれ、森のライフは 20→18→11 と急下降していく。
さらに《》と《》をボードに追加して戦場を圧倒するJosh Utter-Leytonに対し、森はいまだ追加のマナソースを展開できず《》をインプレイするのみで、Josh Utter-Leytonの攻勢を止めるにはかなり厳しそうだ。しかし《》がアンタップしなければ、あるいは。
《》を《》でタップされて攻撃を抑制されたJosh Utter-Leytonは、《》をセットするのみでターンを終えて《》を《》へと変身させる。


森は目の前に立ち並ぶファッティたちを前にして、回避能力を持つ《》を《》することを選択するが、マナはタップアウトとなる。
森のターン終了時に《》を瞬速プレイすると、《》をレッドゾーンに送り込んで森のライフを7へ落とし込む。さらに《》を戦線へ追加し、森を処刑台へと誘っていく。
4ターンぶりに土地を引き当てた森は、《》の能力を開放しつつ、《》と《》を支配下に加える。
すでに圧倒的な盤面を維持しているJosh Utter-Leytonだが、しかし考えることを放棄することはなかった。じっくりプランを練り上げると攻撃フェーズへ移行する。
《》が《》にタップされるのを確認すると、《》だけを森の元へ立ち向かわせる。
ブロックする方法をしばし考えていた森は、アンタップしている自軍の人間たち――《》《》《》――すべてを狼退治へ向かわせる。《》によってすべてが 2/2 となっていたことにより、若者と隊長が命を失い《》が生き残ることに。
しかし、Josh Utter-Leytonが《》で《》と《》を育て上げると、森はお先真っ暗なこのゲームに終止符を打つことを選んだ。
Josh Utter-Leyton 1-0 森 勝洋

ところで、Josh Utter-Leytonと言えば、あの独特のシャッフルが記憶に残る読者は多いと思う。どの?という方は、ぜひプロツアーフィラデルフィアの録画をご覧になっていただきたい。
カードを横から差し込み続けるだけのシャッフルなのだが......どちらかというと雑なシャッフルだなあという印象を受けるのである。いや、もちろんよそ見をしながらシャッフルすることでカードを見てしまうことがないという意思表示は素晴らしいと思うのだが、もう少しカードを大事にしたシャッフルをしても罰は当たらないのではなかろうか、と考えてしまう。
まあ、何が言いたいかというと、Josh Utter-Leytonのシャッフルによって、森のスリーブが次々と裂けていく様に、森が思わず「いま入れたばかりのスリーブがダメになってるんだから、もっと丁寧にシャッフルしようよ」とツッコミを入れていたのに思わずうなずいてしまった筆者である。
その森に対してJosh Utter-Leytonは申し訳なさそうに「Sorry」とぽつりもらしていた。
Game 2
先攻を選んだ森だがダブルマリガンを余儀なくされてセカンドゲームが幕を開ける。
《》《》から《》というスタートの森に対して、Josh Utter-Leytonは《》《》からの《》とややぎくしゃくとした展開。
今度は順調に3枚目の土地として《》をセットした森は《》を戦闘に差し向ける。アップキープに《》が《》へ変身するのを見届けたJosh Utter-Leytonは《》セットで4マナへジャンプすると《》を召喚して軸をずらした戦線を構築するが、森がコントロールする《》への回答にはならず、攻撃を受けてJosh Utter-Leytonのライフは15へ落ち込む。
さらに4マナ目の《》をセットした森は《》を戦場へ投入し、ダブルマリガンとは思えない順調さで自軍を組み上げていく。

森がダブルマリガンながらの好ダッシュだとしたら、Josh Utter-Leytonは後手マリガンなしで3枚のアドバンテージがある。3枚目の《》をプレイすると《》と《》を展開し、《》に昼の光を当てて変身を解いた。ブロックされない《》は上空から森のライフを狙う。
ここまで序盤をリードしていた森はここで分水嶺を迎える。先ほどまで攻勢を維持していた闇夜の力は《》に及んでいないので攻撃することはできない。となれば、当面の脅威を刈り取るべきだろう。
まずは《》で《》を狩ると、4枚目の《》セットから《》をブロックできない《》へエンチャントして無力化する。その後《》をレッドゾーンへ送り込み、Josh Utter-Leytonのライフを12とした。
攻め手を目の前で絡め取られたJosh Utter-Leytonは、《》と《》を追加してターンを返すと、森はなにもせずに《》を《》へサイズアップし、将来の攻撃チャンスをうかがわせる。
凪の後には動きがやってくる。《》がJosh Utter-Leytonのコントロール下に追加されたことで、主導権が森からJosh Utter-Leytonへと移ったのが見て取れた。
5/5 の巨大戦車が森に襲いかかると、ノータイムで《》と《》がブロックし「ビフォアダメージ。」と発言した森は《》で《》を破壊する。ただ巨大戦車を失っただけのJosh Utter-Leytonは、《》をおかわりしてビッグターンを終えた。
当面の脅威を排除した森は《》を攻撃に向かわせるが、《》がチャンプブロックして墓地へ向かう。一瞬「?」が頭に浮かんだ筆者である。
その理由はすぐに氷解した。Josh Utter-Leytonは《》をセットすると《》で、墓地にある《》《》を回収し、《》をプレイしたのだ。

Josh Utter-Leytonはライフを3点軽減しつつ、ビッグアクションで失った巨大戦車を回復し、さらに森の《》を《》へ戻すことに成功したのだ。
森は《》を、Josh Utter-Leytonは回収済みの《》をそれぞれ戦場へ投入してターンを返すと、森はみたびなにもせずに終えるターンを作り《》を《》へと変身させる。
しかし、ここからJosh Utter-Leytonが反撃に転じる。
《》を《》にエンチャントすると、《》をレッドゾーンに送り込み、森のライフを13まで減じて、さらに《》を追加して《》を小さくする。森は《》をもう一度《》へと変身させるのだが。
《》と2体の《》がレッドゾーンへ送り込まれると、《》を《》でブロックして残りをテイクして森のライフは9となる。
いちおう《》で攻撃してみる森だったが、その後頭を振って右手を差し出すのだった。
Josh Utter-Leyton 2-0 森 勝洋
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