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ワールド・マジック・カップ2018
ワールド・マジック・カップ2018 注目の出来事
2018年12月16日
ワールド・マジック・カップ2018では74の国と地域が3日間にわたる戦いを繰り広げ、思い出に残る物語がいくつも紡がれました。この週末は間違いなく、マジック大国からコミュニティの小さな国まで、バルセロナの地に集まったすべての国がただひとつの目標を共有していました――自国へ優勝トロフィーを持ち帰るという大義を胸に、競い合ったのです。
国の誇りを示すこと
ワールド・マジック・カップには、衣装で国の誇りを表現したチームを称える「スピリット・アワード」という伝統があります。2018年の「スピリット・アワード」は、南アフリカ代表、メキシコ代表、スコットランド代表、グアテマラ代表に贈られました。
今年初めて「スピリット・アワード」を受賞したのは南アフリカ代表です。メキシコ代表とスコットランド代表とグアテマラ代表は過去にも受賞歴がありますが、今年は各チームとも、また異なる衣装で参加しました。メキシコ代表は昨年受賞したアステカ帝国の歴史的衣装に続き、メキシコ革命の時代に思いをはせる衣装を選択しました。スコットランド代表は伝統的にキルトを身につけてきましたが、まさに最後となるワールド・マジック・カップに敬意を表し、今年は蝶ネクタイでよりフォーマルに着飾ってくれました。そして(数年前にお揃いのジャケットを着るようになってから、よりフォーマルなものを毎年作成している)グアテマラ代表は、国の色と国鳥ケツァールをあしらった特注のジャケットを着て今大会に臨んだのでした。
スロバキア代表が(再びの)トップ8入賞
今大会のトップ8入賞チームの中でも特に納得のチームは、プロツアー『マジック2015』王者にして世界選手権2010団体戦優勝メンバーのイヴァン・フロック/Ivan Floch率いるスロバキア代表でしょう。
スロバキア代表は、ワールド・マジック・カップが創設された2012年以降、実に4度にわたってトップ8入賞を果たしました。今大会を迎える前から2012年、2014年、2017年とトップ8入賞を記録しており、そして(皆さんの予想通り)そのすべてでイヴァン・フロックがキャプテンを務めているのです。その見事な活躍に、ついに「#IvanCoverage」というTwitterアカウントまで作られ、毎ラウンドこのようなツイートが投稿されています。
The Slovaks prayed to their god and he delivered! Slovakia advances to the top 16!!!!! pic.twitter.com/ka54pvQOKw
— #ivancoverage (@ivancoverage) December 15, 2018
言うまでもなく、イヴァン・フロックには多くのファンがいます。しかしこの週末は、彼のチームメイトのリチャード・ホーナンスキーとミラン・ニズナンスキーもフロックに負けない活躍を見せました。3人の努力が実を結び、スロバキア代表は再びトップ8の舞台に立ったのです。
イタリア代表が4連続でトップ8入賞
今年の香港代表キャプテンのリー・シー・ティエン/Lee Shi Tianは、アンドレア・メングッチの活躍を称えてワールド・マジック・カップのことを「メングッチ・インビテーショナル」と呼びました。
アンドレア・メングッチは4年連続でイタリア代表メンバーの一員としてワールド・マジック・カップに出場しており、そのうち3回はキャプテンとしてチームを率いてきました。そしてイタリア代表は4年連続で決勝ラウンドの舞台に立っており、今大会と同じバルセロナで開催された2015年には優勝も果たしています。
ワールド・マジック・カップは強豪国でも結果を出すのが難しいイベントですが、イタリア代表は世界でも類を見ないほど安定して好成績を残し続けています。つまりメングッチは、ワールド・マジック・カップで最も安定して優れた成績を残し続けているプレイヤーなのです。とはいえ、最高のプレイヤーがいても1人ではこのイベントを勝ち抜けません。チームメイトのティエンファ・ムンとマティア・バジリコも、この週末を通して見事な成績を収め、メングッチを支えました。彼らはメングッチが壁際まで追い込まれるピンチに陥っても、たびたびチームを勝利に導いてきたのです。
イタリア代表が目指す2度目の優勝への道は、3年連続準決勝で途絶えることになりました。それでも、何年も連続でトップ8の大舞台に立つというのもまた前代未聞の快挙であり、彼らが「チーム戦トーナメント最強」の評価を受けることに疑問はないでしょう。
イスラエル代表が初めてワールド・マジック・カップのトップ8入賞
世界選手権2年連続優勝のシャハール・シェンハー率いるイスラエル代表は、今大会開始直後から何度も危機を乗り越え、初めてワールド・マジック・カップのトップ8入賞を果たしました。
3日間を通して彼らに声援を送ったのが、大会の前から代表チームを支え続けたシェンハーの家族でした。その姿は、彼が王者となった世界選手権2013と世界選手権2014でも見受けられました。2013年は彼の戦いを近くで支え、2014年にも彼が歴代最強プレイヤーのひとりになる瞬間を見届けているのです。
ユヴァル・ザッカーマンとアミト・エトガルという心強いチームメイトを加え、イスラエル代表は厳しい位置から2日目へ滑り込みました。そして、これまで何度も敗退してきた2日目の第1ステージと第2ステージを乗り越えて、トップ8入賞を決めたのです。
初めての決勝ラウンドでもイスラエル代表は準々決勝、準決勝ともに接戦を制し、決勝の舞台まで登り詰めました。そこで優勝チームと最高の熱戦を繰り広げたすえに、彼らの戦いは終わったのでした。
フランス代表が2度目のトロフィー獲得
2013年、フランス代表はワールド・マジック・カップを制し、トロフィーを自国へ持ち帰りました。それから5年を経て、フランス代表は再び偉業を達成します。それを成し遂げたのは、キャプテン(にして新設された「マジック・プロリーグ」の参加選手)のジャン=エマニュエル・ドゥプラ/Jean-Emmanuel Deprazと、ティモシー・ジャモ/Timothée Jammot、アルノー・オクミラー/Arnaud Hocquemillerの3人でした。
フランス代表はこの週末を通して、何度も危機に陥りました。それでも、彼らが使う3つのデッキのうちの1つ――「ジェスカイ・コントロール」がすべての試合で獅子奮迅の活躍を見せ、彼らを救ったのです。このデッキには《火による戦い》とソーサリー呪文をコピーできるカードが採用されており、ゲームをコントロールした後に素早く対戦相手を倒せるようになっています。とりわけ、準決勝のイタリア代表戦ではその構成が効果的でした。オクミラーは《火による戦い》を「キッカー」で唱え、それを2枚の《発展 // 発破》でコピーして巨大な炎にさらなる燃料を加えたのです。
この優勝により、ジャン=エマニュエル・ドゥプラ、ティモシー・ジャモ、アルノー・オクミラーの3人は、フランスの力は健在であり、新時代の才能も擁していることを世界に知らしめました。フランス代表の皆さん、ワールド・マジック・カップ2018優勝、そして2度目のタイトル獲得おめでとうございます!
(Tr. Tetsuya Yabuki)
RESULTS 本大会の対戦結果・順位
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